体温調節とは、産熱と放熱のバランスをとって体の深部温度(核心温度)を約36〜37℃に保つしくみです。ヒトは恒温動物で、カエルや魚のような変温動物と違い、外気温が変わっても体温をほぼ一定に保てます。国試では放熱の4様式(放射・伝導・対流・蒸発)、産熱を高めるホルモン、そして発熱と熱中症のセットポイントの違いが頻出です。
| 読み方 | たいおんちょうせつ |
|---|---|
| 定義 | 産熱と放熱のバランスを調節し、体の深部温度を一定に保つしくみ |
| 調節中枢 | 視床下部(体温調節中枢) |
| 核心温度の基準値 | 約36〜37℃(脳や内臓など深部の温度) |
| 産熱のしくみ | 基礎代謝、筋のふるえ(シバリング)、食事(食後の代謝亢進)、ホルモン |
| 放熱のしくみ | 放射・伝導・対流・蒸発の4様式、発汗、皮膚血管の拡張 |
| 関与するホルモン | 甲状腺ホルモン(基礎代謝を高める)、アドレナリン(活動時・ストレス時に代謝を上げる) |
| 異常 | 高体温(熱中症など)、低体温(低体温症など)、発熱 |
| 国試での狙われ方 | 核心温度と外殻温度の違い/放熱4様式の定義/発熱と熱中症のセットポイントの違い/暑熱馴化での発汗の変化 |
生体反応は一定の温度で最も働きやすく、酵素などの働きは適切な温度で最も活発になります。温度が高すぎても低すぎても、うまく働けなくなります。
それぞれの生き物が環境に合わせて体温をコントロールすることで、生命活動が維持されています。
体温はどこで測るかによって意味が変わります。体の深部と表面では、役割や環境の影響の受けやすさがちがいます。体は核心温度を一定に保ちながら、外殻温度を環境に合わせて調節しています。
| 核心温度 | 外殻温度 | |
|---|---|---|
| 部位 | 脳や内臓など、体の深部の温度 | 皮膚など、体の表面の温度 |
| 温度 | 生命活動を支えるため一定(約36〜37℃)に保たれる | 環境温度により変動する |
| 外気温の影響 | 受けにくい | 受けやすく、暑いときは上がり、寒いときは下がる |
| 役割 | 生命活動の維持 | 発汗や血管の拡張・収縮を通じて体温調節に関わる |
私たちの体は、いろいろな方法で熱を作り、体温を一定に保っています。
体から外へ熱が移動する方法は主に4つあります。この4様式の定義は国試頻出です。
| 様式 | 読み | 内容 |
|---|---|---|
| 放射 | ほうしゃ | 体から電磁波の形で熱が周囲へ放出される |
| 伝導 | でんどう | 体が直接ふれているものに熱が伝わる |
| 対流 | たいりゅう | 空気や水などの流れによって熱が運ばれる |
| 蒸発 | じょうはつ | 汗や呼吸によって水分が蒸発するときに熱を奪う |
これらのしくみがバランスよく働くことで、暑いときには熱を逃がし、寒いときには逃がす量を減らして体温を一定に保っています。
体温は約36〜37℃に保たれることで、体の機能が正常に働きます。
| 状況 | 体の反応 | 結果 |
|---|---|---|
| 暑い時 | 発汗(蒸発)+皮膚血管の拡張 | 血流が増えて熱を放出し、放熱を増やす |
| 寒い時 | 皮膚血管の収縮+ふるえ(シバリング) | 血流が減って熱を保持し、筋のふるえで熱を産生 |
| 高体温(熱中症など) | 体温が上がりすぎる | 脳や内臓の働きが低下し、命に危険が及ぶ |
| 低体温(低体温症など) | 体温が下がりすぎる | 意識がもうろうとしたり、心臓の働きが弱くなる |
体は環境にくり返しさらされると順応(馴化)します。暑熱馴化には数日〜数週間かかります。
発熱では、ウイルスや細菌が体に入ると脳の体温調節中枢(視床下部)がセットポイントを上げます。すると体はその新しい目標体温に向けて産熱↑・放熱↓と働き、体温が上昇します(感染などの刺激 → セットポイント上昇 → 産熱↑放熱↓ → 体温上昇)。
| 発熱 | 熱中症 | |
|---|---|---|
| セットポイント | 上昇する | 正常のまま |
| 体温 | 新しいセットポイントに向かって上昇 | 放熱が追いつかず体温だけが上昇 |
| 原因 | ウイルスや細菌など感染の刺激 | 暑い環境などで放熱が追いつかない |