このページは腫瘍のうち「発癌の内因」=体の内側にある癌発生要因だけを担当します。癌の内因とは、体の内側にある癌発生に関係する要因のことで、代表は①遺伝的素因 ②ホルモン ③免疫の3つです。あわせて、スライドで扱われる癌の診断・治療・予防・腫瘍マーカーまで通して整理します。
| 読み方 | がんのないいん |
|---|---|
| 定義 | 体の内側にある、癌発生に関係する要因のこと |
| 分類・種類 | ①遺伝的素因 ②ホルモン ③免疫 の3つ |
| 遺伝的素因の代表例 | 家族性大腸ポリポーシス、遺伝性大腸癌、網膜芽細胞腫、色素性乾皮症、レックリングハウゼン病、多発性内分泌腺腫症 |
| ホルモンの関与 | 一部の腫瘍の発生や増殖に関係。ホルモン依存性腫瘍=ホルモンの影響を受けて増殖が促進される腫瘍(前立腺癌・乳癌・卵巣癌・子宮癌) |
| 免疫の関与 | 免疫は本来、異常な細胞を排除する。免疫機能が低下すると腫瘍の発生を抑えにくくなる(臓器移植後の免疫抑制状態、先天性免疫不全、AIDSなどの後天性免疫不全、加齢による免疫機能低下) |
| 診断 | X線検査・超音波検査・CT・MRI・内視鏡検査・細胞診・組織診断。組織診断で確定診断 |
| 治療 | 外科的摘出・放射線療法・抗癌剤などの化学療法・免疫促進療法の4本柱 |
| 腫瘍マーカー | AFP=肝癌・胆道系癌・膵癌/CEA=大腸癌・膵癌・肺癌/CA19-9=膵癌 |
| 国試での狙われ方 | 内因3つの名称、遺伝性腫瘍の代表例、ホルモン依存性腫瘍の臓器、免疫低下と発癌、腫瘍マーカーと臓器の組み合わせ |
癌の内因とは、体の内側にある癌発生に関係する要因のことです。外から加わる化学物質・放射線・ウイルスなどの外因に対して、こちらは体質・内分泌・免疫といった宿主側の要因を指します。
まずは「内因=遺伝・ホルモン・免疫」と3つセットで覚えるのが最短です。
多くの腫瘍は遺伝的な影響を多少受けると考えられています。特に、家族内に発生しやすい腫瘍があります。遺伝的素因があると、癌の発生リスクが高くなることがあります。
| No. | 代表例 |
|---|---|
| ① | 家族性大腸ポリポーシス |
| ② | 遺伝性大腸癌 |
| ③ | 網膜芽細胞腫 |
| ④ | 色素性乾皮症 |
| ⑤ | レックリングハウゼン病 |
| ⑥ | 多発性内分泌腺腫症 |
ホルモンは、一部の腫瘍の発生や増殖に関係します。ホルモン依存性腫瘍とは、ホルモンの影響を受けて増殖が促進される腫瘍のことです。
ポイント:ホルモンそのものが直接癌を作るというより、腫瘍の増殖を促す因子として働くと考えると分かりやすいです。
体には本来、異常な細胞を排除する免疫の仕組みがあります。しかし免疫機能が低下すると、腫瘍の発生を抑えにくくなります。癌が発生しやすくなる例は次の4つです。
癌の早期診断には、さまざまな検査が使われます。診断の流れは画像検査・内視鏡検査で病変を発見→細胞診で癌細胞の有無を確認→組織診断で確定診断です。
| 検査 | 内容 |
|---|---|
| ① X線検査 | レントゲンを使って体内の異常を調べる |
| ② 超音波検査 | 超音波を使って臓器や病変の形・性状を調べる |
| ③ CT | X線を使って体の断面を詳しく撮影し、病変を見つける |
| ④ MRI | 磁気と電波を使って、より詳しい画像で病変を調べる |
| ⑤ 内視鏡検査 | 内視鏡を体内に入れて直接病変を観察し、必要に応じて組織採取も行う |
| ⑥ 細胞診 | 体液やぬぐい液などから細胞を取り、顕微鏡で癌細胞の有無を調べる |
| ⑦ 組織診断 | 病変の一部を採取し、組織の構造を調べて癌かどうかを確定的に診断する |
癌の治療法は大きく4つの柱です。単独だけでなく、手術+放射線療法、化学療法+放射線療法、手術+化学療法のように組み合わせて治療することもあります。
予防では、癌の原因や危険因子を知ることが大切です。代表例は①喫煙と肺癌、②脂肪摂取と大腸癌・乳癌、③高塩分食と胃癌で、生活習慣の改善として禁煙・バランスの良い食事・適正体重の維持・適度な運動・節度ある飲酒が挙げられます。
腫瘍マーカーとは、癌細胞が分泌する物質で、血液中などで検出されるものです。体内に癌がある可能性を調べる手がかりになります。
なお病理学は、細胞診・組織生検・摘出材料の検定・剥検・早期診断・治療方針の決定・治療効果の判定・疫学調査への情報提供という8つの役割を担い、癌の診断・治療・研究を支える学問です。
| 腫瘍マーカー | 陽性となる主な癌 |
|---|---|
| AFP | 肝癌・胆道系癌・膵癌などで陽性になることがある |
| CEA | 大腸癌・膵癌・肺癌などで陽性率が高い |
| CA19-9 | 膵癌で高い陽性率を示すことがある |