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テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の病態・症状・診断テスト・治療

テニス肘は正式には上腕骨外側上顆炎といい、手首を反らす伸筋群(短橈側手根伸筋など)の付着部が、くり返す負担(オーバーユース)で炎症を起こす代表的なスポーツ障害です。肘の外側に痛みが出て、タオルを絞る・物を持つなど手を使う動作で痛みが強まります。テニスをしない中年の初心者や家事でも起こり、X線では異常がみられないのが特徴です。

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)|テニス肘(上腕骨外側上顆炎) 1
読み方じょうわんこつがいそくじょうかえん(テニスひじ)
分類スポーツ障害(オーバーユース=使いすぎ)
痛む部位肘の外側(上腕骨外側上顆)
原因筋前腕伸筋群(手首を反らす筋肉)の付着部
好発中年の初心者、テニスのバックハンド、家事・DIYなど
主症状外側上顆の圧痛、手を使うと鋭い痛み、可動域は保たれる
診断チェアテスト・トムセンテスト・中指伸展テスト(誘発テスト)
画像所見X線(レントゲン)では異常なしのことがほとんど
治療保存療法(安静・消炎鎮痛薬・温熱・サポーター・ストレッチ)

スポーツ外傷とスポーツ障害の違い

スポーツで起こるケガは、大きくスポーツ外傷スポーツ障害に分けられます。テニス肘は「使いすぎ」でじわじわ起こるスポーツ障害の代表例です。

原因や症状の違いを知って、早めの対処と予防をすることが大切です。

区分起こり方代表例
スポーツ外傷強い力が一度に加わり突然骨折・脱臼・筋腱の損傷
スポーツ障害くり返し・使いすぎでじわじわテニス肘・野球肘・ランナー膝
急なケガ(外傷)とくり返しで起こる障害(テニス肘など)の違い
急なケガ(外傷)とくり返しで起こる障害(テニス肘など)の違い

原因はオーバーユース(使いすぎ)

テニス肘の原因はオーバーユース(使いすぎ)です。同じ動作のくり返しが特定の部位に負担を集中させ、痛みやケガの原因になります。

小さな負担のくり返し(微小外傷の反復)が炎症・痛みにつながる
小さな負担のくり返し(微小外傷の反復)が炎症・痛みにつながる

発生要因はいろいろ

スポーツ外傷・障害は、ひとつの原因だけでなく、いくつもの要因が組み合わさって起こります。

複数の要因が重なって起こるため、原因を知って予防・改善につなげることが大切です。

テニス肘とは?(病態)

テニス肘は正式には上腕骨外側上顆炎といい、肘の外側で起こる炎症です。手首を反らす伸筋群が集まる外側上顆への、くり返す負担によって、筋肉の付着部が炎症を起こします。

こうした動作で起こりやすい、代表的なスポーツ障害です。

上腕骨外側上顆に付く伸筋群の付着部でくり返す負担により炎症が起こる
上腕骨外側上顆に付く伸筋群の付着部でくり返す負担により炎症が起こる

外側型と内側型

「テニス肘」には痛む場所によって外側型と内側型があります。一般にテニス肘=外側型(外側上顆炎)を指します。

痛む部位特徴
外側型(外側上顆炎)肘の外側テニス肘の約80〜90%と多い
内側型(内側上顆炎)肘の内側投球動作や手首の使いすぎで起こる
外側型(外側上顆炎)と内側型(内側上顆炎)の違い
外側型(外側上顆炎)と内側型(内側上顆炎)の違い

テニスをしない人にも起こる

テニス肘は名前と違い、テニスをしない人にも起こります。肘に負担がかかればテニス肘になり得ます。

正しい知識をもって、早めのケアをすることが大切です。

主な症状

主な症状は外側上顆の圧痛と、手を使うと出る鋭い痛みです。外側の骨の出っ張りあたりが痛みます。

こうした動きで痛みが出やすくなります。一方で肘の動き(可動域)は保たれていることが多いのが特徴で、伸ばす・曲げる・回すことはできるものの、使うと痛むのがポイントです。

タオルを絞る・ドアノブをひねるなどの動作で外側に痛みが出る
タオルを絞る・ドアノブをひねるなどの動作で外側に痛みが出る

診断テスト

診断は、痛みを再現する誘発テストで行います。いずれも肘の外側に痛みが出たら陽性です。X線(レントゲン)では異常がみられないことがほとんどで、症状の再現性と他の疾患との見極めが重要です。

テスト方法陽性所見
チェアテスト椅子に座り、患側の手で座面をつかんで持ち上げる肘の外側に痛み
トムセンテスト前腕を回内位にして手首を下に押し、抵抗させる肘の外側に痛み
中指伸展テスト中指を伸ばす力に抵抗をかける肘の外側に痛み
チェアテスト・トムセンテスト・中指伸展テスト。X線は異常なし
チェアテスト・トムセンテスト・中指伸展テスト。X線は異常なし

保存療法と再発予防

テニス肘の治療の基本は保存療法で、まずは安静です。

痛みが落ち着いたら、回復と予防のために手関節伸筋のストレッチ手関節・手指伸筋の筋力強化を少しずつ行います。痛みが残ったままの早期のスポーツ復帰は再発の原因になるため、焦らずしっかり治してから復帰しましょう。

保存療法(安静・消炎鎮痛薬・温熱・サポーター・ストレッチ・筋力強化)と再発予防
保存療法(安静・消炎鎮痛薬・温熱・サポーター・ストレッチ・筋力強化)と再発予防
国試ポイント
① テニス肘=上腕骨外側上顆炎。手首を反らす前腕伸筋群の付着部(外側上顆)の炎症で、オーバーユースが原因のスポーツ障害。
② 痛みは肘の外側。タオルを絞る・物を持つなど手を使う動作で誘発され、可動域は保たれることが多い。
③ 誘発テストはチェアテスト・トムセンテスト・中指伸展テストで、肘外側に痛みが出れば陽性。
④ X線(レントゲン)では異常がみられないことがほとんど。
⑤ 治療の基本は保存療法(安静・消炎鎮痛薬・温熱・肘サポーター・ストレッチ/筋力強化)。痛みが残ったままの早期復帰は再発の原因。
⑥ 「テニス肘」の多く(約80〜90%)は外側型。内側型(内側上顆炎)は投球や手首の使いすぎで起こる。
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