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ホルモンと内分泌腺のしくみ・調節と国試ポイントほるもんとないぶんぴつせん

ホルモンは内分泌腺から血液中へ分泌され、離れた標的器官のはたらきを調節する化学物質です。国試では「どの腺のどの細胞から、何が出て、どう作用し、足りない/多すぎるとどんな病気になるか」がセットで問われます。ここでは視床下部・下垂体・甲状腺・膵臓・副腎・性腺・その他の腺を一気に整理します。

ホルモンと内分泌腺|ホルモンと内分泌腺 1
読み方ほるもんとないぶんぴつせん
定義内分泌腺から血液中へ分泌され、標的器官の働きを調節する化学物質とその分泌器官
中枢視床下部(下垂体を支配する内分泌の最上位中枢)
連絡のしくみ下垂体前葉=下垂体門脈(血管)で連絡/下垂体後葉=神経線維で直接連絡
主な内分泌腺視床下部・下垂体(前葉/後葉)・甲状腺・膵臓(ランゲルハンス島)・副腎(皮質/髄質)・精巣・卵巣・腎臓・松果体・心房
代表的な調節機構CRH→ACTH→副腎皮質の階層性調節と負のフィードバック、RAA系(レニン→アンジオテンシン→アルドステロン)
基準値・数値血糖値は約100mg/dL前後に保たれる/HbA1cは過去1〜2か月の血糖状態を反映
国試での狙われ方前葉=血管・後葉=神経、α=グルカゴン・β=インスリン・δ=ソマトスタチン、副腎皮質3層(球状層=電解質コルチコイド、束状層=糖質コルチコイド、網状層=副腎アンドロジェン)、PTHはCa上昇・カルシトニンはCa低下

視床下部と下垂体 ― 内分泌の司令塔

下垂体は視床下部の支配を受ける内分泌の中枢で、視床下部の下にぶら下がっています。前葉と後葉では視床下部とのつながり方がまったく違うのが国試の最頻出ポイントです。

視床下部ホルモンには前葉ホルモンの分泌を促進する放出ホルモンと、抑える抑制ホルモンがあります。

区分略号正式名
放出ホルモンGHRH成長ホルモン放出ホルモン
放出ホルモンPRHプロラクチン放出ホルモン
放出ホルモンTRH甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
放出ホルモンCRH副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
放出ホルモンGnRH性腺刺激ホルモン放出ホルモン
抑制ホルモンGIH成長ホルモン抑制ホルモン
抑制ホルモンPIHプロラクチン抑制ホルモン
視床下部ホルモンは放出ホルモンと抑制ホルモンの2系統
視床下部ホルモンは放出ホルモンと抑制ホルモンの2系統

下垂体前葉ホルモン5種類と後葉ホルモン2種類

前葉ホルモンは全身の成長・代謝・生殖を調節する5種類、後葉ホルモンは水分調節・乳汁射出・分娩に関わる2種類です。

部位ホルモン主な作用異常
後葉バソプレシン(ADH、抗利尿ホルモン)腎臓の集合管で水の再吸収促進、尿量を減らす。血液浸透圧が上がると分泌増加。大量では血圧を上げる分泌低下→尿崩症(多尿・口渇・多飲)
後葉オキシトシン乳汁の射出を促進(授乳時の吸啜刺激で分泌増加)、子宮平滑筋を収縮させ分娩を促進
下垂体前葉ホルモンは5種類。働きと異常をセットで覚える
下垂体前葉ホルモンは5種類。働きと異常をセットで覚える

甲状腺ホルモンとその異常

甲状腺は気管の前面にある内分泌腺で、ヨウ素を含むホルモンを分泌します。

区分代表疾患主な所見
機能亢進バセドウ病(グレーブス病)甲状腺腫、基礎代謝亢進、心悸亢進、眼球突出、発汗増加
機能低下橋本病寒がり、易疲労感、言葉のもつれ、無気力、思考力・記憶力低下、乾燥して冷たい皮膚、圧痕を残さない浮腫(粘液水腫)
先天性低下クレチン病成長・知能の発達障害
甲状腺ホルモンの異常は亢進=バセドウ病、低下=橋本病
甲状腺ホルモンの異常は亢進=バセドウ病、低下=橋本病

膵臓のホルモン ― 血糖調節の主役

膵臓には外分泌組織の中にランゲルハンス島があり、ここからホルモンが分泌されます。血糖値は約100mg/dL前後に保たれ、血糖上昇→インスリン増加→血糖低下、血糖低下→グルカゴン増加→血糖上昇、というシーソーで調節されます。インスリン不足・作用低下で糖尿病となり、高血糖・糖尿・口渇・多飲・多尿が起こります。HbA1cは過去1〜2か月の血糖状態を反映します。なお血糖を上げるホルモンはグルカゴン・カテコールアミン・成長ホルモン・副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモンと複数ある一方、血糖を下げるホルモンは基本的にインスリンだけです。

細胞分泌ホルモン作用
α細胞グルカゴン血糖値を上げる(肝臓でグリコーゲンを分解しグルコースを作る、糖新生促進、脂肪分解促進、血中遊離脂肪酸を増加)。低血糖で分泌↑、高血糖で分泌↓
β細胞インスリン血糖値を下げる(骨格筋・脂肪組織・肝臓に作用、グルコースの細胞内取り込み促進、グリコーゲンへ変換、脂肪への変換促進、アミノ酸取り込み・タンパク質合成促進)。血糖上昇で分泌↑、一部は迷走神経でも分泌促進
δ細胞ソマトスタチンα細胞・β細胞に作用してグルカゴン・インスリンの分泌を抑制する“ブレーキ役”
α=上げる、β=下げる、δ=抑える
α=上げる、β=下げる、δ=抑える

副腎のホルモン ― 皮質3層と髄質

副腎は左右の腎臓の上にある内分泌器官で、外側の皮質と内側の髄質に分かれます。皮質からはステロイドホルモン、髄質からはカテコールアミンが分泌されます。

異常代表主な所見
副腎皮質機能低下糖質コルチコイド・電解質コルチコイド低下、皮膚の色素沈着、低血圧、低血糖、心筋萎縮、Na⁺の過剰排泄
副腎皮質機能亢進クッシング症候群満月様顔貌、中心性肥満、高血糖、高血圧、タンパク質減少
電解質コルチコイド過剰コン症候群Na⁺貯留、K⁺低下、多尿、多飲、高血圧、脱力感
副腎アンドロジェン過剰副腎性器症候群女性では男性化、男児では第二次性徴が早く出る
副腎皮質は3層。球状層=電解質コルチコイド、束状層=糖質コルチコイド、網状層=副腎アンドロジェン
副腎皮質は3層。球状層=電解質コルチコイド、束状層=糖質コルチコイド、網状層=副腎アンドロジェン

性腺のホルモンとその他の内分泌腺

性腺ホルモンは視床下部GnRH→下垂体前葉FSH・LH→精巣/卵巣という階層で調節され、卵巣ホルモンは上流にフィードバック調節を行います。

部位ホルモン作用
消化管ガストリン・セクレチン・コレシストキニン(CCK)消化管運動を調節、消化液分泌を調節
腎臓レニンアルドステロン分泌に関与
腎臓エリスロポエチン(EPO)赤血球新生を促進
松果体メラトニン夜間に分泌↑・昼間に低下、概日リズム形成に関与
心房心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)心房伸展で分泌、水とNa⁺の排泄を促進、血管拡張、血圧を下げる
消化管・腎臓・松果体・心房のホルモンも得点源
消化管・腎臓・松果体・心房のホルモンも得点源
国試ポイント
① 下垂体前葉は視床下部と『血管(下垂体門脈)』、後葉は『神経線維』で連絡する。後葉ホルモンは視床下部で作られ後葉から放出される。
② GHは成長促進+血糖上昇で、分泌は睡眠中に高まりやすい。分泌過剰は成長期で巨人症、成人で先端巨大症。
③ ADH(バソプレシン)は集合管で水の再吸収を促進し尿量を減らす。分泌低下で尿崩症(多尿・口渇・多飲)。オキシトシンは射乳と子宮収縮。
④ 甲状腺は主にT4を分泌し、T3の多くは末梢組織でT4から作られる。ヨウ素を含み、TRH→TSHで調節されて基礎代謝を促進する。
⑤ ランゲルハンス島はα細胞=グルカゴン(血糖↑)、β細胞=インスリン(血糖↓)、δ細胞=ソマトスタチン(分泌抑制)。血糖値は約100mg/dL前後に保たれ、HbA1cは過去1〜2か月を反映する。
⑥ 副腎皮質は3層で、球状層=電解質コルチコイド(アルドステロン)、束状層=糖質コルチコイド(コルチゾール)、網状層=副腎アンドロジェン。髄質はカテコールアミンで交感神経様作用。
・ カルシトニンは血中Ca²⁺を下げ、PTHは血中Ca²⁺を上げる。低Ca²⁺でPTH↑、高Ca²⁺でカルシトニン↑。
・ テストステロンはLHで間質細胞から分泌され、FSHはセルトリ細胞に作用して精子形成を促す。排卵前はエストロジェン急増→LHサージ。
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