神経線維は髄鞘のある有髄線維と髄鞘のない無髄線維の2種類に分けられ、有髄線維は跳躍伝導ができるため伝導速度が速いのが特徴です。また神経線維は直径が大きいほど伝導速度が速く、興奮しやすく閾値が低いという原則があります。鍼灸国家試験では「Aβ=さわる、Aδ=刺す、C=ズーンと痛む」という感覚の担当分けと、伝導速度の順位(Ia>Ib>Ⅱ>Ⅲ>Ⅳ)が繰り返し問われます。
| 読み方 | しんけいせんい |
|---|---|
| 定義 | 興奮(活動電位)を伝導する神経細胞の突起。髄鞘の有無で有髄線維・無髄線維に大別される |
| 有髄線維 | 髄鞘あり/跳躍伝導ができる/伝導速度が速い |
| 無髄線維 | 髄鞘なし/跳躍伝導ができない/伝導速度が遅い |
| 太さと速度の関係 | 直径が大きいほど伝導速度が速く、興奮しやすく閾値が低い。細い線維は遅く、興奮しにくい |
| 伝導速度の順位 | Ia > Ib > Ⅱ > Ⅲ > Ⅳ(Ⅳ群=C線維が最も遅い) |
| 感覚の担当 | Aβ(Ⅱ群)=触圧覚・振動覚/Aδ(Ⅲ群)=鋭い痛み・温冷覚/C(Ⅳ群)=鈍い痛み・温冷覚 |
| 鍼灸との関係 | 鍼の軽い接触刺激ではAβ線維が興奮しやすく、灸刺激ではC線維が興奮しやすい |
| 国試での狙われ方 | 有髄/無髄と速度、太さと閾値の関係、Aβ・Aδ・C線維が伝える感覚、Ia=筋紡錘・Ib=腱受容器の対応 |
神経線維はまず髄鞘(ミエリン鞘)があるかどうかで2つに分けられます。髄鞘のある有髄線維では、興奮が髄鞘の切れ目を飛び跳ねるように伝わる跳躍伝導が起こるため、伝導速度が速くなります。一方、髄鞘のない無髄線維は跳躍伝導ができず、伝導速度は遅くなります。
国試では「有髄=速い/無髄=遅い」という関係をそのまま問う問題が頻出です。
| 項目 | 有髄線維 | 無髄線維 |
|---|---|---|
| 髄鞘 | あり | なし |
| 跳躍伝導 | できる | できない |
| 伝導速度 | 速い | 遅い |
| 代表例 | Aβ線維・Aδ線維 | C線維 |
神経線維のもう一つの大原則が「太い神経ほど伝導速度が速い」というものです。直径が大きい線維は伝導速度が速いだけでなく、興奮しやすく閾値が低いという性質を持ちます。逆に細い神経線維は伝導速度が遅く、興奮しにくくなります。
この関係から、伝導速度のランキングは次の順になります。
| 順位 | 線維の群 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 1位 | Ia | 最も速い |
| 2位 | Ib | 2番目に速い |
| 3位 | Ⅱ | 中間(Aβ線維) |
| 4位 | Ⅲ | 遅い(Aδ線維) |
| 5位 | Ⅳ | 最も遅い(C線維) |
Aβ線維=Ⅱ群線維は「さわる感覚」の担当です。伝えるのは触圧覚と振動覚で、有髄線維・太い神経線維・伝導速度が速いという3つの特徴を持ちます。
触圧覚・振動覚を受け取る受容器には次の4つがあります。
| 受容器 | 分類 |
|---|---|
| メルケル盤 | 触圧覚・振動覚の受容器 |
| マイスナー小体 | 触圧覚・振動覚の受容器 |
| ルフィニ終末 | 触圧覚・振動覚の受容器 |
| パチニ小体 | 触圧覚・振動覚の受容器 |
C線維=Ⅳ群線維は、無髄線維で細い神経線維、そして最も伝導速度が遅い神経線維です。伝えるのは鈍い痛み(二次痛)と温覚・冷覚です。
C線維の末端にはポリモーダル受容器があり、熱刺激・機械刺激・化学刺激という複数の種類の刺激に反応します。鍼灸との関係では、灸刺激で興奮しやすく、持続痛・慢性痛に関与する点が国家試験頻出です。
| 項目 | C線維(Ⅳ群線維) |
|---|---|
| 髄鞘 | 無髄線維 |
| 太さ | 細い神経線維 |
| 伝導速度 | 最も遅い |
| 伝える感覚 | 鈍い痛み(二次痛)・温覚・冷覚 |
| 痛みの性質 | ジワジワ痛い/長く続く/灼熱感 |
| 受容器 | ポリモーダル受容器(熱刺激・機械刺激・化学刺激に反応) |
| 鍼灸との関係 | 灸刺激で興奮しやすい/持続痛・慢性痛に関与 |
国家試験で最も問われるのは、どの神経線維がどの感覚を伝えるかの対応関係です。「Aβは触る、Aδは刺す、Cはズーンと痛む」と、触る→刺す→ズーンと痛むの流れで覚えると混同しません。
あわせて、筋の受容器を支配する線維(Ia=筋紡錘、Ib=腱受容器=ゴルジ腱器官)も必ず押さえておきましょう。
| 神経線維 | 群分類 | 伝える感覚・対応する受容器 |
|---|---|---|
| Aβ線維 | Ⅱ群線維 | 触圧覚・振動覚 |
| Aδ線維 | Ⅲ群線維 | 鋭い痛み・温冷覚 |
| C線維 | Ⅳ群線維 | 鈍い痛み・温冷覚 |
| Ia | ― | 筋紡錘 |
| Ib | ― | 腱受容器(ゴルジ腱器官) |