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免疫の基礎 ― 液性免疫と細胞性免疫・自然免疫と獲得免疫の機序と国試ポイントめんえき

免疫とは、体に入ってきた異物を見分けて排除するしくみです。体は自己(self)と非自己(non-self)を区別し、自分ではないものを抗原、抗原に対して作られるものを抗体といいます。このページはアレルギーや自己免疫疾患などの各論ではなく、免疫の基礎(液性免疫と細胞性免疫・自然免疫と獲得免疫・能動免疫と受動免疫)に絞って整理します。

免疫|免疫 1
読み方めんえき
定義体に入ってきた異物を見分けて排除するしくみ。自己(self)と非自己(non-self)を区別する
抗原と抗体自分ではないものを抗原、抗原に対して作られるものを抗体という
免疫の基本(5段階)①異物を認識する ②抗体を作る ③抗原を攻撃する ④免疫記憶を残す ⑤2回目以降はすばやく反応する
免疫反応の2分類液性免疫(抗体が主役、体液中の異物を排除)/細胞性免疫(リンパ球が主役、感染細胞や異物を直接攻撃)
自然免疫と獲得免疫自然免疫=生まれつき・すばやい・非特異的/獲得免疫=後天的・特異的・免疫記憶あり・2回目が速い
主な細胞B細胞(抗体をつくるリンパ球)、T細胞(Th1・Th2・Tc)、好中球・単球・大食細胞(マクロファージ)
能動免疫と受動免疫能動免疫=自分で抗体を作る(長持ち)/受動免疫=外から抗体をもらう(即効性だが短期間)
国試での狙われ方液性免疫と細胞性免疫の主役、Th1/Th2/Tcの役割の区別、自然免疫の非特異性、能動免疫と受動免疫の具体例、オプソニン効果、T細胞の成熟場所(胸腺)

免疫とは ― 自己と非自己の区別

免疫とは、体に入ってきた異物を見分けて排除するしくみです。体は自己=self非自己=non-selfを区別しており、自分ではないものを抗原、抗原に対して作られるものを抗体といいます。

免疫の基本は次の5段階で進みます。

一度出会った抗原を覚えておくため、再感染時にはより速く、強い反応が起こります。これを免疫記憶といいます。

免疫反応は大きく2つに分けられます。

種類主役はたらき
液性免疫抗体体液中の異物を排除する反応
細胞性免疫リンパ球感染細胞や異物を直接攻撃する反応
免疫の要点まとめ ― 抗原と抗体、免疫の基本5段階、液性免疫と細胞性免疫
免疫の要点まとめ ― 抗原と抗体、免疫の基本5段階、液性免疫と細胞性免疫

液性免疫 ― B細胞が抗体を作る免疫

液性免疫は、B細胞が抗体を作って働く免疫です。

液性免疫の流れ

抗体の働き(5つ)

オプソニン効果とは、抗体が抗原を食細胞に食べられやすくする作用のことです。

液性免疫 ― B細胞から形質細胞への流れと抗体の働き
液性免疫 ― B細胞から形質細胞への流れと抗体の働き

細胞性免疫 ― T細胞が中心となる免疫

細胞性免疫は、T細胞が中心となって働く免疫です。T細胞は胸腺で成熟し、末梢のリンパ組織に入ります。

流れをまとめると、抗原提示 → T細胞活性化 → Th細胞は免疫を調節し、Tc細胞は感染細胞を攻撃する、となります。

T細胞の種類はたらき
Th細胞免疫反応を助ける細胞
a. Th1細胞大食細胞を活性化する/遅延型過敏反応に関係する(マクロファージ活性化)
b. Th2細胞サイトカインを出す/B細胞の増殖を促進/B細胞の抗体産生を促進/液性免疫を助ける
Tc細胞ウイルス感染細胞などを直接攻撃する細胞。ウイルス抗原が提示されると活性化し、その後、感染細胞を直接攻撃する
細胞性免疫 ― Th1・Th2・Tc細胞のはたらき
細胞性免疫 ― Th1・Th2・Tc細胞のはたらき

自然免疫と獲得免疫の違い

自然免疫は、生まれつき備わっている免疫です。感染防御に関係する細胞や、CRPなども自然免疫に関係します。体を守るバリア機能、すばやい反応、幅広い敵に対応(非特異的)が特徴で、関係する細胞として好中球(白血球の一種)・単球(白血球の一種)・大食細胞(マクロファージ)があります。CRPは炎症マーカーで、炎症や感染の指標となります。

獲得免疫は、後天的に獲得される免疫です。主なプレイヤーはB細胞(抗体をつくるリンパ球)、T細胞(感染細胞などを攻撃するリンパ球)、抗原(ウイルスや細菌など免疫が反応する対象)、免疫記憶(次に同じ抗原が来たときすばやく反応できる記憶)です。しくみは「1. 抗原と出会う → 2. B細胞・T細胞が反応する → 3. 免疫記憶が残る → 4. 2回目はすばやく反応」の流れで進みます。

自然免疫獲得免疫
備わり方生まれつき備わっている後天的に獲得される
反応の速さすばやく反応する2回目以降は反応が速い
特異性非特異的に反応する抗原に特異的に反応する
免疫記憶免疫記憶をもつ
関係する細胞好中球・単球・大食細胞などB細胞・T細胞が中心
自然免疫 ― 生まれつき・すばやい・非特異的
自然免疫 ― 生まれつき・すばやい・非特異的

獲得免疫のしくみ(流れ)

獲得免疫は次の4ステップで成立します。

ポイントは獲得免疫=特異的・記憶あり・2回目が速い。B細胞は抗体をつくり、T細胞は感染細胞などを攻撃します。

獲得免疫 ― 特異的・免疫記憶あり・2回目が速い
獲得免疫 ― 特異的・免疫記憶あり・2回目が速い

能動免疫と受動免疫

能動免疫は、自分の体で抗体を作る免疫です。ワクチン接種感染後に自分で抗体を作る場合があてはまり、長く免疫が残りやすいのが特徴です。

受動免疫は、外から抗体をもらう免疫です。母体から胎児への抗体移行抗体を含む血清の投与があてはまり、すぐ効くが、長続きしにくいのが特徴です。

能動免疫受動免疫
抗体の入手方法自分で作る外からもらう
効果の持続効果が長く続きやすいすぐ効くが短期間
ワクチン接種/感染後に自分で抗体を作る母体から胎児への抗体移行/抗体を含む血清の投与
能動免疫と受動免疫の比較まとめ
能動免疫と受動免疫の比較まとめ
国試ポイント
① 免疫の基本は「①異物を認識する→②抗体を作る→③抗原を攻撃する→④免疫記憶を残す→⑤2回目以降はすばやく反応する」の5段階。
② 液性免疫の主役は抗体(B細胞)、細胞性免疫の主役はリンパ球(T細胞)。液性は体液中の異物を排除、細胞性は感染細胞や異物を直接攻撃する。
③ Th1は大食細胞を活性化し遅延型過敏反応に関係、Th2はサイトカインを出してB細胞の増殖・抗体産生を促進し液性免疫を助ける、Tcは感染細胞を直接攻撃する。
④ 自然免疫=生まれつき・すばやい・非特異的(好中球・単球・大食細胞、CRPも関係)。獲得免疫=後天的・特異的・免疫記憶あり・2回目以降が速い(B細胞・T細胞が中心)。
⑤ T細胞は胸腺で成熟し、末梢のリンパ組織に入る。
⑥ 能動免疫は自分で抗体を作る(ワクチン接種・感染後)ので長く続き、受動免疫は外から抗体をもらう(母体から胎児への抗体移行・抗体を含む血清の投与)のですぐ効くが短期間。
・ オプソニン効果=抗体が抗原を食細胞に食べられやすくする作用。
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