上肢痛とは、上肢(肩から腕、手までの範囲)に疼痛を訴える状態のことです。原因は骨・関節・神経・筋肉・血管のどこに問題があるかで大きく変わり、国家試験では脊椎原性・外傷性・筋靱帯性・血管性・腫瘍という5分類での整理が問われます。しびれ感があれば神経、血行障害があれば胸郭出口症候群を疑うのが鑑別のコツです。
| 読み方 | じょうしつう |
|---|---|
| 定義 | 上肢に疼痛を訴える状態 |
| 範囲 | 上肢=肩から腕、手までの範囲 |
| 病態の分類 | ①脊椎・関節由来 ②神経性 ③筋・靱帯性 ④血管性 |
| 主な原因疾患 | 椎間板ヘルニア、脊椎症、後縦靱帯骨化症、脱臼、骨折、寝違え、頸肩腕症候群、筋・筋膜疼痛症、多発性筋炎、血行障害、胸郭出口症候群、上肢の骨軟部悪性腫瘍 |
| 随伴症状 | しびれ感、こり感、放散する痛み、鋭い痛み |
| 痛みの経過 | 一過性/徐々に強くなる/徐々に弱くなる |
| 検査 | 上肢X線検査、CT検査、MRI検査 |
| 治療 | 原因疾患の治療+対症療法(消炎鎮痛薬・湿布・理学療法) |
上肢痛とは、上肢に疼痛を訴える状態を指す症候名です。特定の疾患名ではなく「主訴」であるため、その背後にある原因疾患を突き止めることが臨床でも国家試験でも中心テーマになります。
「上肢に痛みがある=上肢そのものの病気」とは限らない、という点がポイントです。
上肢痛の原因はさまざまですが、大きく4つの由来に分けて考えると整理しやすくなります。
覚え方は「骨・関節・神経・筋肉・血管のどこに問題があるかを考える」です。
| 病態の由来 | 内容・イメージ |
|---|---|
| ① 脊椎・関節由来 | 頸椎や肩関節など、骨・関節の変性や構造の異常による痛み |
| ② 神経性 | 神経根や末梢神経の圧迫・障害による痛み。しびれ感を伴いやすい |
| ③ 筋・靱帯性 | 筋肉や靱帯の炎症・過緊張による痛み。こり感を伴いやすい |
| ④ 血管性 | 血行障害により生じる痛み。胸郭出口症候群が代表 |
国家試験では、どの疾患がどの分類に入るかがそのまま出題されます。以下の5分類で丸ごと覚えてください。
特に後縦靱帯骨化症は脊椎原性、胸郭出口症候群は血管性という組み合わせは狙われやすい箇所です。また腫瘍(上肢の骨軟部悪性腫瘍)は見逃してはいけない重篤な原因として押さえておきましょう。
| 分類 | 原因疾患 |
|---|---|
| ① 脊椎原性疼痛 | 椎間板ヘルニア/脊椎症/後縦靱帯骨化症 |
| ② 外傷性疼痛 | 寝違え/脱臼/骨折 |
| ③ 筋靱帯性疼痛 | 寝違え/頸肩腕症候群/筋・筋膜疼痛症/多発性筋炎 |
| ④ 血管性疼痛 | 血行障害/胸郭出口症候群 |
| ⑤ 腫瘍 | 上肢の骨軟部悪性腫瘍 |
上肢痛は痛み方(性質と経過)がさまざまで、そこから原因を推測します。
上肢痛は痛みだけでなく、しびれ感・こり感がみられることがある、という記述は国試でそのまま問われます。
原因疾患を調べるために、画像検査が中心となります。
鑑別の流れとしては、しびれがあれば神経(脊椎原性・神経性)、血行障害があれば胸郭出口症候群、徐々に増悪し夜間も続く痛みは腫瘍を疑う、という順で考えます。
治療の原則は「原因疾患の治療+対症療法」の2本立てです。
原因がはっきりしている場合は原因疾患の治療を優先し、痛みのコントロールとして対症療法を併用する、という考え方で覚えましょう。