腎臓は尿をつくり、体液量・電解質・pHを一定に保つ「体内環境の番人」です。構造の基本単位はネフロン(腎小体+尿細管)で、糸球体でろ過し、尿細管で必要なものを再吸収し、不要な老廃物を尿へ捨てます。さらにエリスロポエチン・レニン・活性型ビタミンDを通じて赤血球・血圧・骨も支えます。
| 読み方 | じんぞうのこうぞうとはたらき |
|---|---|
| 定義 | 血液をろ過して尿を生成し、体液量・電解質・酸塩基平衡を調節する泌尿器系の中心臓器 |
| 構造(割面) | 外側から 皮質 → 髄質 → 腎盂(腎盤) |
| 機能の基本単位 | ネフロン=腎小体(糸球体+ボーマン嚢)+尿細管 |
| 尿細管の流れ | 糸球体 → ボーマン嚢 → 近位尿細管 → ヘンレループ → 遠位尿細管 → 集合管 |
| 尿の通り道 | 腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道 |
| 主なはたらき | ①尿をつくる ②体液量の調節 ③電解質(Na⁺・K⁺・Cl⁻・Ca²⁺)の調節 ④老廃物の排泄 ⑤ホルモン産生 |
| 産生・活性化するホルモン | エリスロポエチン(赤血球を増やす)、レニン(血圧を調節)、ビタミンDの活性化(骨・Ca吸収) |
| 国試での狙われ方 | ネフロンの構成と通過順、皮質・髄質・腎盂の位置関係、再吸収される物質と排泄される物質の区別、腎臓由来ホルモンの作用 |
腎臓を縦に切ると、外側から皮質、その内側の髄質、中心にできた尿が集まる腎盂(腎盤)という三層構造が見えます。腎盂に集まった尿は尿管へ送られます。
尿は腎臓 → 尿管 → 膀胱 → 尿道の順に通ります。この順序は国試の頻出事項なので、必ず一本の流れで覚えましょう。
| 部位 | 位置 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 皮質 | 最外層 | 腎小体(糸球体+ボーマン嚢)が集まる |
| 髄質 | 皮質の内側 | 腎錐体・ヘンレループ・集合管 |
| 腎盂(腎盤) | 中心部 | 尿を集めて尿管へ送る |
| 尿管 | 腎臓の下方 | 尿を膀胱へ運ぶ |
| 膀胱 | 骨盤内 | 尿を一時的にためる |
| 尿道 | 膀胱の下 | 尿を体外へ排出する |
腎臓のはたらきを担う最小単位がネフロン(腎単位)です。ネフロンは腎小体と尿細管から成り、腎小体はさらに糸球体と、それを包むボーマン嚢に分けられます。
ろ過された原尿は、次の順で流れながら成分が調整されます。
「腎小体+尿細管=ネフロン」「糸球体→ボーマン嚢→近位→ヘンレ→遠位→集合管」という流れで覚えるのが得点への近道です。
| 構成 | 部位 | はたらき |
|---|---|---|
| 腎小体 | 糸球体 | 血液をろ過して原尿をつくる |
| 腎小体 | ボーマン嚢 | 糸球体を包み原尿を受け取る |
| 尿細管 | 近位尿細管 | グルコース・アミノ酸・水・電解質の再吸収 |
| 尿細管 | ヘンレループ | 髄質を走り、水・電解質を調整 |
| 尿細管 | 遠位尿細管 | 電解質とpHの最終調整 |
| 尿細管以降 | 集合管 | 水の再吸収を経て腎盂へ尿を送る |
腎臓の本質は「不要物質は捨てる・有用物質は再吸収する」という選別です。糸球体でいったん大量にろ過してから、尿細管で体に必要なものだけを回収して血液に戻します。
国試では「グルコースは本来ほぼ全て再吸収される(健常者の尿に糖は出ない)」「尿素は代表的な老廃物」といった対比がよく問われます。
| 区分 | 代表的な物質 | 行き先 |
|---|---|---|
| 排泄(捨てる) | 尿素 | 尿として体外へ |
| 排泄(捨てる) | 尿酸 | 尿として体外へ |
| 排泄(捨てる) | 薬物代謝物 | 尿として体外へ |
| 再吸収(戻す) | グルコース | 血液へ戻す |
| 再吸収(戻す) | アミノ酸 | 血液へ戻す |
| 再吸収(戻す) | 水分 | 血液へ戻す |
| 再吸収(戻す) | 電解質(Na⁺など) | 血液へ戻す |
腎臓は体液の量・組成・酸塩基平衡を一定に保つ中心臓器です。
肺(呼吸)が短時間で二酸化炭素を調節するのに対し、腎臓は時間はかかるが持続的に酸塩基平衡を調節する点が対比として問われます。
| 調節対象 | 腎臓の役割 | 乱れると起こること |
|---|---|---|
| 水分 | 体内水分量をキープ | 脱水・浮腫、血圧の変動 |
| 電解質(Na⁺・K⁺・Cl⁻・Ca²⁺) | 必要量を再吸収し過剰は排泄 | 高/低ナトリウム血症、高カリウム血症など |
| pH(酸・塩基) | 酸塩基のバランスを一定に保つ | アシドーシス・アルカローシス |
腎臓は排泄器官であると同時に内分泌器官でもあります。国試では次の3つが定番です。
| ホルモン・物質 | 腎臓での役割 | 標的・作用 |
|---|---|---|
| エリスロポエチン | 腎臓で産生 | 骨髄に作用し赤血球を増やす |
| レニン | 腎臓で産生・分泌 | 血圧を調節する(昇圧方向) |
| ビタミンD | 腎臓で活性化 | カルシウム吸収を助け骨を守る |
最後に腎臓のはたらきを4つに整理します。
「尿をつくる・体液を整える・老廃物を捨てる・ホルモンも出す」の4本柱で覚えると、腎臓の設問はほぼ拾えます。