脊髄分節性鎮痛とは、皮膚を触る・さする・圧迫する刺激(触圧覚刺激)でAβ線維が興奮し、脊髄後角の「痛みのゲート」が閉じて痛みが軽くなる鎮痛機構です。1965年にメルザックとウォールが提唱したゲートコントロール説で説明され、鍼灸のローラー鍼・接触鍼やTENS(経皮的電気神経刺激)の鎮痛効果の根拠になっています。即効性はあるが持続時間は短く、効果は刺激部位周囲・同じデルマトーム内に限局するのが最大の特徴です。
| 読み方 | せきずいぶんせつせいちんつう |
|---|---|
| 定義 | 触圧覚刺激により脊髄内で痛みの伝達が抑制される、代表的な即時的鎮痛機構 |
| 説明する理論 | ゲートコントロール説(1965年・メルザックとウォールが提唱) |
| ゲートの場所 | 脊髄後角 |
| 鎮痛に働く神経線維 | Aβ線維(太い神経線維/触覚・圧覚)=ゲートを閉じる |
| 痛みを伝える神経線維 | Aδ線維(一次痛)・C線維(二次痛)=細い神経線維でゲートを開く |
| 特徴 | ①発現が速い(即効性)②持続時間は短い ③刺激部位周囲で起こる ④同じデルマトーム内で起こりやすい |
| 臨床応用 | 鍼灸(ローラー鍼・接触鍼・皮膚刺激・鍼通電)、TENS(高頻度80〜100Hz・低強度刺激) |
| 国試での狙われ方 | Aβ=鎮痛/Aδ・C=痛みの対応、提唱者名と1965年、即効性・短時間・局所性、TENSの刺激条件 |
脊髄分節性鎮痛は、「痛い場所をこすると痛みが軽くなる」現象を科学的に説明する鎮痛機構です。皮膚への圧覚・触覚刺激によって起こり、脊髄内(脊髄後角)で痛みの伝達そのものが抑制されます。
この一連のしくみはゲートコントロール説で説明される代表的鎮痛機構であり、鍼灸・TENSでも利用されています。
1965年にメルザック(Melzack)とウォール(Wall)が提唱した理論で、脊髄後角に「痛みの門(ゲート)」があると考えます。
機序の流れは次の順序で覚えます。
国試で最も狙われるのが「どの線維が痛みで、どの線維が鎮痛か」の対応です。Aβは鎮痛、AδとCは痛みと即答できるようにします。
鍼灸刺激の側から見ると、皮膚の機械的刺激 → Aβ線維の活性化 → ゲートコントロール作動 → 脊髄分節性鎮痛の発現、という順序になります。
| 神経線維 | 太さ | 伝える感覚 | ゲートへの作用 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| Aβ線維 | 太い神経線維 | 触覚・圧覚 | ゲートを閉じる(CLOSE) | 鎮痛作用(痛みをブロック) |
| Aδ線維 | 細い神経線維 | 痛覚伝導・一次痛 | ゲートを開く(OPEN) | 痛みを脳へ伝える |
| C線維 | 細い神経線維 | 痛覚伝導・二次痛 | ゲートを開く(OPEN) | 痛みを脳へ伝える |
「即効性はあるが長続きしない」「局所にしか効かない」という性質が、他の鎮痛機構(広汎性侵害抑制調節や下行性疼痛抑制系など)との鑑別ポイントになります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| ① 発現が速い | 刺激後、すぐに鎮痛効果が現れる(即効性) |
| ② 持続時間は短い | 時間の経過とともに鎮痛効果は消失する(効果は一時的) |
| ③ 刺激部位周囲で起こる | 刺激した部位の周囲に限って鎮痛が起こる |
| ④ 同じデルマトーム内で起こりやすい | 同じ脊髄神経(分節)の皮膚分節支配領域=デルマトーム内で鎮痛が起こりやすい(例:C5・C6・C7) |
鍼灸の即時鎮痛作用の重要な機序が脊髄分節性鎮痛です。いずれもAβ線維(触覚・圧覚線維)を刺激してゲートを閉じる点が共通しています。
TENS=経皮的電気神経刺激は、ゲートコントロール説を応用した臨床で広く使われる鎮痛法です。刺激条件の数値が狙われます。
流れ:TENS装置を皮膚に装着 → 高頻度・低強度刺激 → Aβ線維を活性化 → ゲートが閉じる → 痛みをブロックして鎮痛効果。
まとめの一発暗記は「Aβ線維がゲートを閉じる → 痛みが脊髄でブロックされる」です。