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体液の浸透圧調節のしくみ・体液量とpHの調節と国試ポイントたいえきのしんとうあつちょうせつ

体液の浸透圧調節とは、視床下部が血漿浸透圧の上昇を感知し、下垂体後葉からバソプレシン(ADH)を分泌させて腎臓での水再吸収を高めるしくみです。腎臓は同時に体液量(バソプレシン+RAA系)pH(血液pH 7.40±0.05)も調節しており、国家試験ではこの3つ(浸透圧・体液量・電解質=酸塩基平衡)をセットで問われます。流れを図で覚えると得点源になります。

体液の浸透圧調節|体液の浸透圧調節 1
読み方たいえきのしんとうあつちょうせつ
定義体液(血漿)の浸透圧を一定に保つため、水の摂取と腎臓での水再吸収を調節するしくみ
感知する部位視床下部(浸透圧受容器)/体液量は右心房の心肺部圧受容器・頸動脈洞・大動脈弓
中枢・分泌器官視床下部 → 下垂体後葉(バソプレシン=ADH分泌)
効果器腎臓(集合管での水再吸収↑)
関与するホルモンバソプレシン(ADH)、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)
基準値・数値血液pH 7.40±0.05/尿pH 4.5〜8.0
国試での狙われ方浸透圧↑でADH↑・尿量↓、飲水過剰でADH↓・水利尿。体液量減少ではレニン→アルドステロン→Na⁺再吸収↑・K⁺/H⁺排泄↑

体液の浸透圧調節の流れ(発汗したとき)

発汗で水分が失われると体液が濃縮し、浸透圧が上昇します。これを視床下部が感知し、下垂体後葉からバソプレシン(ADH)が分泌され、腎臓で水の再吸収が高まります。結果として尿量は減少し、尿は濃くなります。同時に口渇が起こり飲水量が増えます。

逆に水を飲みすぎて浸透圧が下がるとADHは減少し、薄い尿が大量に出る「水利尿」が起こります。

状況浸透圧ADH分泌腎の水再吸収尿量・尿の濃さ
発汗・脱水上昇増加増加尿量↓・濃い尿
飲水過剰低下減少減少尿量↑・薄い尿(水利尿)
発汗→浸透圧↑→視床下部→ADH↑→腎で水再吸収↑→尿量↓の流れ
発汗→浸透圧↑→視床下部→ADH↑→腎で水再吸収↑→尿量↓の流れ

体液量の調節(バソプレシンとRAA系)

出血や激しい下痢などで細胞外液量が減少すると、まず右心房の心肺部圧受容器(低圧受容器)が感知します。血圧低下があれば頸動脈洞・大動脈弓も関与します。ルートは2つです。

①バソプレシンによる調節ルート
右心房(心肺部圧受容器)→ 頸動脈洞 → 大動脈弓 → 視床下部 → 下垂体後葉 → 腎臓(集合管)でバソプレシン分泌↑ → 水の再吸収↑(尿量↓)

②レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)ルート
腎臓の糸球体傍細胞(JG細胞)からレニン分泌↑ → アンジオテンシンⅠ→Ⅱ → 副腎皮質からアルドステロン分泌↑ → 集合管でNa⁺再吸収↑(水も追随して再吸収)・K⁺排泄↑・H⁺排泄↑

結果として水分を保持(尿量↓)、Na⁺を保持(再吸収↑)、尿中へのNa⁺・水の排泄↓となり、体液量が回復します。

ルート感知部位分泌されるもの作用部位おもな作用
①バソプレシン右心房の心肺部圧受容器(低圧受容器)、頸動脈洞・大動脈弓バソプレシン(下垂体後葉)腎集合管水の再吸収↑(尿量↓)
②RAA系腎の糸球体傍細胞(JG細胞)レニン→アンジオテンシンⅡ→アルドステロン(副腎皮質)腎集合管Na⁺再吸収↑・水も再吸収↑/K⁺・H⁺排泄↑
体液量減少時の①バソプレシンルートと②RAA系ルート
体液量減少時の①バソプレシンルートと②RAA系ルート

体液のpH調節(酸塩基平衡)

腎臓は体液のpHも調節します。血液pHは7.40±0.05に保たれ、尿pHは4.5〜8.0と大きく変動します。腎尿細管ではH⁺を尿へ分泌・排泄し、HCO₃⁻(重炭酸イオン)を再吸収して血液へ戻すことでpHを一定に保ちます。

補足として、尿中のH⁺はHCO₃⁻・HPO₄²⁻・NH₃によって緩衝されます。

項目数値・内容
血液pH7.40±0.05
尿pH4.5〜8.0
排泄されるものH⁺
再吸収されるものHCO₃⁻
尿中の緩衝物質HCO₃⁻・HPO₄²⁻・NH₃
調節の速さ日単位でゆっくり(腎性調節)
腎尿細管でH⁺を尿へ分泌し、HCO₃⁻を再吸収して血液へ戻す
腎尿細管でH⁺を尿へ分泌し、HCO₃⁻を再吸収して血液へ戻す

腎臓と体液調節のまとめ(3つの柱)

腎臓はpH・浸透圧・体液量の3つを調節する臓器です。国家試験ではこの3本柱で整理して覚えます。

  1. H⁺を捨ててHCO₃⁻を戻す(酸塩基平衡)
  2. ADHで水を守る(水分バランス=浸透圧調節)
  3. アルドステロンでNa⁺と水を守る(電解質バランス=体液量調節)

「浸透圧が上がった → ADH」「体液量が減った → ADH+RAA系」「pHが酸性に傾いた → H⁺排泄・HCO₃⁻再吸収」と、刺激と応答をセットで結び付けておくと選択肢問題に強くなります。

調節対象主役作用
pH(酸塩基平衡)腎尿細管H⁺排泄・HCO₃⁻再吸収
浸透圧(水分バランス)バソプレシン(ADH)集合管で水再吸収↑・尿量↓
体液量(電解質バランス)アルドステロン(RAA系)Na⁺再吸収↑・水も保持/K⁺・H⁺排泄↑
腎臓が調節する3つ:酸塩基平衡・水分バランス・電解質バランス
腎臓が調節する3つ:酸塩基平衡・水分バランス・電解質バランス
国試ポイント
① 血液pHは7.40±0.05、尿pHは4.5〜8.0。数値はそのまま出題される。
② 浸透圧を感知するのは視床下部。バソプレシン(ADH)を分泌するのは下垂体後葉(合成は視床下部)。
③ 浸透圧↑ → ADH↑ → 水再吸収↑ → 尿量↓・濃い尿。飲水過剰では逆にADH↓で水利尿。
④ 細胞外液量の減少を感知するのは右心房の心肺部圧受容器(低圧受容器)。血圧低下では頸動脈洞・大動脈弓も関与。
⑤ レニンを分泌するのは腎臓の糸球体傍細胞(JG細胞)、アルドステロンを分泌するのは副腎皮質。
⑥ アルドステロンはNa⁺再吸収↑(水も追随)・K⁺排泄↑・H⁺排泄↑。Na⁺を「排泄する」は誤りの定番ひっかけ。
・ 腎臓によるpH調節は日単位でゆっくり働く(呼吸性調節より遅い)点が問われる。
📖 体液の浸透圧調節をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習