鼻閉とは鼻腔や上咽頭で空気の通りが悪くなり、鼻がつまった状態のこと。鼻汁とは鼻粘膜からの分泌物が過剰に出る状態を指します。国家試験では「鼻閉は原因疾患が多い」「鼻汁は性状で原因を推定する」の2点が軸で、とくに血性鼻汁=外傷・鼻腔腫瘍を疑うという危険サインが問われます。
| 読み方 | びへい・びじゅう |
|---|---|
| 分類 | 臨床医学総論/耳鼻咽喉領域の主訴(鼻症状) |
| 定義 | 鼻閉=鼻腔・上咽頭の空気の通りが悪い状態/鼻汁=鼻粘膜分泌物が過剰に出る状態 |
| 病態生理 | 鼻閉=鼻腔から上咽頭までの気道の狭窄・閉塞/鼻汁=鼻粘膜の炎症による分泌物増加 |
| 主な原因 | 鼻閉:アレルギー性鼻炎・肥厚性鼻炎・慢性副鼻腔炎・鼻中隔彎曲症・鼻茸(鼻ポリープ)・鼻腔腫瘍・アデノイド・上咽頭腫瘍/鼻汁:アレルギー性鼻炎・感冒 |
| 随伴症状 | 鼻づまり感、くしゃみ、後鼻漏、嗅覚障害、口呼吸、悪臭、鼻出血 |
| 鑑別・注意 | 水様性=アレルギー性鼻炎/粘性〜膿性=感冒・上気道炎/悪臭=嫌気性菌感染/血性=外傷・鼻腔腫瘍に注意 |
| 検査 | 耳鼻科での鼻腔内検査(鼻鏡・内視鏡)で炎症・構造異常・腫瘍性病変を鑑別 |
| 治療 | 原因疾患の治療が基本。鼻茸・鼻腔腫瘍などは手術。対症療法に消炎鎮痛薬・消炎酵素薬 |
鼻閉とは、鼻腔や上咽頭で空気の通りが悪くなり、いわゆる「鼻がつまった状態」になることをいいます。鼻汁とは、鼻粘膜からの分泌物が過剰に出る状態、つまり「鼻みずが多い状態」です。
つまり鼻閉は「通り道の問題(狭窄・閉塞)」、鼻汁は「粘膜の問題(炎症・分泌亢進)」と整理すると混同しません。両者は同じ疾患(アレルギー性鼻炎など)で同時に出ることも多く、国試ではそれぞれの成立機序を分けて問われます。
鼻閉は原因が多いのが特徴です。炎症性・構造性・腫瘍性・リンパ組織の肥大に分けて覚えると鑑別が速くなります。
| 分類 | 代表疾患 | ポイント |
|---|---|---|
| 炎症性 | アレルギー性鼻炎 | 粘膜浮腫で狭窄。水様性鼻汁・くしゃみを伴う |
| 炎症性 | 肥厚性鼻炎 | 下鼻甲介粘膜の肥厚が持続し慢性の鼻閉 |
| 炎症性 | 慢性副鼻腔炎 | 粘膿性鼻汁・後鼻漏を伴う。鼻茸を合併しうる |
| 構造異常 | 鼻中隔彎曲症 | 鼻中隔の曲がりによる片側性の鼻閉が典型 |
| 構造異常・炎症 | 鼻茸(鼻ポリープ) | 慢性炎症に伴うポリープ。手術適応となりやすい |
| 腫瘍性 | 鼻腔腫瘍 | 片側性・進行性の鼻閉+血性鼻汁は要注意 |
| リンパ組織 | アデノイド(咽頭扁桃肥大) | 小児の上咽頭閉塞。口呼吸・いびきを伴う |
| 腫瘍性 | 上咽頭腫瘍 | 上咽頭の閉塞による鼻閉。滲出性中耳炎を伴うことも |
鼻汁の原因として代表的なのはアレルギー性鼻炎と感冒です。そして国試で最も出るのが、鼻汁の性状から原因を推定するという視点です。
| 鼻汁の性状 | 代表的な原因 | 覚え方 |
|---|---|---|
| 漿液性・水様性(サラサラ) | アレルギー性鼻炎 | アレルギーなら水っぽい |
| 粘性〜膿性(ネバネバ・ドロッ) | 感冒・上気道炎 | 感染ならネバネバ・膿っぽい |
| 悪臭を伴う | 嫌気性菌感染 | におったら嫌気性菌 |
| 血性(血が混じる) | 外傷・鼻腔腫瘍など | 血が混じれば外傷・腫瘍も疑う |
鍼灸・あん摩マッサージ指圧の臨床では、これらのレッドフラッグに気づいたら施術で抱え込まず、耳鼻科への受診勧奨を行うことが求められます。
耳鼻科では鼻腔内を検査(鼻鏡・内視鏡による観察)し、鼻閉や鼻汁の原因が次のどれかを見極めます。
| 鑑別カテゴリ | 代表疾患 | 鼻腔内で確認すること |
|---|---|---|
| A. 炎症 | 鼻炎・副鼻腔炎など | 粘膜の腫れや分泌物の有無・性状 |
| B. 構造異常 | 鼻中隔彎曲症・鼻茸など | 鼻中隔の曲がり、鼻茸の有無 |
| C. 腫瘍性病変 | 鼻腔腫瘍・上咽頭腫瘍など | 腫瘍の有無や位置 |
治療の基本は原因疾患の治療です。
まとめると「原因治療+必要時の手術+対症療法」が基本形です。
ここまでの内容を、試験直前に見返せる形で凝縮しました。