感覚の伝導路とは、皮膚や筋で受け取った刺激が受容器→感覚神経→脊髄後角→脊髄伝導路→視床→大脳皮質体性感覚野という一定の順序で脳へ伝わる経路のことです。感覚路は途中で交叉するため、左側の感覚は右大脳半球、右側の感覚は左大脳半球で認識されます。国試では経路の順序・交叉・体部位局在(ホムンクルス)・デルマトーム・順応・神経線維の分類がまとめて狙われます。
| 読み方 | かんかくのでんどうろとしんけいせんい |
|---|---|
| 定義 | 刺激が受容器から大脳皮質体性感覚野まで一定の順序で伝わる経路 |
| 経路の順序 | ①受容器 →②感覚神経 →③脊髄後角 →④脊髄伝導路 →⑤視床 →⑥大脳皮質体性感覚野 |
| 交叉 | 脊髄後角→前白交連で交叉。左の感覚は右脳、右の感覚は左脳へ |
| 最終の中枢 | 一次体性感覚野(頭頂葉・中心後回) |
| 体部位局在 | 感覚ホムンクルス。手・口・顔の領域が広い(感覚が鋭敏な部位ほど皮質面積が広い) |
| 関与する神経線維 | Aβ=触圧覚・振動覚/Aδ=鋭い痛み・温冷覚/C=鈍い痛み・温冷覚/Ia=筋紡錘/Ib=腱受容器(ゴルジ腱器官) |
| 国試での狙われ方 | 経路の順序、交叉と感覚障害の左右、ホムンクルスで広い部位、デルマトームの目印(C6母指・T4乳頭・T10臍・S1足底)、順応しやすい感覚 |
感覚情報は必ず一定の順序で伝導されます。国試ではこの並び順そのものが問われます。
一発暗記は「受容器→神経→脊髄→視床→感覚野」。感覚は最後に体性感覚野で感じます。
| 段階 | 部位 | はたらき |
|---|---|---|
| ① | 受容器 | 皮膚や筋肉などで刺激を受け取る |
| ② | 感覚神経 | 刺激を電気信号に変えて脳へ伝える |
| ③ | 脊髄後角 | 脊髄で一次的に情報を中継 |
| ④ | 脊髄伝導路 | 脊髄内を上行し脳へ向かう |
| ⑤ | 視床 | 感覚情報を整理・中継 |
| ⑥ | 大脳皮質体性感覚野 | 感覚を認識する |
感覚路は途中で交叉します。左手・左足からの感覚入力は右大脳半球へ、右手・右足からの感覚入力は左大脳半球へ届きます。交叉は脊髄後角→前白交連で起こります。
したがって脳障害では反対側(対側)の感覚障害が出るのが特徴です。
| 障害部位 | 出現する感覚障害 |
|---|---|
| 右脳に障害 | 左半身の感覚障害 |
| 左脳に障害 | 右半身の感覚障害 |
一次体性感覚野は頭頂葉の中心後回にあり、身体からの感覚情報を受け取って「身体のどこに触れたか、どんな感覚か」を認識する場所です。身体部位ごとに担当領域が決まっており、規則的に配列しています。これを体部位局在(感覚ホムンクルス)といいます。
ホムンクルスの配列は上から足・足指/下肢/体幹/上肢/手/指/親指/頸部/眉・目/顔/唇/歯・歯肉・顎/舌/咽頭/内臓の順。感覚が鋭敏な部位ほど脳の皮質面積が広いのが原則です。
各脊髄神経には担当する皮膚領域があり、これを皮膚分節(デルマトーム)といいます。感覚検査で重要で、感覚障害部位から障害髄節を推定できます。
| 髄節 | 代表的な担当部位 |
|---|---|
| C6 | 母指 |
| C7 | 中指 |
| C8 | 小指 |
| T4 | 乳頭 |
| T10 | 臍 |
| S1 | 足底 |
順応とは、同じ刺激を受け続けると感覚が弱くなり、刺激を感じにくくなる現象です。本態は感覚受容器の反応が低下することです。時計をつけても気にならない、衣服の感覚を感じなくなる、メガネをかけても忘れる、などが身近な例です。
感覚の種類によって順応のしやすさが違うのがポイントです。
| 感覚 | 順応 | 経過 |
|---|---|---|
| 触覚 | 順応しやすい | 触れた瞬間は強く感じるが、刺激が続くと徐々に感じにくくなる(慣れる) |
| 痛覚 | 順応しにくい | 刺激を続けても強く感じ続ける(慣れにくい) |
神経線維は有髄線維=速い・太い(跳躍伝導)、無髄線維=遅い・細い(連続伝導)で、太い線維ほど伝導速度が上がります。
一発暗記は「Aβは触る、Aδは刺す、Cはズーンと痛む」。
| 線維 | 担当する感覚/受容器 | イメージ |
|---|---|---|
| Aβ線維 | 触圧覚・振動覚 | 触る |
| Aδ線維 | 鋭い痛み・温覚・冷覚 | 刺す |
| C線維 | 鈍い痛み・温覚・冷覚 | ズーンと痛む |
| Ia線維 | 筋紡錘(筋の伸張を感知) | 伸ばされた量 |
| Ib線維 | 腱受容器=ゴルジ腱器官(筋の張力を感知) | 張力の調節 |