侵害受容器(痛覚受容器)とは、痛み刺激を受け取る感覚受容器で、その終末は自由神経終末であり、特別な構造をもちません。大きく高閾値機械(熱)受容器=Aδ線維(III群線維)とポリモーダル受容器=C線維(IV群線維)に分けられ、前者は鋭く速い一次痛、後者は遅く鈍い持続痛に関与します。ポリモーダル受容器は皮膚・筋肉・関節と全身に分布し、鍼刺激・灸刺激にも反応するため、鍼灸作用を説明するポリモーダル受容器仮説の中心となります。
| 読み方 | しんがいじゅようき(痛覚受容器=侵害受容器) |
|---|---|
| 定義 | 痛み刺激を受け取る感覚受容器 |
| 終末の構造 | 自由神経終末。特別な受容器構造を持たない |
| 分類 | ①高閾値機械(熱)受容器 ②ポリモーダル受容器 |
| 神経線維 | 高閾値機械(熱)受容器=Aδ線維(III群線維)/ポリモーダル受容器=C線維(IV群線維) |
| 適刺激 | Aδ:強い機械刺激・熱刺激/C:機械刺激・温度刺激・化学刺激(多様=ポリモーダル) |
| 痛みの性質 | Aδ=鋭く速い痛み(一次痛)/C=遅い・鈍い・持続的でじんわりした痛み(二次痛) |
| 分布 | ポリモーダル受容器は皮膚全体・筋肉内・関節周囲と全身に広く分布 |
| 鍼灸との関係 | 鍼刺激・灸刺激にも反応し、得気・発赤(フレア)・鎮痛・自律神経調節・内分泌調節を引き起こす(ポリモーダル受容器仮説) |
| 国試での狙われ方 | Aδ=速い痛み/C=遅い痛みの取り違え、III群・IV群の対応、自由神経終末であること |
侵害受容器は痛覚受容器とも呼ばれ、痛み刺激を受け取る感覚受容器です。要点は次の3つです。
つまり「痛覚受容器=侵害受容器」であり、構造をもたない裸の神経終末が痛みのセンサーとして働きます。
強い刺激ではじめて反応する受容器で、閾値が高いのが名前の由来です。
覚え方は「Aδ線維=速い痛み」。有髄線維であるため伝導速度が速く、刺された瞬間の「チクッ」とした鋭い痛みを伝えます。
「ポリモーダル(polymodal)」は多様な様式の刺激に反応するという意味です。
C線維は無髄で伝導が遅いため、C線維=遅い痛み・鈍い痛み。持続的でじんわりとした痛み(二次痛)を生じます。
Aδ線維とC線維の対応は毎年のように狙われます。以下の対応を丸ごと覚えてください。
| 項目 | 高閾値機械(熱)受容器 | ポリモーダル受容器 |
|---|---|---|
| 主な神経線維 | Aδ線維 | C線維 |
| 群分類 | III群線維 | IV群線維 |
| 適刺激 | 強い機械刺激・熱刺激 | 機械刺激・温度刺激・化学刺激(多様) |
| 痛みの性質 | 鋭く速い痛み(一次痛) | 遅い・鈍い痛み(二次痛) |
| 痛みの持続 | 瞬間的・局在明瞭 | 持続的でじんわりとした痛み |
| 終末の構造 | 自由神経終末 | 自由神経終末 |
| キーワード | Aδ線維=速い痛み | C線維=遅い痛み・鈍い痛み |
ポリモーダル受容器は特定の場所だけでなく、広範囲に存在します。
さらに鍼刺激・灸刺激にも反応します。全身のさまざまな刺激を受け取り生体反応を引き起こすため、鍼灸作用を説明する重要な受容器と位置づけられています。
鍼刺激・灸刺激がポリモーダル受容器(自由神経終末)を興奮させ、そこから生体反応が起こるという、鍼灸作用の代表的な学説です。順序と5つの反応を覚えましょう。
機序の流れ:鍼刺激・灸刺激 → ポリモーダル受容器(自由神経終末)の興奮 → 得気・発赤・鎮痛・自律神経調節・内分泌調節などの生体反応
| № | 生体反応 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 得気(ひびき) | ズーンと響くような心地よい刺激感 |
| 2 | 発赤(フレア) | 皮膚が赤くなる反応(フレア反応) |
| 3 | 鎮痛作用 | 痛みをやわらげる・抑える効果 |
| 4 | 自律神経調節 | 交感神経(興奮)と副交感神経(リラックス)のバランスを整える |
| 5 | 内分泌調節 | ホルモン分泌を調整し体の機能をサポート(脳下垂体・副腎・甲状腺) |