体温は視床下部(体温中枢)が決めたセットポイントに向けて、産熱と放熱のバランスで約36.5℃に保たれています。この調節が破綻した状態が体温調節障害です。国試では発熱=セットポイント上昇、うつ熱(熱中症)=セットポイントは正常で放熱不足、低体温=35℃以下の3つを区別できるかが最大の分かれ目になります。
| 読み方 | たいおんちょうせつしょうがい |
|---|---|
| 定義 | 産熱と放熱のバランス、またはセットポイント調節が破綻して体温が正常域を外れた状態 |
| 体温調節中枢 | 視床下部(体温中枢) |
| 正常体温の目安 | 約36.5℃ |
| 調節のしくみ | セットポイントに向けて産熱(ふるえ・代謝亢進)と放熱(皮膚血管拡張・発汗)を増減させる |
| 発熱 | 外因性発熱物質(細菌・ウイルス)→内因性発熱物質(インターロイキン・インターフェロン)→セットポイント上昇 |
| うつ熱(熱中症) | セットポイントは正常のまま、熱放散が追いつかず体温上昇 |
| 低体温 | 深部体温35℃以下。寒冷環境・高齢者・飲酒後・山や冬のレジャーで危険 |
| 国試での狙われ方 | 発熱とうつ熱のセットポイントの違い/熱中症に解熱薬は無効・冷却が必要/熱射病は40℃以上/低体温は35℃以下 |
体温調節とは、産熱と放熱のバランスをとって体温を一定(約36.5℃)に保つはたらきです。調節の中枢は視床下部にあり、目標値であるセットポイントに体温を合わせるよう指令を出します。
このどこかが破綻すると体温調節障害になります。
発熱は、発熱物質によって視床下部のセットポイント自体が上昇し、体温がそれに追いつくように上がる現象です。感染症でみられる体温上昇はこちらです。
| 区分 | 物質・内容 |
|---|---|
| 外因性発熱物質 | 細菌・ウイルスなどの侵入(体外から) |
| 内因性発熱物質 | インターロイキン・インターフェロンなど(体内の免疫細胞が産生) |
| 結果 | セットポイントが37℃→38℃・39℃・40℃へ上昇し、体温が上昇する |
発熱の流れは ①発熱物質 → ②視床下部 → ③セットポイント上昇。セットポイントより実際の体温が低いあいだは「寒い」と感じ、体温を上げる反応が起こります。解熱期にはその逆が起こります。
| 時期 | 体に起こる反応 |
|---|---|
| 発熱時(体温を上げる) | 産熱↑・放熱↓・悪寒・ふるえ・皮膚血管収縮 |
| 解熱時(体温を下げる) | 皮膚血管拡張・発汗・放熱↑・体温↓ |
うつ熱(熱中症)は、セットポイントは正常のままなのに、熱放散が追いつかないために体温が上がる状態です。発熱との最大の違いはここで、国試の頻出ポイントです。
| 項目 | 発熱(風邪など) | うつ熱(熱中症) |
|---|---|---|
| セットポイント | 上昇あり | 上昇なし(正常) |
| 体温上昇の原因 | セットポイントに合わせて体温が上がる | 放熱不足・熱産生過多でバランス破綻 |
| 解熱薬 | 有効 | 効かない |
| 対応 | 原因治療・解熱 | 冷却が必要 |
熱中症は放置すると重症化し、命にかかわります。重症度は次の順に進行します。
とくに40℃以上の高体温は熱射病を疑う危険サインです。熱中症は「熱産生が増えすぎる」+「熱放散が追いつかない」体温バランスの破綻であり、解熱薬は効かず、冷却が必要です。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 重症化の順序 | 熱痙攣 → 熱疲労 → 熱射病 |
| 危険な体温 | 40℃以上の高体温に注意 |
| 治療 | 冷却が必要 |
| 解熱薬 | 効かない |
| 病態 | 熱産生が増えすぎる+熱放散が追いつかない=体温バランスの破綻 |
低体温は深部体温が35℃以下になった状態です。寒冷環境で熱放散が産熱を上回ると起こります。
国試では「寒冷環境で体温低下」「低体温は35℃以下」という形で問われます。
体温は視床下部(体温中枢)のセットポイントで調整される。この前提から3つを整理すれば迷いません。
| 病態 | 本質 |
|---|---|
| 発熱 | セットポイント上昇 |
| うつ熱(熱中症) | 放熱不足(セットポイントは正常) |
| 低体温 | 35℃以下 |