ホメオスタシス(恒常性)とは、体液量・イオン・pH・浸透圧・温度などの内部環境を一定の範囲に保つはたらきのことです。内部環境は止まっているのではなく、増えたり減ったりしながら正常範囲に収まる「動的な安定」で保たれています。このデッキではフィードバック機構を土台に、血圧・血液量・体液pH・浸透圧・血漿Ca2+・血糖・体温の7つの調節を順に整理します。
| 読み方 | ほめおすたしす(こうじょうせい) |
|---|---|
| 定義 | 体内環境(内部環境)を一定の範囲に保つしくみ。動的な安定 |
| 保たれるもの | 体液量・イオン(Na+・K+・Cl-)・pH・浸透圧・温度 |
| 調節のしくみ | 受容器→中枢神経系→自律神経系・内分泌系・体性神経系→各器官→内部環境が元に戻る(フィードバック機構) |
| 担当する器官 | 肺(酸素を取り込む)・心臓(血液を循環させる)・腎臓(老廃物をろ過する)・肝臓(代謝を助ける)・脳/神経(情報を調整する) |
| 関与する主なホルモン | ADH(バソプレシン)、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系、ANP、PTH、カルシトニン、インスリン、グルカゴン、カテコールアミン |
| 基準値・数値 | 体液pH 7.35〜7.45(中心7.40)、体温36〜37℃(37℃前後をキープ)、血糖の例102mg/dL |
| 国試での狙われ方 | pHの正常範囲、ADH/ANPの作用の向き、PTHとカルシトニンの逆作用、インスリンとグルカゴンの逆作用、体温調節中枢=視床下部 |
ホメオスタシスとは体内環境を一定に保つはたらきです。保たれる代表的な項目は次の5つ。
重要なのは「まったく変化しない」のではなく、体液量・温度・pHは上下しながら正常範囲に収まる=動的な安定だという点です。肺・心臓・腎臓・肝臓・脳/神経がチームワークでバランスを保っています。
ホメオスタシスはフィードバック機構で維持されます。変化を感知して元の状態に戻す流れを、順番で覚えるのが基本です。体温・血糖値・血圧などを一定に保つ仕組みは、すべてこの流れで説明できます。
| 順番 | 担当 | はたらき |
|---|---|---|
| ① | 受容器 | 変化を感知する |
| ② | 中枢神経系(脳) | 情報を統合し指令を決定する |
| ③ | 自律神経系・内分泌系・体性神経系 | 命令を伝達する |
| ④ | 各器官(心臓・肺・胃など) | 器官が反応する |
| ⑤ | 内部環境 | 元の状態に戻る |
血圧は高すぎても低すぎても危険です。高すぎれば血管に強い圧力がかかり続けて脳卒中・心筋梗塞、低すぎれば大切な臓器に血液が届きにくくなり、めまいやショックを起こします。自律神経(交感神経が上げる/副交感神経が下げる)がすばやく調節し、体液量が増えると血圧UP、体液量が減ると血圧DOWNという関係もあります。
血液量そのものは、水分の摂取量と排出量(尿など)のバランス+ホルモンで決まります。
| ホルモン・系 | 作用 | 血液量への影響 |
|---|---|---|
| バソプレシン(ADH) | 水の再吸収を促進 | 増やす |
| レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系 | ナトリウムと水の再吸収を促進 | 増やす |
| ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド) | ナトリウムの排泄と水の排泄を促進 | 減らす |
血液のpHはわずかな変化が命に関わるため、7.35〜7.45(中心7.40)という狭い範囲に保たれます。守る仕組みは3つです。
浸透圧は、変化を視床下部の浸透圧受容器が感知し、下垂体から抗利尿ホルモン(ADH)が分泌され、口渇(水分補給)と腎臓での水再吸収によって安定させます。①浸透圧受容器が変化を感知→②ADHが腎臓に指令→③口渇と水再吸収で水分バランスを維持、という3ステップです。
血漿Ca2+濃度は骨・腎臓・腸で調節されます。副甲状腺ホルモン(PTH)はCa2+を上昇させ、カルシトニンはCa2+を低下させる、という逆向きの一対で覚えます。
血糖はすい臓のホルモンが担当します。インスリンは血糖低下(血液中のブドウ糖を細胞に取り込み、肝臓や筋に蓄える)、グルカゴン・カテコールアミンは血糖上昇(肝臓でグリコーゲンを分解し、血液中にブドウ糖を放出)。血糖値の例として102mg/dLが示されています。
体温は37℃前後をキープします。暑いときは発汗・皮膚血管拡張で熱を逃がし、寒いときは皮膚血管収縮で熱が逃げるのを防ぎ、代謝アップで体の中で熱をつくります。コントロールしているのは体温調節中枢=視床下部です。
| 調節対象 | 上げる(増やす) | 下げる(減らす) | 場所・中枢 |
|---|---|---|---|
| 血漿Ca2+ | 副甲状腺ホルモン(PTH) | カルシトニン | 骨・腎臓・腸 |
| 血糖 | グルカゴン・カテコールアミン | インスリン | すい臓/肝臓・筋肉 |
| 体温 | 皮膚血管収縮・代謝アップ | 発汗・皮膚血管拡張 | 視床下部(体温調節中枢) |