触覚・圧覚・振動覚は、いずれも機械受容器で受容される皮膚感覚です。受容器はマイスナー小体・メルケル盤・ルフィニ終末・パチニ小体の4種類で、順応速度と検出する刺激がそれぞれ異なります。情報は太い有髄のAβ線維(Ⅱ群線維)で伝えられ、精密触覚・振動覚は後索-内側毛帯路、粗大触覚は腹側脊髄視床路を通ります。
| 読み方 | しょっかく・あっかく・しんどうかく |
|---|---|
| 定義 | 触覚=皮膚に触れる刺激、圧覚=皮膚を押す・引っ張る刺激、振動覚=10〜100Hz程度の反復刺激によって生じる皮膚感覚 |
| 受容器 | すべて機械受容器。マイスナー小体・メルケル盤・ルフィニ終末・パチニ小体の4種類 |
| 順応速度 | マイスナー小体=速い/パチニ小体=非常に速い/メルケル盤・ルフィニ終末=遅い |
| 神経線維の種類 | Aβ線維(Ⅱ群線維)=太い有髄神経・伝導速度が速い(ポリモーダル受容器はC線維=Ⅳ群線維) |
| 伝導路 | 精密な触覚・振動覚=後索-内側毛帯路/粗大な触覚=腹側脊髄視床路 |
| 中枢 | 視床VPL核を中継し大脳皮質の体性感覚野へ |
| 臨床的意義 | 接触鍼・ローラー鍼・TENSは低閾値機械受容器を刺激しAβ線維を活性化、ゲートコントロール機構により鎮痛が起こる |
| 国試での狙われ方 | 受容器と感覚の対応、順応の速い/遅いの区別、Aβ線維(Ⅱ群)とC線維(Ⅳ群)の対比、2つの伝導路の経路の順序 |
触覚・圧覚・振動覚は、いずれも皮膚に加わった機械的な刺激によって生じる感覚で、受容するのはすべて機械受容器です。この「3つとも機械受容器」という点が国試頻出のポイントです。
皮膚の機械受容器はマイスナー小体・メルケル盤・ルフィニ終末・パチニ小体の4つです。存在する深さと、検出する刺激の内容がそれぞれ異なります。
| 受容器 | 感覚 | 順応 | 存在部位 | 検出するもの |
|---|---|---|---|---|
| マイスナー小体 | 触覚受容器 | 速い | 表皮直下 | 皮膚変位の速さ |
| メルケル盤 | 圧覚受容器 | 遅い | 表皮近く | 圧の強さ |
| ルフィニ終末 | 圧覚受容器 | 遅い | 真皮深部 | 皮膚の伸展 |
| パチニ小体 | 振動受容器 | 非常に速い | 真皮深部〜皮下組織 | 振動・加速度 |
4種類は順応速度で整理すると一気に覚えられます。順応が速い=刺激が変化する瞬間に強く応答する受容器、順応が遅い=刺激が続く間ずっと応答し続ける受容器です。
順応速度の順に並べると、パチニ小体(非常に速い)>マイスナー小体(速い)>メルケル盤・ルフィニ終末(遅い)となります。感じ方で言えば「マイスナーは触る(速さ)、メルケル・ルフィニは押す(強さ・伸び)、パチニは振動」です。
機械受容器がとらえた触覚・圧覚・振動覚の情報は、Aβ線維(Ⅱ群線維)が伝えます。一方、痛覚・温度覚・かゆみなどを伝えるポリモーダル受容器の情報はC線維(Ⅳ群線維)が伝えます。この対比が国試の定番です。
| 項目 | Aβ線維(Ⅱ群線維) | C線維(Ⅳ群線維) |
|---|---|---|
| 対応する受容器 | 機械受容器 | ポリモーダル受容器 |
| 線維の性質 | 太い有髄神経 | 細い無髄神経 |
| 伝導速度 | 速い | 遅い |
| 主に伝える感覚 | 触覚・圧覚・振動覚 | 痛覚・温度覚・かゆみなど |
触覚の伝導路は、精密さによって2ルートに分かれます。経路の順序がそのまま出題されるので、上行の順番で覚えましょう。
交叉部位の違い(後索路は延髄で、脊髄視床路は脊髄の前白交連で交叉)が引っかけになります。
鍼灸の鎮痛機序のうち、触覚・圧覚と直結するのがゲートコントロール説です。接触鍼・ローラー鍼・経皮的電気刺激(TENS)はいずれも低閾値機械受容器を刺激し、Aβ線維を活性化します。
| 刺激法 | 作用する受容器 | 活性化する線維 |
|---|---|---|
| 接触鍼(皮膚を軽く刺激する鍼) | 低閾値機械受容器 | Aβ線維 |
| ローラー鍼(皮膚をローラーで刺激) | 低閾値機械受容器 | Aβ線維 |
| 経皮的電気刺激(TENS) | 低閾値機械受容器 | Aβ線維 |
最後に一気に確認しましょう。
語呂として「マイスナーは触る、メルケルとルフィニは押す、パチニは振動。触覚はAβ線維 → 後索内側毛帯路!」と覚えると確実です。