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鍼灸刺激と体性感覚神経のしくみ・作用機序と国試ポイントしんきゅうしげきとたいせいかんかくしんけい

鍼灸刺激は体にとって体性感覚刺激であり、「刺激→受容器→神経線維→中枢」という流れで伝わります。国試では鍼=機械刺激・灸=温度刺激、侵害性刺激(毫鍼・透熱灸)と非侵害性刺激(接触鍼・無痕灸)の区別、そしてAβ・Aδ・C線維の直径と伝導速度が繰り返し問われます。ここではスライド6枚の内容をそのまま整理して解説します。

鍼灸刺激と体性感覚神経|鍼灸刺激と体性感覚神経 1
読み方しんきゅうしげきとたいせいかんかくしんけい
体性感覚刺激の分類機械刺激・温度刺激・化学刺激・電気刺激・光刺激の5種類
鍼と灸の刺激鍼刺激=機械刺激/灸刺激=温度刺激
侵害性の区別非侵害性=組織損傷を伴わない(接触鍼・無痕灸・圧刺激)/侵害性=組織損傷を伴う可能性がある(毫鍼・三稜鍼・透熱灸・焦灼灸)
熱移動様式熱伝導・熱対流・熱輻射の3つ(棒灸・灸頭鍼=主に熱輻射、隔物灸=熱伝導)
感覚受容器機械受容器・温度受容器・化学受容器・侵害受容器の4種。感覚神経終末に存在し、刺激を電気信号に変換する
主な神経線維Aβ線維(有髄・6〜12μm・35〜75m/s・触圧覚)/Aδ線維(有髄・1〜5μm・5〜30m/s・速い痛み・冷覚)/C線維(無髄・0.2〜1.5μm・0.5〜2m/s・遅い痛み・温覚・かゆみ)
伝導の原則太くてミエリンがあるほど伝導が速い。有髄線維はランビエ絞輪で跳躍伝導、無髄線維は連続的伝導で遅い
国試での狙われ方鍼=機械刺激/灸=温度刺激の対応、侵害・非侵害の分類、棒灸=熱輻射と隔物灸=熱伝導、線維ごとの直径・伝導速度・感覚の組合せ

体性感覚刺激は5種類に分類される

体に加わる刺激は、刺激の種類によって大きく5種類に分類されます。鍼灸国試ではこの分類と、鍼灸がどれに当たるかの対応が頻出です。

刺激の種類内容
① 機械刺激物理的に変形させる刺激
② 温度刺激熱による刺激(冷刺激も含む)
③ 化学刺激化学物質による刺激
④ 電気刺激電気による刺激
⑤ 光刺激光による刺激(レーザーなど)
体性感覚刺激の5分類。鍼=機械刺激、灸=温度刺激
体性感覚刺激の5分類。鍼=機械刺激、灸=温度刺激

鍼灸刺激は侵害性・非侵害性に分けられる

鍼灸刺激は組織損傷を伴う可能性があるかどうかで2群に分けられます。侵害刺激=組織損傷を伴う可能性がある刺激、非侵害=傷つけない刺激、という定義をそのまま覚えます。

区分該当する刺激説明
非侵害性刺激(組織損傷を伴わない)① 接触鍼皮膚に軽く触れる鍼(穿刺しない)
非侵害性刺激② 無痕灸痕跡を残さない灸(温和に温める)
非侵害性刺激③ 圧刺激指・器具で圧を加える刺激
侵害性刺激(組織損傷を伴う可能性がある)① 毫鍼深く鋭く刺入する鍼(組織損傷の可能性)
侵害性刺激② 三稜鍼三稜形の鍼で刺入(切開作用あり)
侵害性刺激③ 透熱灸強い熱で深部まで温める灸
侵害性刺激④ 焦灼灸皮膚に強い熱を与え組織損傷の可能性
非侵害性刺激と侵害性刺激の分類
非侵害性刺激と侵害性刺激の分類

熱の伝わり方は3つ(熱移動様式)

灸の作用を理解するうえで欠かせないのが熱移動様式です。熱は「伝導・対流・輻射」の3つの方法で移動します。灸法との対応が国試頻出です。

熱移動様式伝わり方
① 熱伝導(物体を介して伝わる)物体内の分子や原子の振動によって、熱が近くへ伝わる金属の棒が熱くなる/隔物灸
② 熱対流(液体・気体の流れで伝わる)液体や気体が温められると動きが生じ、その流れによって熱が移動するお湯が循環して全体が温まる
③ 熱輻射(赤外線で伝わる)赤外線(見えない光)の形で、物体を介さずに熱が伝わる日なたが暖かく感じる/棒灸・灸頭鍼
熱移動様式(伝導・対流・輻射)と灸法の対応
熱移動様式(伝導・対流・輻射)と灸法の対応

感覚受容器は刺激を受け取るセンサー

感覚受容器は感覚神経終末に存在し、刺激を受け取って電気信号へ変換します。「刺激(物理・化学・温度など)→受容器→電気信号→感覚神経へ伝達」という流れが基本形です。受容器=刺激を感じる入口であり、すべての感覚のスタート地点です。

受容器の種類感知するもの
① 機械受容器触圧・振動・伸展などを感知するマイスナー小体、パチニ小体など
② 温度受容器温かさや冷たさなどの温度変化を感知するクラウゼ終末、ルフィニ終末など
③ 化学受容器化学物質の刺激(酸・塩・苦味物質など)を感知する味蕾(味覚)、内臓の化学受容器など
④ 侵害受容器強い刺激や組織損傷の危険を感知する(痛み)自由神経終末(ポリモーダル受容器)
感覚受容器4種と、刺激→受容器→電気信号→感覚神経の流れ
感覚受容器4種と、刺激→受容器→電気信号→感覚神経の流れ

神経線維は太いほど伝導が速い(Aβ・Aδ・C線維)

神経線維は有髄線維(ミエリンあり)無髄線維(ミエリンなし)に分類されます。有髄線維はミエリン鞘に覆われランビエ絞輪で跳躍伝導をするため伝導が速く、無髄線維は連続的に信号が伝わるため遅くなります。一般的に、太いほど伝導速度が速いのが原則です。

鍼刺激で重要なポイントとして、太い線維ほど伝導が速いこと、有髄線維は跳躍伝導で効率的に情報を伝えること、C線維は遅いが持続的な痛みや熱の感覚に関与することが挙げられます。

線維の種類有髄/無髄太さ(直径)伝導速度主な機能(感覚)特徴・イメージ
Aβ線維(アルファベータ線維)有髄線維太い(6〜12μm)速い(35〜75 m/s)触圧覚・振動覚(触れる・押す・振動)触れる・押す・振動を感じる
Aδ線維(アルファデルタ線維)有髄線維中くらい(1〜5μm)速い(5〜30 m/s)速い痛み・冷覚(チクッとした痛み)針で刺されたような痛み
C線維(シー線維)無髄線維細い(0.2〜1.5μm)遅い(0.5〜2 m/s)遅い痛み・温覚・かゆみ(ズキズキ痛む)ズキズキする痛み・熱やかゆみ
有髄・無髄線維とAβ・Aδ・C線維の直径・伝導速度・感覚
有髄・無髄線維とAβ・Aδ・C線維の直径・伝導速度・感覚

一発暗記まとめ:刺激→受容器→神経線維→中枢

最後に全体の流れで整理します。この順序で覚えると国試に強くなります。

暗記項目:①鍼=機械刺激(刺す・押す・触れるなどの物理的刺激)、②灸=温度刺激(熱による刺激)、③侵害刺激=毫鍼・透熱灸(組織損傷を伴う可能性がある刺激)、④熱移動=伝導(例:隔物灸)・対流(例:お湯の循環)・輻射(例:棒灸・灸頭鍼)、⑤棒灸=熱輻射(赤外線=輻射熱で熱が伝わる)、⑥感覚受容器=刺激のセンサー(機械・温度・化学・侵害受容器)、⑦神経線維=太いほど伝導が速い。

一発暗記まとめ:鍼灸刺激が体に伝わる流れ
一発暗記まとめ:鍼灸刺激が体に伝わる流れ
国試ポイント
① 鍼刺激=機械刺激、灸刺激=温度刺激。体性感覚刺激は機械・温度・化学・電気・光の5種類。
② 侵害刺激=組織損傷を伴う可能性がある刺激。毫鍼・三稜鍼・透熱灸・焦灼灸が侵害性、接触鍼・無痕灸・圧刺激は非侵害性。
③ 棒灸・灸頭鍼=主に熱輻射(赤外線)、隔物灸=熱伝導。対流はお湯の循環がイメージ。
④ 感覚受容器は感覚神経終末に存在し、刺激を電気信号へ変換する。侵害受容器の例は自由神経終末(ポリモーダル受容器)。
⑤ Aβ=有髄・6〜12μm・35〜75m/s・触圧覚、Aδ=有髄・1〜5μm・5〜30m/s・速い痛みと冷覚、C=無髄・0.2〜1.5μm・0.5〜2m/s・遅い痛みと温覚・かゆみ。
⑥ 有髄線維はランビエ絞輪で跳躍伝導のため速い。無髄線維は連続伝導で遅い。太いほど速いのが原則。
・ 流れは「刺激→受容器→神経線維→中枢(脳・脊髄)」。順序を入れ替えた引っかけに注意。
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