アフロの手アフロの手

前斜角筋の起始・停止・作用・支配神経ぜんしゃかくきん / Scalenus anterior

前斜角筋は首の深部外側にある斜角筋群のひとつで、頸椎から第1肋骨へ向かう重要な筋です。国家試験では起始・停止・作用に加え、斜角筋隙を通る腕神経叢・鎖骨下動脈や胸郭出口症候群との関係が頻出です。

首の深部外側にある斜角筋群のうち前斜角筋の位置を示した図
読み方ぜんしゃかくきん
起始第3〜第6頸椎(C3〜C6)横突起前結節
停止第1肋骨の前斜角筋結節
作用片側で同側へ側屈、両側で頸部前屈第1肋骨を挙上(呼吸補助・吸気)
支配神経頸神経前枝(主にC4〜C6)

首の深部外側にある斜角筋群のひとつ

前斜角筋は首の前外側寄りの深部にある斜角筋群のひとつで、呼吸・神経・血管とも関係する重要筋です。位置関係を正しく押さえることが理解のポイントになります。

首の深部外側にある斜角筋群のうち前斜角筋を示した図
前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋の位置を示した図

起始と停止

起始は第3〜第6頸椎の横突起前結節、停止は第1肋骨の前斜角筋結節です。頸椎から第1肋骨へ向かう筋と覚えると整理しやすくなります。

C3からC6の横突起前結節を起始とする前斜角筋を示した図
C3〜C6横突起前結節から起こる前斜角筋の図

作用(側屈・前屈・肋骨挙上)

片側が働くと頸部を同側へ側屈させ、両側が働くと頸部を前屈させます。さらに第1肋骨を引き上げる呼吸補助筋として努力吸気をサポートします。

右が働くと首が右へ倒れる前斜角筋の側屈作用を示した図
片側が働くと頸部を同側へ側屈させる動きの図

斜角筋隙と通過構造

前斜角筋と中斜角筋の間の斜角筋隙を、腕神経叢と鎖骨下動脈が通って上肢へつながります。この通過構造は国家試験でも問われる重要ポイントです。

前斜角筋と中斜角筋の間の斜角筋隙を神経・血管が通る図
斜角筋隙を腕神経叢・鎖骨下動脈が通る図

国試ポイント(胸郭出口症候群)

前斜角筋の過緊張は斜角筋隙を狭め、腕神経叢や鎖骨下動脈を圧迫してしびれ・だるさ・冷感・痛みなどの症状を生じます。これは胸郭出口症候群と関連し、圧迫症状の理解が重要です。神経支配は頸神経前枝(主にC4〜C6)です。

前斜角筋の緊張で腕神経叢と鎖骨下動脈が圧迫される図
斜角筋の過緊張で神経・血管が圧迫される胸郭出口症候群の図
国試ポイント
① 起始はC3〜C6横突起前結節、停止は第1肋骨の前斜角筋結節
② 片側で同側側屈、両側で前屈、第1肋骨挙上の呼吸補助、支配は頸神経前枝(C4〜C6)
③ 斜角筋隙を腕神経叢・鎖骨下動脈が通り、過緊張は胸郭出口症候群に関与
📖 前斜角筋をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習