侵害受容線維とは、痛み(侵害刺激)の情報を中枢へ運ぶ求心性神経線維のことで、Aδ線維(Ⅲ群線維)とC線維(Ⅳ群線維)の2種類があります。Aδは有髄で伝導が速く鋭い一次痛、Cは無髄で伝導が遅く鈍い二次痛を伝えます。痛み情報は脊髄後角で二次求心性ニューロンへ中継され、ここは鎮痛(下行性疼痛抑制系)の要でもあるため、鍼灸の鎮痛機序を理解するうえで最重要のポイントです。
| 読み方 | しんがいじゅようせんい |
|---|---|
| 定義 | 侵害刺激(痛み)の情報を末梢から中枢へ伝える一次求心性神経線維 |
| 種類 | Aδ線維(Ⅲ群線維)/C線維(Ⅳ群線維)の2種類 |
| 受容器 | 侵害受容器(皮膚など) |
| 伝導路の流れ | 侵害受容器の刺激 → 一次求心性ニューロン(Aδ・C線維) → 脊髄後角の二次求心性ニューロンへ伝達 |
| 関与する神経伝達物質 | グルタミン酸・サブスタンスP(脊髄後角のシナプスで放出) |
| 脊髄後角の役割 | 痛みを伝える場所であると同時に、痛みを抑える場所(下行性疼痛抑制系が作用) |
| 例外 | 顔面領域の痛みは三叉神経を介し、脊髄後角を通らず脳幹(三叉神経脊髄路核)へ直接伝達される |
| 国試での狙われ方 | Aδ/Cの有髄・無髄と速さ、一次痛・二次痛の対応、脊髄後角での伝達物質、顔面痛の例外ルート |
痛みを伝える一次求心性線維はAδ線維とC線維の2つです。有髄か無髄か、速いか遅いか、一次痛か二次痛かの3点セットで覚えるのが最短ルートです。
| 項目 | Aδ線維(Ⅲ群線維) | C線維(Ⅳ群線維) |
|---|---|---|
| 髄鞘 | 有髄線維 | 無髄線維 |
| 伝導速度 | 速い | 遅い |
| 痛みの性質 | 鋭い痛み(一次痛) | 鈍い痛み(二次痛) |
| 別名(筋の分類) | Ⅲ群線維 | Ⅳ群線維 |
痛覚伝導の基本経路は、スライドの①〜③の順序で覚えます。この順番がそのまま国試の並べ替え・穴埋めになります。
脊髄後角はまさに「痛みの中継地点」です。
一次求心性ニューロンの終末は脊髄後角でシナプスを作り、そこで神経伝達物質を放出します。放出されるのは次の2つです。
これらが二次求心性ニューロンの受容体に受け取られ、痛み情報が次のニューロンへ伝えられます。「脊髄後角=グルタミン酸+サブスタンスP」はそのまま得点源です。
| 部位 | 出来事 | 関与する物質 |
|---|---|---|
| 一次求心性ニューロンの終末 | 神経伝達物質を放出 | グルタミン酸・サブスタンスP |
| 二次求心性ニューロン | 受容体で受け取り、痛み情報を次へ伝える | ― |
脊髄後角には2つの大切な役割があります。鍼灸の鎮痛機序で超重要な考え方です。
鍼灸刺激は下行性疼痛抑制系を活性化すると説明されます。つまり鎮痛の舞台も脊髄後角というわけです。
| 経路 | 向き | 働き |
|---|---|---|
| 痛みを伝える経路 | 末梢→中枢(上行性) | 侵害情報を脳へ送る |
| 痛みを抑える経路 | 脳(中枢)→脊髄後角(下行性) | 下行性疼痛抑制系が痛みの信号をブロック |
ここまでの経路は四肢・体幹の痛みの話です。顔面領域の痛みだけは例外で、脊髄後角を通りません。
| 部位 | 経路 | シナプス形成部位 |
|---|---|---|
| 体の痛み(四肢・体幹) | 脊髄後角を経由して脳へ伝達 | 脊髄後角 |
| 顔面の痛み | 三叉神経を介して脳幹へ直接伝達(脊髄後角を通らない) | 脳幹(三叉神経脊髄路核) |
この6点だけは丸暗記してしまいましょう。
ゴロ合わせ:「Aδは速い痛み、Cは遅い痛み → 脊髄後角でグルタミン酸とサブスタンスP → 顔面は三叉神経」。