このページは免疫のしくみそのものやアレルギー・自己免疫ではなく、免疫の働きが低下してしまう「免疫不全」を扱います。免疫不全とは、免疫の働きが低下し、感染をくり返しやすくなる状態のこと。先天性免疫不全(生まれつきの免疫異常)と後天性免疫不全(あとから免疫が低下)に大きく分けて整理するのが国試の基本です。
| 読み方 | めんえきふぜん |
|---|---|
| 定義 | 免疫の働きが低下し、感染をくり返しやすくなる状態 |
| 大分類 | 先天性免疫不全(生まれつき免疫機能に異常があるもの)/後天性免疫不全(生まれつきではなく、後から免疫機能が低下するもの) |
| 先天性の代表 | ①ブルトン型無ガンマグロブリン血症 ②ディジョージ症候群 ③スイス型無ガンマグロブリン血症(重症複合免疫不全症) ④IgA単独欠損症 ⑤分類不能な各種免疫不全症 |
| 後天性の原因 | 薬剤・放射線・感染症・HIV感染・悪性腫瘍・老化・栄養障害・蛋白喪失 |
| 後天性の代表疾患 | AIDS(HIV感染によって起こる後天性免疫不全症候群) |
| HIVの標的細胞 | 主にCD4陽性T細胞とマクロファージに感染する |
| 特に重要な3点 | ①重い感染症にかかりやすい ②治りにくい ③日和見感染が起こりやすい |
| 国試での狙われ方 | 先天性か後天性かの分類、B細胞障害かT細胞障害かの区別、HIVの標的細胞(CD4陽性T細胞)、日和見感染 |
免疫不全とは、免疫の働きが低下し、感染をくり返しやすくなる状態です。スライドでは特に重要な特徴として次の3つが挙げられています。
一言でまとめると「免疫不全=免疫が弱くなり、感染をくり返しやすい」です。
先天性免疫不全は生まれつき免疫機能に異常があるものです。スライドでは5つが挙げられています。どの免疫が低下するかで特徴を整理するのがコツです。
| 疾患 | 障害される免疫・特徴 |
|---|---|
| ①ブルトン型無ガンマグロブリン血症 | B細胞系の異常/免疫グロブリン低下/細胞性免疫は正常 |
| ②ディジョージ症候群 | 胸腺の発育不全/T細胞系の異常/細胞性免疫の低下/Bリンパ球の異常は少ない |
| ③スイス型無ガンマグロブリン血症(重症複合免疫不全症) | T細胞・B細胞の両方に異常/液性免疫も細胞性免疫も低下/ウイルス・カビ・細菌に弱い/重症で予後不良 |
| ④IgA単独欠損症 | 血清IgA・分泌型IgAが欠損/粘膜免疫が低下/呼吸器感染症・慢性下痢/喘息・自己免疫疾患を合併しやすい |
| ⑤分類不能な各種免疫不全症 | 原因がはっきりしない/低γグロブリン血症が多い/B細胞数が正常でも機能低下あり/免疫グロブリン分泌不全/細菌感染をくり返しやすい |
後天性免疫不全は、生まれつきではなく、後から免疫機能が低下するものです。原因として、薬剤・放射線・感染症・HIV感染・悪性腫瘍・老化・栄養障害・蛋白喪失が挙げられます。
代表がAIDSで、AIDSはHIV感染によって起こる後天性免疫不全症候群です。HIVは主にCD4陽性T細胞とマクロファージに感染します。その結果、免疫機能が低下し、
が起こりやすくなります。
紛らわしい対概念は表で押さえます。まず先天性は生まれつき、後天性はあとから免疫が低下。そしてB細胞なら抗体低下、T細胞なら細胞性免疫低下です。
| 比較項目 | 内容 |
|---|---|
| 先天性 | 生まれつき免疫が弱い |
| 後天性 | あとから免疫が低下 |
| B細胞↓ | 抗体が低下する |
| T細胞↓ | 細胞性免疫が低下する |
| AIDS | HIV感染で免疫が崩壊 |
| 日和見感染 | 弱った免疫に病原体が侵入 |
免疫不全は、「守る力が弱くなって、感染をくり返す」で覚えます。