食事療法とは、食事内容を調整して病気の治療や予防を行う方法で、多くの疾患で治療の基本・根幹になります。原則はきわめてシンプルで、足りないものは補い、摂りすぎているものは減らすの2方向だけ。国家試験ではこの「補う疾患」と「制限する疾患」の振り分けがそのまま問われます。
| 定義 | 食事内容を調整して病気の治療・予防を行う方法 |
|---|---|
| 位置づけ | 治療の基本・根幹になることが多い |
| 目的① | 不足している熱量・栄養素を補う |
| 目的② | 摂りすぎている栄養素を制限する |
| 目的③ | 生活習慣病を予防・改善する |
| 目的④ | 疾患の早期治療を助ける |
| 補うのが特に重要な病態 | ビタミン欠乏症・鉄欠乏性貧血 |
| 主な適応疾患 | 代謝疾患/肝疾患/腎疾患/心臓・循環器疾患 |
| 一発暗記 | 足りないものは補う、摂りすぎは減らす |
| 国試の狙われ方 | 疾患名と「補う/制限する」栄養素の組み合わせ |
食事療法とは、食事内容を調整することで病気の治療や予防を行う方法です。薬物療法や運動療法と並ぶ治療手段ですが、生活習慣病をはじめとする多くの疾患では治療の基本・根幹に位置づけられ、まず食事から入るのが原則になります。
国試では「食事療法は治療の根幹になる」という表現がそのまま正文として出ます。
食事療法の目的は次の4つに整理されます。①②が栄養素の量的な調整、③④が疾患そのものへの介入という構造で覚えると混乱しません。
特にビタミン欠乏症と鉄欠乏性貧血では、不足している栄養素を補うことが治療の中心になります。この2つは「補う」の代表例として狙われやすい組み合わせです。
| 目的 | 方向 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| ① 熱量・栄養素を補う | 補う | 不足している熱量や栄養素を追加する | ビタミン欠乏症、鉄欠乏性貧血、急性肝炎 |
| ② 栄養素を制限する | 制限 | 摂りすぎている栄養素を減らす | 糖尿病、脂質異常症、腎疾患、心疾患 |
| ③ 生活習慣病の予防・改善 | 両方 | 過剰摂取を控え、バランスを整える | 糖尿病、脂質異常症、高血圧 |
| ④ 疾患の早期治療を助ける | 補助 | 治療効果を高める土台をつくる | 各種疾患全般 |
代謝疾患(糖尿病・脂質異常症)では、過剰な熱量・糖質・脂質の摂取を控えるのが原則です。エネルギー制限を行い、糖質・脂質の過剰摂取を避けることで生活習慣病の予防・改善につなげます。ここは完全に「制限」側です。
一方肝疾患は、同じ肝臓でも病態によって方向が逆転するので要注意です。
「肝疾患=安静・高栄養」と単純暗記すると脂肪肝で失点します。急性肝炎だけが補う側と押さえてください。
| 疾患 | 方向 | 調整する栄養素・内容 |
|---|---|---|
| 糖尿病・脂質異常症 | 制限 | 過剰な熱量・糖質・脂質を控える |
| 急性肝炎 | 補う | 熱量・タンパク質を十分に補う(肝細胞の再生促進) |
| アルコール性肝疾患 | 制限 | 飲酒を控える |
| 脂肪肝 | 制限 | 熱量・脂質を制限する |
腎疾患では、慢性腎臓病(CKD)やネフローゼ症候群などで重症度に応じて栄養制限を行います。主に制限するのは次の3つです。
心臓・循環器疾患では、循環血液量を減らして心臓や循環器への負担を軽くするために、食塩と飲水量を制限します。腎疾患と心疾患は「塩分・水分制限」で共通しますが、タンパク質制限が加わるのは腎疾患という点が両者の識別ポイントです。
| 疾患 | 制限するもの | 目的 |
|---|---|---|
| 慢性腎臓病・ネフローゼ症候群 | タンパク質・塩分・水分 | 重症度に応じた栄養制限で腎負担を軽減 |
| 心臓・循環器疾患 | 食塩・飲水量 | 循環血液量を減らし心臓・循環器の負担を軽減 |
食事療法の本質は「足りないものは補う、摂りすぎは減らす」の一言に尽きます。国試では疾患名と栄養素の組み合わせで問われるため、下の表を左右で対比して覚えるのが最短ルートです。
覚え方としては「糖尿病・脂質異常症=制限、急性肝炎=補う、腎疾患・心疾患=塩分や水分制限」という3ブロックに割ると強いです。
| 区分 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 補う | ビタミン欠乏症・鉄欠乏性貧血 | 不足している栄養素を補給 |
| 補う | 急性肝炎 | 熱量・タンパク質を十分に |
| 制限 | 糖尿病・脂質異常症 | 熱量・糖質・脂質 |
| 制限 | 脂肪肝 | 熱量・脂質 |
| 制限 | アルコール性肝疾患 | 飲酒(禁酒) |
| 制限 | 腎疾患 | タンパク質・塩分・水分 |
| 制限 | 心臓・循環器疾患 | 食塩・飲水量 |