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督脈の経穴一覧と取穴部位|長強(GV1)〜兌端(GV27)とくみゃく / Governor Vessel

督脈は体の中心(正中線)を通る重要な経絡で、記号はGVです。このページでは長強(GV1)から兌端(GV27)までの26穴について、経穴名・読み・取穴部位・はたらきを一覧表にまとめました。「第◯胸椎の下のくぼみ」「前髪の生え際から後ろへ◯寸」といった取穴の目安も穴ごとに整理しているので、督脈の流れをお尻から頭・顔まで通しで確認できます。

督脈|督脈 1
経絡名督脈(とくみゃく)
経絡記号GV(Governor Vessel)
収録経穴数26穴(長強 GV1 〜 兌端 GV27)
走行体の中心(正中線)を通る経絡
最下位の経穴長強(GV1)/尾骨(尾てい骨)の先端と肛門の間の中央のくぼみ
最上位の経穴兌端(GV27)/鼻の下の中央のくぼみ
絡穴長強(GV1)
代表的な経穴命門(GV4)・大椎(GV14)・百会(GV20)
頭部の基準穴百会(GV20)=前の生え際の中央から後ろへ5寸
背部の目安至陽(GV9)=肩甲骨の一番下の角の高さ/大椎(GV14)=首を前に倒して一番出っ張る骨のすぐ下

督脈とは?体の中心(正中線)を通る経絡

督脈(とくみゃく)は体の中心を通る重要な経絡で、経穴には GV の記号がつきます。尾骨の先端と肛門の間にある長強(GV1)から始まり、腰・背中・首の後ろ・頭のてっぺんを通って、鼻の下の兌端(GV27)まで正中線上を上っていきます。

スライドでは督脈の経穴として、長強(GV1)から兌端(GV27)までの26穴が解説されています。背中の穴は「第◯胸椎・第◯腰椎の下のくぼみ」、頭の穴は「前髪の生え際や百会からの寸法」で取穴するのが基本です。

上星(GV23)のスライド。「督脈は体の中心を通る重要な経絡」と説明されている
上星(GV23)のスライド。「督脈は体の中心を通る重要な経絡」と説明されている

督脈の経穴一覧(GV1〜GV27・全26穴)

スライドに収録された督脈の全26穴を、経穴番号順に並べたものです。取穴部位はスライドの記載に沿って整理しています。

番号経穴名読み取穴部位主なはたらき
GV1長強ちょうきょう尾骨(尾てい骨)の先端と、肛門の間の中央にあるくぼみ免疫力の向上/元気・活力の向上/便秘の改善/精神の安定
GV2腰兪ようゆ背骨の一番下にある仙骨の中央、仙骨の上部腰のだるさ・疲労の軽減/腎の働きをサポート/下半身の活力アップ/免疫力・生命力の向上
GV3腰陽関こしょうかん第4腰椎と第5腰椎の間腰の冷え・だるさの改善/腰痛・ぎっくり腰のサポート/血行促進/下半身の安定・パワーアップ
GV4命門めいもん第2腰椎と第3腰椎の間生命力・元気の向上/冷えの改善/腎の働きをサポート/免疫力・体力の向上
GV5懸枢けんすう第2腰椎と第3腰椎の間(スライド記載)腰の冷え・痛みの緩和/気血の巡りを整える/下半身の活力アップ/免疫力・体力の向上
GV7中枢ちゅうすう背骨の中央、第10胸椎の棘突起の下のくぼみ。肩甲骨の内側の高さ気の流れを調整し全身のバランスを整える/自律神経の調整/ストレスや緊張の緩和/集中力の向上/呼吸器系の不調サポート
GV8筋縮きんしゅく背中側、第9胸椎と第10胸椎の間(背骨の突起の下のくぼみ)腰や背中のこわばり・痛みの緩和/姿勢の改善・猫背の予防/呼吸の深さをサポート/疲労回復/自律神経のバランスを整える
GV9至陽しよう背中の真ん中のライン上で、第7胸椎と第8胸椎の間(肩甲骨の下あたり)体を温め冷えを改善/疲労回復・だるさの軽減/免疫力のサポート/気力・集中力の向上/腰や背中のこわばり・痛みの緩和
GV10霊台れいだい背中の真ん中のライン上で、第6胸椎と第7胸椎の間(肩甲骨の内側の下あたり)心を落ち着け気持ちを安定させる/自律神経を整えストレスを緩和/疲労回復/集中力・記憶力のサポート/呼吸を深める
GV11神道しんどう背中の真ん中のライン上で、第5胸椎と第6胸椎の間(肩甲骨の内側の下あたり)ストレス・不安の緩和/リラックス/自律神経のバランスを整える/不眠・寝つきの悪さの改善/集中力・思考力のサポート
GV12身柱しんちゅう背中の真ん中のライン上で、第3胸椎の下のくぼみ姿勢の改善・猫背の予防/肩こり・背中の張りの緩和/疲労回復・気力の向上/自律神経のバランス/呼吸を深める/免疫力のサポート
GV13陶道とうどう背中の真ん中のライン上で、第1胸椎の下のくぼみ(大椎のすぐ上あたり)ストレス・緊張の緩和/頭の疲れや重だるさの軽減/不眠・寝つきの改善/自律神経のバランス/集中力のクリアリング
GV14大椎だいつい背中の真ん中のライン上で、第7頸椎と第1胸椎の間(首を前に倒して一番出っ張る骨のすぐ下のくぼみ)風邪のひきはじめの緩和(悪寒・発熱・のどの痛み)/疲労回復・体力の向上/免疫力のサポート/肩こり・首こりの緩和/精神の安定
GV15瘂門あもん後頭部の髪の生え際のくぼみ(外後頭隆起)のすぐ下にある骨の出っ張り(第7頸椎)の下縁から、指2本分(約0.5寸)下がったところストレス・不安・イライラの緩和/不眠・寝つきの改善/頭痛・頭の重だるさの軽減/自律神経のバランス/喉の違和感・声のかすれのケア
GV16風府ふうふ後頭部の髪の生え際の中央付近にあるくぼみ(第7頸椎)のすぐ外側のくぼみ頭痛・頭重感の緩和/首・肩のこりの改善/めまい・ふらつきの軽減/目の疲れ・かすみの改善/風邪のひきはじめの不調に
GV17脳戸のうこ頭のてっぺんの正中線上にあり、百会(GV20)からやや後ろに下がったくぼみの中央頭部の緊張や重だるさの緩和/ストレス・不安の緩和/不眠・寝つきの改善/目の疲れ・かすみの改善/集中力・記憶力の向上/めまい・頭痛の緩和
GV18強間きょうかん頭のてっぺん(百会:GV20)から後ろに向かって3寸のところから、さらに1.5寸下がった位置頭・あごの緊張やこわばりの緩和/ストレス・イライラの緩和/頭痛・重だるさの改善/目の疲れ・かすみの改善/睡眠の質をサポート
GV19後頂ごちょう頭のてっぺん(百会:GV20)から後ろに向かって1.5寸のところから、さらに3寸下がった位置(下の目印からの距離は5.5寸)頭痛・頭重感の緩和/首・肩のこりの改善/眼精疲労・疲れ目の改善/イライラ・ストレスの緩和/気分の落ち込みの改善
GV20百会ひゃくえ頭のてっぺんにあり、前の生え際の中央(0点)から後ろに向かって5寸のところ。外後頭隆起の方向へ向かった延長線上頭痛・頭重感の緩和/ストレス・イライラの緩和/不眠・寝つきの改善/めまい・ふらつきの軽減/集中力・記憶力の向上/自律神経のバランス
GV21前頂ぜんちょう前の生え際の中心から後ろに向かって3.5寸のところ。そこからさらに1.5寸後方にある位置頭痛・頭重感の緩和/めまい・ふらつきの軽減/不眠・寝つきの改善/イライラ・ストレスの緩和/集中力・記憶力の向上
GV22顖会しんえ前の生え際の中心から後ろに向かって2寸のところ。そこからさらに3寸後ろに進んだ位置頭痛・頭重感の緩和/イライラ・ストレスの緩和/不眠・寝つきの改善/めまい・ふらつきの軽減/集中力・記憶力の向上
GV23上星じょうせい前髪の生え際から後ろに向かって1寸(指幅約1本分)入ったところ頭をすっきりさせる/集中力・記憶力のサポート/自律神経のバランスを整える/疲れやストレスの緩和
GV24神庭しんてい前髪の生え際の中央から0.5寸(指幅の半分)後ろに行き、3寸(指幅3本分)上がったところストレス・不安の軽減/不眠の改善・リラックス効果/頭の重だるさ・緊張の緩和/集中力・思考力のサポート
GV25素髎そりょう鼻の下のくぼみの中央鼻づまり・鼻水・くしゃみの緩和/のどの違和感や痛みのケア/リラックス効果・ストレスの軽減/免疫力のサポート
GV26水溝すいこう鼻の下の中央のくぼみのところ、上唇の上の溝の部分不安や緊張の緩和/イライラやストレスの軽減/気分のリフレッシュ/集中力のサポート/自律神経のバランスを整える
GV27兌端だたん鼻の下の中央のくぼみのところ免疫力のサポート/風邪などの予防サポート/気分のリフレッシュ・ストレスの軽減/口やのどの不快感のケア

腰・仙骨部の経穴:長強(GV1)〜懸枢(GV5)

督脈のスタート地点は長強(GV1)です。尾骨(尾てい骨)の先端と肛門の間の中央にあるくぼみに取り、督脈の絡穴にあたります。そこから腰椎に沿って上っていきます。

腰兪・腰陽関・命門・懸枢はいずれも妊娠中は刺激を避けるようスライドに注意書きがあります。

命門(GV4)は第2腰椎と第3腰椎の間。「生命の門」とも呼ばれる
命門(GV4)は第2腰椎と第3腰椎の間。「生命の門」とも呼ばれる

背部の経穴:中枢(GV7)〜陶道(GV13)

背中の経穴は棘突起の下のくぼみを目印に取穴します。うつ伏せになり、肩甲骨の一番下の角の高さから背骨に沿って指を滑らせると見つけやすい、とスライドでは解説されています。

至陽(GV9)は第7胸椎と第8胸椎の間。肩甲骨の一番下の角の高さが目安
至陽(GV9)は第7胸椎と第8胸椎の間。肩甲骨の一番下の角の高さが目安

頸部・後頭部の経穴:大椎(GV14)・瘂門(GV15)・風府(GV16)

首まわりの督脈は、第7頸椎(首を前に倒したとき一番出っ張る骨)が最大の目印になります。

大椎(GV14)は第7頸椎と第1胸椎の間。首を前に倒したときに一番出っ張る骨のすぐ下
大椎(GV14)は第7頸椎と第1胸椎の間。首を前に倒したときに一番出っ張る骨のすぐ下

頭部の経穴:脳戸(GV17)〜神庭(GV24)

頭部の督脈は百会(GV20)が基準になります。百会は両耳を結ぶ線と、眉間(鼻筋)からまっすぐ上に引いた線が交わる点を目安にし、前の生え際の中央から後ろへ5寸のところに取ります。

百会(GV20)は前の生え際の中央から後ろへ5寸。頭部の経穴を取るときの基準になる
百会(GV20)は前の生え際の中央から後ろへ5寸。頭部の経穴を取るときの基準になる

頭部の経穴は「前髪の生え際」と「百会」からの寸法で覚える

国試で狙われやすいのが頭部の寸法です。前の生え際を0点として、神庭0.5寸 → 上星1寸 → 顖会2寸 → 前頂3.5寸 → 百会5寸の順に並びます。百会より後ろは、百会を基準にした距離で示されます。

経穴番号基準となる場所距離
神庭GV24前髪の生え際の中央から後ろへ0.5寸(指幅の半分)
上星GV23前髪の生え際から後ろへ1寸(指幅約1本分)
顖会GV22前の生え際の中心から後ろへ2寸
前頂GV21前の生え際の中心から後ろへ3.5寸
百会GV20前の生え際の中央(0点)から後ろへ5寸(指幅5本分)
後頂GV19百会(GV20)から後ろへ1.5寸(指3本分=約3寸下がった位置と併記)
強間GV18百会(GV20)から後ろへ3寸(そこからさらに1.5寸下がった位置)
脳戸GV17百会(GV20)からやや後ろに下がったくぼみの中央

顔面部の経穴:素髎(GV25)・水溝(GV26)・兌端(GV27)

督脈の終わりは顔の正中線上にあります。いずれも鼻の下の中央を目印にする経穴です。

いずれも人差し指の腹でやさしく押し、心地よいと感じる強さで3〜5秒ほど、5〜10回を1日2〜3セットが目安とされています。

素髎(GV25)は鼻の下のくぼみの中央。鼻とのどをスッキリさせる
素髎(GV25)は鼻の下のくぼみの中央。鼻とのどをスッキリさせる

督脈の経穴が使われる主な症状・はたらき

督脈の経穴は、部位ごとに得意分野がはっきり分かれています。

共通する注意点として、強く押しすぎないこと、急性の痛みや炎症があるときは無理に刺激しないこと、体調が優れないときや妊娠中は事前に専門家へ相談することがスライドで繰り返し示されています。

兌端(GV27)は鼻の下の中央のくぼみ。督脈のスライド収録分の最上位の経穴
兌端(GV27)は鼻の下の中央のくぼみ。督脈のスライド収録分の最上位の経穴
国試ポイント
① 【頭部の寸法】百会(GV20)は前の生え際の中央から後ろへ5寸。前髪際を0点として神庭0.5寸 → 上星1寸 → 顖会2寸 → 前頂3.5寸 → 百会5寸の順。百会より後ろは百会を基準に、後頂1.5寸・強間3寸で示される。
② 【頸部・背部の目印】大椎(GV14)は第7頸椎と第1胸椎の間=首を前に倒して一番出っ張る骨のすぐ下のくぼみ。そのすぐ上が陶道(GV13、第1胸椎の下)。身柱(GV12)は第3胸椎の下、至陽(GV9)は第7胸椎と第8胸椎の間で肩甲骨の一番下の角の高さが目安、中枢(GV7)は第10胸椎の棘突起の下。
③ 【督脈の絡穴】長強(GV1)は督脈の絡穴で、尾骨(尾てい骨)の先端と肛門の間の中央にあるくぼみに取る。督脈の起点となる経穴。
④ 【腰部の椎骨】腰陽関(GV3)は第4腰椎と第5腰椎の間、命門(GV4)は第2腰椎と第3腰椎の間。命門は「生命の門」とも呼ばれ、体のエネルギーの源とされる。
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