腰椎分離症は、椎弓の峡部で骨の連続性が失われる状態で、発育期のスポーツによる疲労骨折が主な原因です。好発部位は第5腰椎(L5)。分離が進むと上位椎体が前方へすべる脊椎すべり症を合併しやすく、坐骨神経症状が出ることもあります。
| 読み方 | ようついぶんりしょう・せきついすべりしょう |
|---|---|
| 病態 | 椎弓の峡部で骨の連続性が失われる(分離症)/上位椎体が前方へすべる(すべり症) |
| 好発部位 | 第5腰椎(L5)/すべり症は第4〜5腰椎に多い |
| 主な原因 | 発育期の過度な運動による疲労骨折(外傷性もある) |
| 発生頻度 | 5〜7%(中高生の約20人に1人) |
| 主症状 | 腰部の鈍痛・疲労感、棘突起の圧痛 |
| 診断 | X線(側面像・45度斜位像)※スコッチテリア像 |
| 治療 | 保存療法が基本(コルセット・装具・スポーツ制限) |
腰椎分離症は、椎骨の後方にある椎弓の峡部(関節突起間部)で骨の連続性が断たれる病態です。多くはスポーツなどの繰り返しの負荷による疲労骨折として起こります。
脊椎すべり症は、上位椎体が前方へすべる状態です。分離症に続いて起こるものは脊椎分離すべり症と呼ばれ、分離症に合併しやすいのが特徴です。
分離症のうち一定の割合がすべり症へ進行するため、経過の観察が重要になります。
発生頻度は5〜7%で、中高生では約20人に1人が発症するとされます。分離症の10〜20%がすべり症へ進行し、スポーツ選手では発生リスクが2〜3倍に上昇します。特に腰を反らす動作の多い競技でリスクが高まります。
| 項目 | 数値・内容 |
|---|---|
| 発生頻度 | 5〜7%(中高生の約20人に1人) |
| すべり症への進行 | 分離症の10〜20% |
| スポーツ選手のリスク | 2〜3倍 |
| リスクの高い競技 | 体操・野球・バレーボール・サッカーなど腰を反らす競技 |
脊椎すべり症は年代や性別で傾向が異なります。腰椎(第4〜5腰椎)に多くみられます。
| 年代 | 性別の傾向 |
|---|---|
| 20〜30代 | 男性に多い |
| 40〜50代 | 女性に多い |
主な原因は発育期の過度な運動です。繰り返す腰の反り動作による負荷が椎弓峡部に加わり、疲労骨折(椎弓部)が生じて腰椎分離症となります。外傷性に起こるものもあります。
主症状は腰痛で、腰部の鈍痛・疲労感や棘突起の圧痛がみられます。長時間の同一姿勢や負荷で症状が悪化しやすいのが特徴です。
分離症だけでは坐骨神経症状は少ないですが、すべり症になると神経が圧迫・刺激され、坐骨神経症状が出やすくなります。
| 病態 | 主な症状 |
|---|---|
| 腰椎分離症 | 腰部の鈍痛・疲労感、棘突起の圧痛(坐骨神経症状は少ない) |
| 脊椎すべり症 | お尻の痛み、太もも裏の痛み、ふくらはぎのしびれ・痛み、足のしびれ |
見た目の変化からも腰椎分離症のサインがわかります。
診断ではX線が重要です。側面像でL5/S1の疲労骨折(分離部)を確認し、45度斜位像を組み合わせます。斜位像では分離部が首輪の切れたテリア犬(スコッチテリア)像として見えるのがポイントです。側面像と斜位像を組み合わせて見逃さない診断を行います。
分離症は多くの場合、保存療法で改善が期待できるため、保存療法が基本です。
分離症単独の予後は良好です。定期的な経過観察が大切です。
| 治療 | 内容 |
|---|---|
| 保存療法 | 硬性コルセットで安静固定、慢性例は軟性コルセットを使用 |
| 装具療法 | 体幹を安定させ負担を軽減。スポーツ制限も重要。痛みの軽減と骨癒合を目指す |
| 手術療法・長期管理 | 神経症状や強い痛みでは手術(腰椎固定術など)。定期的な経過観察が大切 |