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手の太陰肺経の経穴一覧(全11穴)と取穴部位・要穴まとめてのたいいんはいけい / Lung Meridian of Hand-Taiyin (LU)

手の太陰肺経(てのたいいんはいけい)は、鎖骨の下の中府(LU1)から始まり、母指の少商(LU11)で終わる全11穴の経絡です。このページでは、中府・雲門・天府・侠白・尺沢・孔最・列欠・経渠・太淵・魚際・少商の11穴すべてについて、読み方・取穴部位・寸法の目安・主治を一覧表で整理しました。あわせて肺の募穴(中府)、原穴・輸穴・脈会穴(太淵)、栄穴(魚際)、井穴(少商)といった要穴もまとめ、国家試験で問われるポイントが一気に確認できます。

手の太陰肺経|手の太陰肺経 1
読み方てのたいいんはいけい
経絡記号LU(肺経)
経穴数全11穴(中府 LU1 〜 少商 LU11)
流注の起始中府(LU1)/鎖骨の下、大胸筋の間のくぼみ
流注の終止少商(LU11)/手の母指橈側、爪甲の外側角の近位 約0.1寸
流れの経路胸部(鎖骨の下)→ 上腕の内側 → 肘(肘横紋の外側)→ 前腕の橈側 → 手関節の橈側 → 母指の先端
肺の募穴中府(LU1)
合流穴(肘の関節部)尺沢(LU5)
経穴経渠(LU8)
原穴・輸穴・脈会穴太淵(LU9)
栄穴魚際(LU10)
井穴少商(LU11)
主な主治咳・痰・喘息・息苦しさ・喉の痛み・声がれなどの呼吸器症状、胸のつかえ、肩・腕・手首の痛みやしびれ

手の太陰肺経とは?全11穴の流れ

手の太陰肺経(LU)は、鎖骨の下にある中府(LU1)を起点として、雲門(LU2)→ 天府(LU3)→ 侠白(LU4)→ 尺沢(LU5)→ 孔最(LU6)→ 列欠(LU7)→ 経渠(LU8)→ 太淵(LU9)→ 魚際(LU10)→ 少商(LU11)と流れる全11穴の経絡です。

経路は胸部(鎖骨の下)→ 上腕の内側 → 肘の外側 → 前腕の橈側 → 手関節の橈側 → 母指の先端へと下行します。主治は咳・痰・喘息・息苦しさ・喉の痛み・声がれといった呼吸器症状が中心で、胸のつかえや肩・腕・手首の痛みやしびれにも対応します。

肺経(LU)全11穴。中府(LU1)から少商(LU11)までの流れ
肺経(LU)全11穴。中府(LU1)から少商(LU11)までの流れ

手の太陰肺経の経穴一覧(LU1〜LU11・取穴部位まとめ)

手の太陰肺経11穴の読み方・部位・取穴方法・特徴を一覧にまとめました。国家試験では取穴部位と寸法がそのまま問われます。

経穴(番号)読み方部位取穴方法特徴・主治
中府(LU1)ちゅうふ鎖骨の下、大胸筋の間のくぼみ鎖骨の下縁のすぐ下で、肩の前方、大胸筋の起始部のくぼみを探す肺の募穴。咳・痰・呼吸器症状、肩前面の痛み、胸のつかえ。呼吸トラブルの入口
雲門(LU2)うんもん鎖骨の下、大胸筋の外側縁鎖骨の下縁の中央から外側へ指2本分のくぼみ肺経の入り口となる重要穴。咳・痰・呼吸器症状、胸部の張り・息苦しさ、肩こり・肩の痛み
天府(LU3)てんぷ鎖骨の下、大胸筋の外側、腕の付け根鎖骨の下縁から指3本分下、大胸筋の外側縁のくぼみ呼吸機能を強力にサポート。咳・喘息・息苦しさ、心の不安・イライラ・落ち込み、肩・腕の痛みやだるさ
侠白(LU4)きょうはく上腕の内側、三角筋の前縁のくぼみ腕を下ろしたときにできるくぼみの中央(上腕内側のちょうど真ん中)を取る肺経の気をスムーズにする中継穴。咳・息苦しさ・胸のつかえ、肩や上腕の痛み・だるさ
尺沢(LU5)しゃくたく肘を曲げたときに肘横紋の外側にできるくぼみ肘を軽く曲げ、肘横紋の外側にあるくぼみを取る肺経の合流穴(肘の関節部)。咳・喘息・息苦しさ、喉の痛み・声がれ、腕の痛み・しびれ。気を下方へ降ろす働きが強い
孔最(LU6)こうさい前腕の前面、橈骨茎状突起の上方7寸尺沢(LU5)から手首側へ7寸のところを取る咳・喘息・喉の痛み・扁桃炎、熱感・のぼせ・発熱。急性の呼吸器症状に強い即効性
列欠(LU7)れっけつ前腕の橈側、橈骨茎状突起の上方1.5寸手首の横じわから1.5寸上、橈骨のくぼみを取る咳・喘息・喉の痛み・声がれ、頭痛・目の痛み・鼻づまり、腕の痛み・しびれ・手首の不調。気の停滞を一気に解放
経渠(LU8)けいきょ手首の橈側(親指側)、橈骨茎状突起の上方5分橈骨茎状突起の上方で、橈側手根屈筋腱の外側のくぼみ肺経の経穴。咳・喘息・息苦しさ、喉の痛み・声がれ、腕・手首の痛み・しびれ。気血の巡りを整える
太淵(LU9)たいえん手関節の橈側、橈骨茎状突起の下方、橈側手根屈筋腱の外側のくぼみ橈骨茎状突起のすぐ下で、橈側手根屈筋腱の外側のくぼみを取る肺経の原穴・輸穴・脈会穴。咳・喘息・息苦しさ、喉の痛み・声がれ、動悸・不安・ストレス、手首・前腕の痛み・しびれ
魚際(LU10)ぎょさい手の母指側、第1中手骨中点の尺側、赤白肉際(母指球のやや上)母指を外転させ、母指球の上縁にできるくぼみを取る肺経の栄穴。咳・喘息・喉の痛み・声がれ、肺の熱を冷まして炎症を鎮める、鼻血・歯痛・顔のほてり、皮膚のかゆみ・発疹
少商(LU11)しょうしょう手の母指橈側、爪甲の外側角の近位 約0.1寸のくぼみ(爪の内側・爪甲の近位端)母指を外側に開き、爪の外側角の近位のくぼみを取る肺経の井穴(気の出入口)。咳・喘息・喉の痛み・声がれ、肺の熱(炎症・発熱)を冷ます、鼻血・歯痛・口内炎・顔のほてり、小児の高熱・ひきつけ

胸部の3穴 ― 中府(LU1)・雲門(LU2)・天府(LU3)

中府(LU1・ちゅうふ)は肺経のスタート地点であり、肺の募穴です。鎖骨の下、大胸筋の間のくぼみにあり、鎖骨の下縁のすぐ下で、肩の前方、大胸筋の起始部のくぼみを探して取穴します。

雲門(LU2・うんもん)は「肺の入り口・気の通り道」。鎖骨の下、大胸筋の外側縁にあり、鎖骨の下縁の中央から外側へ指2本分のくぼみに取穴します。呼吸の気が体に入ってくる入口とされます。

天府(LU3・てんぷ)は「呼吸と心をつなぐ重要ポイント」。鎖骨の下、大胸筋の外側、腕の付け根にあり、鎖骨の下縁から指3本分下、大胸筋の外側縁のくぼみに取穴します。

雲門(LU2)は鎖骨の下縁の中央から外側へ指2本分のくぼみ
雲門(LU2)は鎖骨の下縁の中央から外側へ指2本分のくぼみ

上腕〜肘の2穴 ― 侠白(LU4)・尺沢(LU5)

侠白(LU4・きょうはく)は肺経の中継ポイント。上腕の内側、三角筋の前縁のくぼみにあり、腕を下ろしたときにできる上腕内側のちょうど真ん中のくぼみの中央を取穴します。

尺沢(LU5・しゃくたく)肺経の合流点で、肘の関節部にあります。肘を曲げたときに肘横紋の外側にできるくぼみにあり、肘を軽く曲げて外側のくぼみを取穴します。

上に上がった気を下げる作用が強く、咳や息苦しさ、喉のつかえに即効性のあるポイントです。

尺沢(LU5)は肘を曲げたときの肘横紋の外側にできるくぼみ
尺沢(LU5)は肘を曲げたときの肘横紋の外側にできるくぼみ

前腕の3穴 ― 孔最(LU6)・列欠(LU7)・経渠(LU8)

孔最(LU6・こうさい)は前腕の前面、橈骨茎状突起の上方7寸にあります。取穴は尺沢(LU5)から手首側へ7寸のところを取ります。急性症状に強いツボです。

列欠(LU7・れっけつ)は前腕の橈側、橈骨茎状突起の上方1.5寸。手首の横じわから1.5寸上、橈骨のくぼみを取穴します。気の停滞を一気に解放する重要穴です。

経渠(LU8・けいきょ)肺経の経穴。手首の橈側(親指側)、橈骨茎状突起の上方5分にあり、橈骨茎状突起の上方で橈側手根屈筋腱の外側のくぼみに取穴します。

列欠(LU7)は手首の横じわから1.5寸上、橈骨のくぼみ
列欠(LU7)は手首の横じわから1.5寸上、橈骨のくぼみ

手部の3穴 ― 太淵(LU9)・魚際(LU10)・少商(LU11)

太淵(LU9・たいえん)肺経の原穴・輸穴・脈会穴という三重の役割を持つ最重要穴。手関節の橈側、橈骨茎状突起の下方、橈側手根屈筋腱の外側のくぼみにあり、橈骨茎状突起のすぐ下で橈側手根屈筋腱の外側のくぼみを取穴します。

魚際(LU10・ぎょさい)肺経の栄穴で、肺の熱を冷ますツボ。手の母指側、第1中手骨中点の尺側、赤白肉際(母指球のやや上)にあり、母指を外転させ、母指球の上縁にできるくぼみを取穴します。第1中手骨の中央よりやや手首側の尺側です。

少商(LU11・しょうしょう)肺経の井穴で、肺経の最終穴。手の母指橈側、爪甲の外側角の近位 約0.1寸のくぼみ(爪の内側・爪甲の近位端)にあり、母指を外側に開き、爪の外側角の近位のくぼみを取穴します。

太淵(LU9)は橈骨茎状突起のすぐ下、橈側手根屈筋腱の外側のくぼみ
太淵(LU9)は橈骨茎状突起のすぐ下、橈側手根屈筋腱の外側のくぼみ

肺経の要穴まとめ(募穴・原穴・井穴など)

手の太陰肺経のなかでも、国家試験で狙われやすい要穴を整理しました。

要穴の種類経穴スライドでの説明
肺の募穴中府(LU1)肺のエネルギーが集まる「募穴」。呼吸トラブルや胸・肩の不調には最初にチェックしたい重要ポイント
合流穴(肘の関節部)尺沢(LU5)肺経の合流点。上に上がった気を下方へ降ろす作用が強く、咳・息苦しさ・喉のつかえに即効性
経穴経渠(LU8)経絡の気血を整える穴。気血の流れをスムーズにし、呼吸器と上肢のトラブルをサポート
原穴・輸穴・脈会穴太淵(LU9)三重の役割を持つ最重要穴。肺のエネルギー(元気)を補う原穴で、国家試験・臨床のどちらでも超重要
栄穴魚際(LU10)熱を冷まし、潤いを与える穴。肺の熱を冷まして炎症を鎮めるラストピース
井穴少商(LU11)気の出入口。肺の熱(炎症・発熱)を冷まし、炎症を鎮める最終ポイント

取穴の寸法まとめ(骨度・目安)

肺経は寸法での取穴が問われやすい経絡です。スライドに示された寸法・目安を一覧にしました。

経穴基準となる部位寸法・目安
中府(LU1)鎖骨の下縁のすぐ下、大胸筋の起始部肩の前方のくぼみ
雲門(LU2)鎖骨の下縁の中央から外側へ指2本分
天府(LU3)鎖骨の下縁から下へ(大胸筋の外側縁)指3本分
侠白(LU4)上腕の内側、三角筋の前縁上腕内側のちょうど真ん中(½)のくぼみ
尺沢(LU5)肘横紋の外側肘を軽く曲げてできるくぼみ
孔最(LU6)橈骨茎状突起の上方(尺沢から手首側へ)7寸
列欠(LU7)橈骨茎状突起の上方(手首の横じわから上)1.5寸
経渠(LU8)橈骨茎状突起の上方、橈側手根屈筋腱の外側5分
太淵(LU9)橈骨茎状突起の下方、橈側手根屈筋腱の外側橈骨茎状突起のすぐ下のくぼみ
魚際(LU10)第1中手骨中点の尺側赤白肉際(母指球のやや上)
少商(LU11)母指橈側、爪甲の外側角の近位約0.1寸
魚際(LU10)は母指を外転させ、母指球の上縁にできるくぼみ
魚際(LU10)は母指を外転させ、母指球の上縁にできるくぼみ
国試ポイント
① 手の太陰肺経は中府(LU1)に始まり少商(LU11)に終わる全11穴。胸部(鎖骨の下)→ 上腕の内側 → 肘の外側 → 前腕の橈側 → 母指の先端へと流れる。
② 太淵(LU9)は肺経の原穴・輸穴・脈会穴という三重の役割を持つ最重要穴。橈骨茎状突起の下方、橈側手根屈筋腱の外側のくぼみに取穴する。
③ 五要穴は末梢から順に、少商(LU11)=井穴、魚際(LU10)=栄穴、太淵(LU9)=輸穴(原穴)、経渠(LU8)=経穴、尺沢(LU5)=肘関節部の合流穴。中府(LU1)は肺の募穴。
📖 手の太陰肺経をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習