アフロの手アフロの手

髄膜刺激症状とは?ケルニッヒ徴候とジョルト・サインを一発暗記ずいまくしげきしょうじょう(けるにっひちょうこう・じょるとさいん)

髄膜が炎症や出血で刺激されると、髄膜を引っ張る動きで痛みが強くなります。これを利用したベッドサイド検査がケルニッヒ徴候(膝を伸ばす=下肢から髄膜を引っ張る)とジョルト・サイン(頭を振る=頭部から髄膜を揺さぶる)です。どちらも髄膜炎・くも膜下出血を疑う重要所見で、国家試験では「手技」と「陽性の定義」がセットで問われます。

髄膜刺激症状(ケルニッヒ徴候・ジョルトサイン)|髄膜刺激症状(ケルニッヒ徴候・ジョルトサイン) 1
含まれる項目ケルニッヒ徴候/ジョルト・サイン(いずれも髄膜刺激症状)
共通する目的髄膜刺激の有無を調べ、髄膜炎・くも膜下出血を疑う
ケルニッヒ徴候の手技仰臥位で股関節・膝関節を90°屈曲し、下腿を持って膝を伸展させる
ケルニッヒ徴候の正常135°以上までスムーズに伸展できる
ケルニッヒ徴候の陽性135°まで伸展できず、下腿に疼痛を訴える
ジョルト・サインの手技1秒間に2〜3回の周期で頭を左右に振ってもらう
ジョルト・サインの陽性頭を振ると頭痛が増悪する
主な疾患髄膜炎、くも膜下出血
国試の狙われ方「135°」の角度、「1秒2〜3回」の周期、陽性の判定基準の入れ替え

髄膜刺激症状とは — 2つの検査が同じ原理でつながる

脳と脊髄を包む髄膜が炎症(髄膜炎)や出血(くも膜下出血)で刺激されている状態では、髄膜が引き伸ばされたり揺さぶられたりする動きで痛みが誘発されます。この反応を体表から確認する所見をまとめて髄膜刺激症状と呼びます。

つまり「引っ張る」か「揺さぶる」かの違いだけで、狙っているものはどちらも同じ髄膜刺激です。まとめて覚えると混乱しません。

ケルニッヒ徴候ジョルト・サイン
体位仰臥位座位・臥位いずれでも(頭を振れる姿勢)
動かす部位下肢(股関節・膝関節)頭部(頸部の回旋)
刺激の方向脊髄側から髄膜を伸張頭部から髄膜を振動
陽性所見135°まで伸展できず疼痛頭痛が増悪する
数字のキーワード90°屈曲 → 135°伸展1秒間に2〜3回
疑う疾患髄膜炎・くも膜下出血髄膜炎
ジョルト・サインも「髄膜刺激症状」の一つとして位置づけられる
ジョルト・サインも「髄膜刺激症状」の一つとして位置づけられる

ケルニッヒ徴候の手技と判定 — 90°屈曲から135°まで伸ばせるか

ケルニッヒ徴候はベッド上で行える古典的な髄膜刺激徴候の検査です。手順は次の3ステップです。

判定の分かれ目は135°です。ここを取り違えると失点するので、正常・陽性を必ずセットで押さえます。

覚え方は「ケルニッヒ=膝伸ばせず痛い」。膝が伸びない+痛い、で陽性です。

段階内容キーワード
検査方法仰臥位/股関節・膝関節90°屈曲/下腿を持って膝を伸展90°屈曲
正常135°以上まで伸展でき、膝をスムーズに伸ばせる135°以上
陽性135°まで伸ばせず、下腿に疼痛を訴える伸展制限+疼痛
意義髄膜刺激症状の重要所見(髄膜炎・くも膜下出血)髄膜刺激
検査方法→正常→陽性→意義の4段階でケルニッヒ徴候を整理
検査方法→正常→陽性→意義の4段階でケルニッヒ徴候を整理

ジョルト・サインの手技と判定 — 1秒に2〜3回、頭を左右に振る

ジョルト(jolt=揺さぶる)・サインは、頭を左右に振ってもらうだけで行える簡便な検査です。特別な器具も体位変換も不要なため、髄膜炎を疑ったときのスクリーニングとして重要視されます。

ポイントは「頭痛が新たに出るか」ではなく「もともとの頭痛が増悪するか」を見ている点です。覚え方は「ジョルト=左右にジョロジョロ振って、頭痛が強くなるサイン」

項目ジョルト・サインの内容
動作頭を左右に振る(回旋)
速さ1秒間に2〜3回の周期
陽性判定頭痛が増悪する
陰性の意味づけ髄膜刺激の可能性が下がる(髄膜炎を疑う所見として重要)
適用髄膜刺激症状の評価、髄膜炎を疑う所見
①検査方法 ②陽性 ③意義の3枠でジョルト・サインを把握する
①検査方法 ②陽性 ③意義の3枠でジョルト・サインを把握する

数字と陽性基準を混同しないための整理

この2つは「同じ髄膜刺激症状」であるがゆえに、国家試験では数字と判定基準の入れ替えで誤答を誘ってきます。以下の対応を丸ごと覚えてしまうのが安全です。

また、痛みの出る場所も区別が必要です。

「下肢の検査なのに頭痛」「頭の検査なのに下腿痛」といったねじれた選択肢は誤りと判断できます。

数字どちらの検査意味
90°ケルニッヒ徴候股関節・膝関節の屈曲(開始肢位)
135°ケルニッヒ徴候伸展できれば正常/できず痛ければ陽性
1秒2〜3回ジョルト・サイン頭を左右に振る周期

どんな疾患を疑うのか — 髄膜炎とくも膜下出血

髄膜刺激症状が陽性となる代表的な疾患は次の2つです。

いずれも緊急性の高い疾患であり、鍼灸・あん摩マッサージ指圧などの施術所で強い頭痛・発熱・項部の違和感を訴える患者に遭遇した場合は、施術を行うのではなく速やかに医療機関へ紹介する判断が求められます。臨床医学総論の「危険な頭痛の見分け方」としても押さえておきたい領域です。

ケルニッヒ徴候は髄膜炎・くも膜下出血で重要な所見となる
ケルニッヒ徴候は髄膜炎・くも膜下出血で重要な所見となる
国試ポイント
① ケルニッヒ徴候もジョルト・サインも「髄膜刺激症状」を調べる検査である
② ケルニッヒ徴候は仰臥位で股関節・膝関節を90°屈曲し、下腿を持って膝を伸展させる
③ ケルニッヒ徴候は135°以上伸展できれば正常、135°まで伸ばせず疼痛があれば陽性
④ ケルニッヒ徴候の合言葉は「ケルニッヒ=膝伸ばせず痛い」
⑤ ジョルト・サインは1秒間に2〜3回の周期で頭を左右に振ってもらう
⑥ ジョルト・サインは頭痛が増悪すれば陽性で、髄膜炎を疑う所見として重要
・ 陽性となる代表疾患は髄膜炎とくも膜下出血。90°・135°・2〜3回/秒の数字の入れ替えに注意
📖 髄膜刺激症状(ケルニッヒ徴候・ジョルトサイン)をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習