侵害受容性疼痛とは、組織損傷(外傷・炎症・熱傷・打撲など)によって侵害受容器が興奮して生じる痛みで、原因が治れば痛みも消失しやすいのが特徴です。大きく体性痛(表在痛+深部痛)と内臓痛に分けられ、さらに時間経過で一次痛(Aδ線維・速い痛み)と二次痛(C線維・遅い痛み)に分類されます。国試では「線維の種類」「局在の明瞭さ」「受容器」の組合せが繰り返し問われます。
| 読み方 | しんがいじゅようせいとうつう |
|---|---|
| 定義 | 組織損傷(外傷・炎症・熱傷・打撲など)によって起こる痛み |
| 大分類 | 侵害受容性疼痛=体性痛+内臓痛 |
| 体性痛の内訳 | 表在痛(皮膚・粘膜)+深部痛(筋膜・筋・腱・骨膜・関節) |
| 内臓痛の特徴 | 局在不明瞭・自律神経症状を伴う・関連痛が起こる |
| 関与する神経線維 | 一次痛=Aδ線維(速い痛み)/二次痛=C線維(遅い痛み) |
| 受容器 | 一次痛=高閾値機械(熱)受容器/二次痛=ポリモーダル受容器 |
| 経過の特徴 | 原因が治れば痛みも消失しやすい |
| 国試での狙われ方 | 線維(Aδ/C)と痛みの性質・局在・受容器の対応、内臓痛=関連痛+自律神経症状 |
侵害受容性疼痛は、組織が傷つくこと(組織損傷)によって生じる痛みです。日常でよく出会う痛みの多くがこれにあたります。
神経そのものの障害による神経障害性疼痛とは異なり、原因が治れば痛みも消失しやすいのが侵害受容性疼痛の大きな特徴です。ここは国試頻出のひっかけポイントです。
侵害受容性疼痛は、痛みの発生部位によって体性痛と内臓痛の2つに分かれます。
体性痛は皮膚・筋・骨・関節などの痛みで、さらに表在痛(皮膚や粘膜などの表面の痛み)と深部痛(筋・骨・関節など深い部分の痛み)に分類されます。内臓痛は胃・腸・肝臓など内臓由来の痛みです。
| 区分 | 部位 | さらに分類/特徴 |
|---|---|---|
| 体性痛 | 皮膚・筋・骨・関節など | 表在痛(皮膚・粘膜などの表面の痛み)/深部痛(筋・骨・関節など深い部分の痛み) |
| 内臓痛 | 胃・腸・肝臓など内臓 | 局在が不明瞭/自律神経症状を伴う(吐き気・嘔吐・発汗など)/関連痛が起こることがある |
表在痛は皮膚・粘膜の痛みで、局在が明瞭で鋭い痛みが特徴です。「どこが痛いか」がはっきり指させます。
さらに表在痛は時間経過で2つに分かれます。
| 項目 | 表在痛 |
|---|---|
| 部位 | 皮膚・粘膜 |
| 局在 | 明瞭 |
| 痛みの質 | 鋭い痛み |
| 下位分類 | 一次痛(速い痛み)/二次痛(遅い痛み) |
| 例 | やけど直後の鋭い痛み=一次痛、数秒後のヒリヒリ痛=二次痛 |
深部痛と内臓痛はどちらも局在不明瞭ですが、伴う症状が違います。ここが国家試験超頻出です。
深部痛は筋膜・筋・腱・骨膜・関節の痛みで、ズーンと重くうずくような鈍い痛み、そして反射性筋収縮を伴うのが決め手です。内臓痛は関連痛(離れた部位に痛みを感じる/肩や背中・腰など)と自律神経症状(吐き気・嘔吐・発汗・顔面蒼白・動悸など)を伴います。
| 項目 | 深部痛 | 内臓痛 |
|---|---|---|
| 部位 | 筋膜・筋・腱・骨膜・関節 | 胃・腸・肝臓など内臓 |
| 局在 | 不明瞭(場所がはっきりしない) | 不明瞭(場所がはっきりしない) |
| 痛みの質 | 鈍い痛み(ズーン・重い・うずくような痛み) | 鈍い痛み |
| 伴う特徴 | 反射性筋収縮を伴う | 自律神経症状(吐き気・嘔吐・発汗・顔面蒼白・動悸など)/関連痛が起こる |
痛みの伝達を担う神経線維の違いが、そのまま痛みの性質の違いになります。Aδ線維=速い痛み(一次痛)、C線維=遅い痛み(二次痛)は必ず暗記してください。
| 項目 | 一次痛(速い痛み) | 二次痛(遅い痛み) |
|---|---|---|
| 痛み | 鋭い・刺す痛み | 鈍い・灼ける痛み |
| 局在 | 明瞭 | やや不明瞭 |
| 線維 | Aδ線維(エーデルタ線維) | C線維 |
| 伝導速度 | 速い | 遅い |
| 受容器 | 高閾値機械(熱)受容器 | ポリモーダル受容器 |
| 体感の例 | やけどや切り傷の直後に感じる「チクッ」とした鋭い痛み | 数秒後にじわじわ感じる「ヒリヒリ・ジンジン」とした痛み |
試験直前はこの8項目だけ確認すれば十分です。
覚え方のコツは、「表在は鋭く場所がわかる、深部と内臓は鈍く場所がわかりにくい」。線維はA(エー)はアタック=速い、C(シー)はじわーっと遅いと結びつけると混同しません。