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異物の処理の定義・分類・機序と国試ポイントいぶつのしょり

異物とは、体外から入ったものや、体内で異物化したものを指します。これらは生体の反応によって排除・器質化・被包などの処理を受けます。関連して、血栓の器質化で起こる再疎通、線維素性肺炎後に肺が硬くなる肉様変化も一緒に押さえましょう。

異物の処理|異物の処理 1
読み方いぶつのしょり
定義異物=体外から入ったものや、体内で異物化したもの
異物の例(外因性)金属粉、縫合糸、油性製剤、寄生虫卵
異物の例(内因性)死んだ細胞組織、血栓、炎症滲出物
処理の3つの様式排除/器質化/被包
排除の機序性質や場所によって分解・排出される。小さい異物は白血球やマクロファージに貪食され、所属リンパ節へ運ばれることがある
器質化の機序排除できない異物のまわりに肉芽組織ができ、やがて結合組織になり、体の一部のように取り込まれる
被包の機序吸収・置換できない異物の周囲に肉芽組織ができ、線維性組織で包み込む(異物肉芽腫を形成する)
関連する現象再疎通(血栓の器質化)、肉様変化(線維素性肺炎後)、リンパ節の炭粉症
国試での狙われ方排除・器質化・被包の区別、肉芽組織→結合組織の流れ、再疎通と肉様変化の定義、被包の代表例と異物肉芽腫

異物とは何か(定義と具体例)

異物とは、体外から入ったものや、体内で異物化したものをいいます。外から侵入したものだけでなく、もともと自分の体の一部だったものが変性・壊死して異物として扱われるようになったものも含まれる点が重要です。

これらは生体の反応によって、排除・器質化・被包などの処理を受けます。

由来スライドに挙げられた異物の例
体外から入ったもの金属粉/縫合糸/油性製剤/寄生虫卵
体内で異物化したもの死んだ細胞組織/血栓/炎症滲出物
異物とは=体外から入ったもの・体内で異物化したもの。排除・器質化・被包の処理を受ける
異物とは=体外から入ったもの・体内で異物化したもの。排除・器質化・被包の処理を受ける

① 異物の排除 ― 分解・排出と貪食

異物は、その性質や場所によって分解・排出されます。スライドでは3つの例が示されています。

大葉性肺炎・肺炎双球菌性肺炎では、肺胞内にたまった線維素がマクロファージや酵素で分解され、痰として排出されます。小さい異物は白血球やマクロファージに貪食され、所属リンパ節へ運ばれることがあります。たばこの煙・炭粉などが肺に入ると、マクロファージが取り込んでリンパ節へ運び、リンパ節が黒くなる(リンパ節の炭粉症)——これは病的意義は少ないとされます。

経過
大葉性肺炎・肺炎双球菌性肺炎肺胞内に線維素がたまる → マクロファージや酵素で分解 → 痰として排出
小さい異物白血球やマクロファージに貪食される → 所属リンパ節へ運ばれることがある
リンパ節の炭粉症たばこの煙・炭粉などが肺に入る → マクロファージが取り込みリンパ節へ運ぶ → リンパ節は黒くなる(病的意義は少ない)
異物の排除。分解・排出されたり、貪食されてリンパ節へ運ばれたりする
異物の排除。分解・排出されたり、貪食されてリンパ節へ運ばれたりする

② 器質化 ― 肉芽組織が入り込んで結合組織になる

異物が排除できない場合、肉芽組織が入り込んで処理します。これを器質化といいます。

器質化の例としては、血栓の器質化壊死組織の器質化肺炎後の線維化が挙げられます。

段階内容
1異物(異物・血栓など)が排除できない
2異物のまわりに肉芽組織ができる
3やがて結合組織になる
4異物が体の一部のように取り込まれる
器質化=排除できない異物を肉芽組織で包み込み、結合組織に変えて取り込むこと
器質化=排除できない異物を肉芽組織で包み込み、結合組織に変えて取り込むこと

③ 再疎通 ― 器質化した血栓に毛細血管が入り込む

血栓が器質化される過程で、毛細血管が入り込み、血液が少し通るようになることを再疎通といいます。

流れ内容
血栓ができる
器質化が進む
少し血液が通る
再疎通=器質化した血栓の中に毛細血管が入り込み、血液が少し通るようになること
再疎通=器質化した血栓の中に毛細血管が入り込み、血液が少し通るようになること

④ 肉様変化 ― 線維素性肺炎後に肺が硬くなる

線維素性肺炎で肺胞内に線維素が残り、その線維素が器質化して肺が硬くなった状態を肉様変化といいます。肺が肉のように硬くなるのが名前の由来です。

流れ内容
線維素性肺炎
線維素が残る(肺胞内に線維素が残る)
器質化して硬くなる
肉様変化=肺胞内に残った線維素が器質化し、肺が肉のように硬くなること
肉様変化=肺胞内に残った線維素が器質化し、肺が肉のように硬くなること

⑤ 被包 ― 線維性組織で包んで異物肉芽腫をつくる

異物が吸収・置換できない場合、周囲に肉芽組織ができて、線維性組織で包み込みます。これを被包といいます。

被包される異物の例は、絹糸などの縫合糸・ケイ酸塩・石綿・トロトラスト・寄生虫卵です。

処理の様式条件起こること
排除性質や場所によって分解・排出できる分解・排出、または貪食されてリンパ節へ運ばれる
器質化異物が排除できない肉芽組織が入り込み、結合組織になって体の一部のように取り込まれる
被包異物が吸収・置換できない周囲に肉芽組織ができ、線維性組織で包み込む(異物肉芽腫を形成)
被包=吸収・置換できない異物を肉芽組織と線維性組織で包み込み、異物肉芽腫をつくること
被包=吸収・置換できない異物を肉芽組織と線維性組織で包み込み、異物肉芽腫をつくること

国家試験ポイントまとめ

スライド⑦の最終確認事項です。「出せるなら排除、出せないなら器質化、包むなら被包!」「血栓に血管が通れば再疎通。肺が肉みたいに硬くなれば肉様変化。」と一発暗記しましょう。

国家試験ポイント「異物の処理」まとめ
国家試験ポイント「異物の処理」まとめ
国試ポイント
① 異物の処理は3様式=排除・器質化・被包。「出せるなら排除、出せないなら器質化、包むなら被包」で区別する。
② 異物には体外から入ったもの(金属粉・縫合糸・油性製剤・寄生虫卵)だけでなく、体内で異物化したもの(死んだ細胞組織・血栓・炎症滲出物)も含まれる。
③ 器質化は肉芽組織が入り込み→やがて結合組織になり→体の一部のように取り込まれる流れ。被包は肉芽組織ができて線維性組織で包み、異物肉芽腫を形成する点が違う。
④ 再疎通は血栓の器質化の過程で毛細血管が入り込み血液が少し通ること。完全にもとに戻るわけではない(一部だけ通る)が引っかけポイント。
⑤ 肉様変化は線維素性肺炎で肺胞内に残った線維素が器質化して肺が硬くなること。肺炎の名前とセットで問われる。
⑥ 炭粉はマクロファージに取り込まれリンパ節へ運ばれ、リンパ節が黒くなる(リンパ節の炭粉症)。病的意義は少ないと明記されている。
・ 被包される異物の代表例は絹糸などの縫合糸・ケイ酸塩・石綿・トロトラスト・寄生虫卵。
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