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内因(素因)の定義・分類・国試ポイントないいん

内因とは、病気になりやすくする「体の内側の条件」のことです。同じ環境にいても病気になりやすさが人それぞれ違うのは、年齢・性別・人種/地域・臓器の特徴・体質・遺伝・ホルモン・免疫といった内因が関係するためです。このページでは疾病の素因としての内因(年齢・性・体質・遺伝など)を扱い、病原体や物理化学的因子といった体の外側の原因(外因)や、発癌に絞った内因は別ページで解説します。

内因|内因 1
読み方ないいん
定義病気になりやすくする体の内側の条件(素因)
分類・種類年齢・性別・人種/地域・臓器の特徴・体質・遺伝/ホルモン/免疫
年齢区分新生児期(生後4週まで)・小児期(乳児期〜思春期)・成人期(18歳頃〜)・高齢者(65歳〜)
主な体質の種類滲出性体質・アレルギー体質・特異体質の3つ
遺伝の基礎数値染色体は通常46本(常染色体22対44本+性染色体1対2本)、女性XX・男性XY
現代医学で重要な3因子遺伝・ホルモン・免疫(3つが互いに関係しバランスが崩れて発病)
国試での狙われ方内因と外因の区別、年齢別の好発疾患、男女差の疾患、体質3種の名称、染色体異常疾患の3つ

内因とは?──病気になりやすくする体の内側の条件

内因とは、病気になりやすくする体の内側の条件のことです。同じ環境にいても病気になりやすさは人それぞれで、その差を生むのが内因です。スライドでは内因を次の6つの枠で整理しています。

まとめると、内因は年齢・性別・人種・臓器・体質・遺伝・ホルモン・免疫などが複雑に関係し、病気の発症や重症化に影響しているということになります。

内因とは=病気になりやすくする体の内側の条件(6つの枠で整理)
内因とは=病気になりやすくする体の内側の条件(6つの枠で整理)

年齢による病気の違い(内因①)

人の体は、成長・老化・免疫機能・ホルモン・臓器の成熟度が年齢によって大きく変化します。そのため年齢ごとに発症しやすい病気が異なります。

年齢新生児(生後4週まで)小児期(乳児期〜思春期)成人期(18歳頃〜)高齢者(65歳〜)
起こりやすい病気奇形・代謝異常・呼吸障害感染症・小児悪性腫瘍生活習慣病・癌臓器老化・肺炎・認知症 など
年齢による病気の違い(新生児期・小児期・成人期・高齢者)
年齢による病気の違い(新生児期・小児期・成人期・高齢者)

性別・人種/地域・臓器による違い(内因②)

性別・人種・地域・臓器の違いは、病気のなりやすさに大きく影響する重要な内因です。

女性に多い病気は、①自己免疫疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など。女性ホルモンや免疫反応の違いが関係)、②骨粗鬆症(閉経後に女性ホルモンが減少し骨密度が低下。背骨の圧迫骨折や大腿骨骨折が起こりやすい)、③鉄欠乏性貧血(月経・妊娠・出産などで鉄が不足しやすい。疲れやすい、めまい、動悸、息切れ)。

男性に多い病気は、①心筋梗塞(危険因子=喫煙・飲酒・脂質異常・内臓脂肪。男性ホルモンや生活習慣の影響が大きい)、②脳梗塞(危険因子=高血圧・糖尿病・動脈硬化・喫煙)、③肺癌・食道癌・肝癌など(喫煙・飲酒・生活習慣・職業環境が関係)。

人種・地域では、遺伝的背景、食生活、気候、文化、感染症の流行、医療環境などが異なるため病気の頻度が変わります。日本人に比較的多い例=胃癌・脳卒中・高血圧(塩分摂取や食生活が関係)。欧米に比較的多い例=大腸癌・乳癌・心筋梗塞(脂質の多い食事や生活習慣が関係)。日本国内の地域差の例=脳血管障害、成人T細胞白血病。

臓器起こりやすい病気理由
肺炎・肺癌・結核 など空気と直接接するため、病原体や有害物質の影響を受けやすい
肝臓肝炎・肝硬変・肝癌 などウイルス・アルコール・薬物・脂肪などの影響を受けやすい臓器
胃炎・胃潰瘍・胃癌 など胃酸やピロリ菌などが関与し、炎症や潰瘍、癌が起こりやすい
腎臓腎炎・腎不全・糖尿病性腎症 など血液をろ過する臓器のため、血管や代謝の異常の影響を受けやすい
心臓心不全・不整脈・弁膜症
認知症・脳出血・脳腫瘍
膵臓膵炎・膵癌・糖尿病
性別・人種・臓器による病気の違い
性別・人種・臓器による病気の違い

体質とは──滲出性体質・アレルギー体質・特異体質

体質とは、生まれつき、または成長の中で作られる体の特徴のことです。体質の違いは、病気のなりやすさ・症状の出方・副作用の出やすさなどに影響します。体質は遺伝・環境・食生活・生活習慣・免疫の働きが組み合わさって決まります。

体質と病気の関係の例として、アレルギー体質の人は花粉症・喘息・アトピーなどが出やすく、肥満しやすい体質の人は糖尿病・高血圧・脂質異常症などになりやすく、血管が弱い体質の人は出血しやすい・あざができやすいとされます。

アナフィラキシーは、全身に急激なアレルギー反応が起こる命に関わる状態です。主な症状はじんましん・呼吸困難・血圧低下・意識障害・嘔吐・動悸。呼吸困難や血圧低下がある場合は緊急対応が必要です。

主な体質定義特徴・代表例
滲出性体質皮膚や粘膜に炎症を起こしやすい体質湿疹が出やすい/皮膚が赤くなりやすい/鼻炎・結膜炎が起こりやすい/乳幼児に多い
アレルギー体質免疫が特定の物質に過剰に反応しやすい体質原因:花粉・ハウスダスト・食物・薬・動物の毛/代表的な病気:花粉症・気管支喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー
特異体質特定の薬や食物に対して、普通とは違う強い反応を示す体質薬で発疹が出る/食物でじんましんが出る/注射や薬でショック状態になる(重い場合はアナフィラキシーショック)
体質の3種類とアナフィラキシー
体質の3種類とアナフィラキシー

遺伝の基本──遺伝子・染色体・染色体異常

遺伝とは、親から子へ体の特徴や性質が受け継がれることです(身長や体格、目や髪の色・顔立ち、血液型、病気になりやすさ など)。

染色体異常で起こる病気染色体の状態特徴
ダウン症候群21トリソミー(21番染色体が1本多い=3本)発達の遅れ・特徴的な顔貌・心臓の異常 など
ターナー症候群X染色体が1本(女性で、X染色体が1本しかない)低身長・性腺発育不全・月経異常 など
クラインフェルター症候群XXYなど(男性でX染色体が1本多い、多くはXXY)精巣発育不全・不妊・女性化乳房 など
遺伝の基本(染色体46本・XX/XY・染色体異常の3疾患)
遺伝の基本(染色体46本・XX/XY・染色体異常の3疾患)

遺伝・ホルモン・免疫──現代医学で重要な3つの内因

現代医学では、病気の背景として特に重要なのが「遺伝」「ホルモン」「免疫」の3つです。この3つが体の中で複雑に関係し、バランスが崩れることで病気が起こります。

3つは互いに関係します。遺伝的にアレルギー体質があると免疫が過剰に反応しやすく、ホルモンバランスが変化すると免疫の働きにも影響を与え、免疫異常があると甲状腺などの内分泌疾患が起こることがあります。たとえば、遺伝的要因のある人がストレスや感染などの環境要因でホルモンバランスを乱し、それにより免疫が過剰/低下し、アレルギーや自己免疫疾患、生活習慣病、がんなどが発症・進行します。

区分状態代表例
ホルモン多すぎる(機能亢進症)甲状腺機能亢進症・クッシング症候群 など
ホルモン少なすぎる(機能低下症)甲状腺機能低下症・アジソン病・糖尿病 など
免疫弱い場合(免疫低下)肺炎・結核・日和見感染 など
免疫過剰な場合(アレルギー)花粉症・気管支喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギー など
免疫自分を攻撃する場合(自己免疫疾患)関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・橋本病 など
遺伝・ホルモン・免疫の3つと、その相互関係
遺伝・ホルモン・免疫の3つと、その相互関係
国試ポイント
① 内因=病気になりやすくする「体の内側の条件」。年齢・性別・人種/地域・臓器の特徴・体質・遺伝・ホルモン・免疫が該当する(外因=体の外側の原因と区別する)。
② 年齢別の好発疾患は頻出。新生児=奇形・代謝異常・呼吸障害、小児期=感染症・小児悪性腫瘍、成人期=生活習慣病・癌、高齢者=臓器老化・肺炎・認知症。
③ 男女差は「女性=自己免疫疾患・骨粗鬆症・鉄欠乏性貧血」「男性=心筋梗塞・脳梗塞・肺癌」で対比して覚える。
④ 体質の3種類は滲出性体質・アレルギー体質・特異体質。特異体質では薬や食物でアナフィラキシーショックを起こすことがある。
⑤ 染色体は通常46本=常染色体22対(44本)+性染色体1対(2本)。女性XX・男性XY、性別は精子がXかYかで決まる。
⑥ 染色体異常の代表3疾患は、ダウン症候群(21トリソミー)・ターナー症候群(X染色体が1本)・クラインフェルター症候群(XXYなど)。
・ 現代医学で重要な内因は遺伝・ホルモン・免疫の3つ。免疫は弱すぎると感染症、過剰だとアレルギー、自分を攻撃すると自己免疫疾患になる。
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