視床下部は自律機能を調節する総合中枢であり、自律神経系の最高位中枢です。中脳以下の中枢が呼吸・血管運動など個々の自律機能を担うのに対し、視床下部はそれらを全体として統合的に調節します。体温・摂食・飲水・概日リズム・下垂体ホルモン・本能行動まで、内部環境を整える「からだの司令塔」です。
| 読み方 | ししょうかぶ(視床下部) |
|---|---|
| 定義 | 自律機能を調節する総合中枢。自律神経系の最高位中枢 |
| 位置 | 間脳(視床の下方)、下垂体の上方 |
| 含まれる中枢 | 体温調節中枢/摂食・満腹中枢/飲水中枢/概日リズムの中枢(視交叉上核)/下垂体ホルモン調節の中枢/本能行動・情動行動の調節中枢 |
| 体温調節のしくみ | 温度感受性ニューロンが皮膚や視床下部の温度受容器から情報を受け取り、発汗・血管の拡張/収縮・ふるえ・代謝調節で体温を一定に保つ |
| 基準値・数値 | 体温は36.5℃前後に維持/概日リズムは約1日(24時間)の周期 |
| 内分泌との関係 | 視床下部ホルモンが下垂体前葉に作用して分泌を促進・抑制。視床下部ニューロンの軸索が下垂体後葉に伸び、ホルモンを血中へ分泌 |
| 国試での狙われ方 | 腹内側核=満腹中枢/外側野=摂食中枢の入れ替え、視交叉上核=体内時計、飲水中枢は浸透圧を感受、防衛反応=交感神経系の反応 |
視床下部は、自律機能を調節する総合中枢です。中脳以下には呼吸中枢・血管運動中枢など個々の自律機能を司る中枢がありますが、視床下部はそれらを全体として統合的に調節します。つまり視床下部は体の内部環境を整える司令塔です。
視床下部はさまざまな中枢を含む重要部位です。国試では「どの中枢が視床下部にあるか」がそのまま問われます。
| 中枢 | はたらき |
|---|---|
| 自律神経系の最高位中枢 | 交感・副交感のバランスを統合的に調節 |
| 体温調節の中枢 | 体温を一定(36.5℃前後)に保つ |
| 摂食・満腹の中枢 | 食欲を高める/抑える |
| 飲水中枢 | 体液の浸透圧変化を感受し口渇・飲水行動を起こす |
| 概日リズムの中枢(視交叉上核) | 約1日の周期リズム=体内時計をつくる |
| 下垂体ホルモン調節の中枢 | 下垂体前葉・後葉のホルモン分泌を調節 |
| 本能行動・情動行動の調節中枢 | 本能・情動に伴う自律機能を調節 |
視床下部には温度感受性ニューロンがあります。
寒い時(体温が下がる・冷えた環境)と暑い時(体温が上がる・暑い環境)の情報が集まり、発汗・血管の拡張/収縮・ふるえ・代謝調節などで体温を36.5℃前後にキープします。
視床下部には食欲に関係する中枢があります。腹内側核=満腹中枢/外側野=摂食中枢の対応は国試の超頻出ポイントで、入れ替えて出題されます。満腹中枢が働くと満腹感が出て食欲が抑えられ、摂食中枢が働くと食欲が出ます。血糖値の変化や末梢のグルコース受容器からの情報を受けて摂食行動を調節します。
| 部位 | 中枢 | はたらき |
|---|---|---|
| 腹内側核 | 満腹中枢 | 満腹感を生み、食欲を抑える |
| 外側野 | 摂食中枢 | 食欲を高めて摂食を促す |
| 視床下部外側野 | 飲水中枢 | 体液の浸透圧変化を感受し、口渇・飲水行動を起こす |
視床下部外側野には、体液の浸透圧変化を感受する中枢があります。
流れは 浸透圧上昇(体液の濃さが上がる)→ 口渇の発生 → 飲水行動の促進 → 体液バランス維持(ホメオスタシス)・水分量の調節 となります。
視交叉上核は概日リズムの形成に関係します。
国試では視交叉上核=体内時計で覚えると強いです。また視床下部は下垂体ホルモンの分泌も調節し、自律神経だけでなく内分泌も調節する中枢です。
| 経路 | 流れ | 結果 |
|---|---|---|
| ①前葉ルート | 視床下部ホルモン → 下垂体前葉 | 前葉ホルモンの分泌を促進または抑制 |
| ②後葉ルート | 視床下部ニューロンの軸索が下垂体後葉に伸びる | 後葉ホルモンを血中へ直接分泌 |
視床下部は、本能行動や情動行動に伴う自律機能も調節します。緊急時には防衛反応として次の反応が起こります。
これらは逃避・闘争などの行動に適した自律神経反応(=交感神経系の反応)です。覚え方は「視床下部=自律神経・内分泌・本能行動の総合中枢」です。