腰下肢痛とは、腰から下肢にかけて痛みがある状態をまとめて指す言葉です。原因は椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患だけでなく、外傷・炎症・腫瘍・内臓疾患・心因性まで幅広いのが特徴。国家試験では、痛み以外の歩行障害・筋力低下・感覚障害・腱反射異常という神経症状のチェックと、腰椎X線・CT・MRIによる鑑別が問われます。
| 読み方 | ようかしつう |
|---|---|
| 定義 | 腰から下肢にかけて痛みがある状態の総称 |
| 分類 | 臨床医学総論(主訴・症候) |
| 主な原因 | 椎間板疾患・腰椎構築異常・脊椎の老化・筋筋膜性疾患・外傷・炎症・腫瘍・内臓疾患・心因性の9系統 |
| 代表疾患 | 椎間板ヘルニア(腰下肢痛の代表疾患) |
| 随伴症状 | 歩行障害・筋力低下・感覚障害(しびれ)・腱反射異常 |
| 鑑別・注意 | 消化器疾患・腎尿路系疾患・婦人科疾患など内臓疾患でも腰痛が起こる |
| 検査 | 神経学的診察+腰椎X線・CT・MRI |
| 治療 | 原因疾患の治療/安静・消炎鎮痛薬・筋弛緩薬・循環改善薬・牽引・硬膜外ブロック・理学療法・コルセット・体操療法。骨折・腫瘍・炎症では手術療法も |
腰下肢痛とは、腰から下肢にかけて痛みがある状態のことです。腰だけの痛み(腰痛)と、下肢に放散する痛み(下肢痛)をまとめて表現した用語で、症候名であって病名ではありません。
筋原性の腰痛は、次の流れで理解すると覚えやすくなります。
さらに重要なのは、腰痛は脊柱の異常だけで起こるのではないという点です。消化器疾患・腎尿路系疾患・婦人科疾患といった内臓疾患でも腰痛が生じます(関連痛)。
原因は脊椎・筋肉・外傷・炎症・腫瘍・内臓・心因性まで幅広く、系統別に整理して覚えます。
| 分類 | 代表的な疾患 |
|---|---|
| ①椎間板疾患 | 椎間板変性、椎間板ヘルニア |
| ②腰椎構築異常 | 脊椎分離症、すべり症、側弯症、腰仙部奇形 |
| ③脊椎の老化 | 変形性脊椎症、骨粗鬆症 |
| ④筋・筋膜性疾患 | 腰部筋筋膜症、腸腰筋炎など |
| ⑤外傷 | 腰部挫傷、捻挫、圧迫骨折、横突起骨折 |
| ⑥炎症 | 脊椎カリエス、化膿性脊椎炎、強直性脊椎炎 |
| ⑦腫瘍 | 脊椎腫瘍、脊髄腫瘍、癌の脊椎転移 |
| ⑧内臓疾患 | 消化器癌、尿路結石、子宮筋腫、付属器炎 |
| ⑨心因性 | 自律神経失調症、神経症、うつ病 |
腰下肢痛では、痛みだけでなく次の症状の有無を確認します。これらは神経障害の存在を示すサインです。
しびれ・筋力低下・反射異常があれば神経障害をチェック、が国試の合言葉です。
まず神経学的診察をていねいに行い、そのうえで画像検査を組み合わせて原因疾患を鑑別します。
原因が明らかな場合は原因疾患の治療が基本です。骨折・腫瘍・炎症などでは必要に応じて手術療法も行います。
原因不明の腰痛症や慢性腰痛では、保存療法が中心となります。