徒手筋力検査(MMT:Manual Muscle Testing)は、検査したい筋または筋群を選び、重力と検者の手による抵抗に対してどれだけ収縮できるかを量的に測定する検査です。立つ・歩く・走る・跳ぶといった日常動作は多くの筋が協調して働くため、筋力低下はそのまま運動機能障害につながります。MMTは筋機能を客観的に評価し、阻害因子を発見し、治療計画と効果判定の資料にすることを目的とします。
| 読み方 | としゅきんりょくけんさ(MMT) |
|---|---|
| 英語名 | Manual Muscle Testing(マニュアル・マッスル・テスティング) |
| 分類 | 徒手検査(運動機能検査・筋機能検査) |
| 目的・意義 | 筋機能の客観的評価/筋機能を阻害する因子の発見/障害程度の判定と治療計画・効果判定の資料 |
| 手技・方法 | 検査したい筋・筋群を選び、重力および検者の手による抵抗に対する筋収縮の強さをみる |
| みるポイント | 抵抗に勝てるか・重力に勝てるか・筋収縮の強さ(量的評価) |
| 判定 | 0〜5の6段階(Zero・Trace・Poor・Fair・Good・Normal) |
| 境目となる段階 | 3(Fair)=重力に抗して全可動域を動かせるか |
徒手筋力検査は、筋力を調べるための検査です。身体の運動には筋肉の働きが不可欠であり、立つ・歩く・走る・跳ぶといった日常動作は、多くの筋肉や筋群が協調して働くことで成り立っています。そのため筋力を数値化して把握することが、運動機能の評価の出発点になります。
筋の働きが十分で効果的に行われるためには、筋自体の筋力と持久力の両方が必要です。筋力が低下すると運動機能の障害が起こり、階段昇降や歩行といった日常生活動作が困難になります。だからこそ運動機能を検査する際に筋力を測定することが重要になります。
MMTは、抵抗(検者の手)や重力に対して筋肉がどれだけ収縮できるかを確認する検査です。チェックするポイントは次の3つです。
この「重力」と「抵抗」という2つの物差しが、後述する0〜5の段階分けの土台になります。
| みる要素 | 内容 | 対応する段階 |
|---|---|---|
| 筋収縮の有無 | 収縮がまったくないか、わずかに触知できるか | 0・1 |
| 重力の影響を除いた運動 | 重力を除けば動かせるか | 2 |
| 重力に抗する運動 | 重力に抗して全可動域を動かせるか | 3 |
| 徒手抵抗に抗する運動 | 加えた抵抗にどれだけ勝てるか | 4・5 |
MMTは、検査したい筋または筋群を選び、量的に筋力を測定する検査です。簡単にいえば「どの筋肉が、どれくらい力を出せるか」をみます。判定は一般に0〜5の6段階で表されます。
| 段階 | 表記 | 判定内容 |
|---|---|---|
| 5 | Normal(正常) | 強い抵抗を加えても全可動域を動かせる |
| 4 | Good(優) | ある程度の抵抗に抗して全可動域を動かせる |
| 3 | Fair(良) | 抵抗を加えなければ重力に抗して全可動域を動かせる |
| 2 | Poor(可) | 重力の影響を除けば全可動域を動かせる |
| 1 | Trace(不可) | 筋収縮は触知できるが関節運動は起こらない |
| 0 | Zero(ゼロ) | 筋収縮がまったく認められない |
スライドでは徒手筋力検査の目的が3つ挙げられています。単なる「筋力測定」ではなく、治療につなげる評価である点が重要です。
したがってMMTは、初回評価だけでなく治療前後の比較(効果判定)としても繰り返し実施される検査です。