歯痛とは歯に感じる痛みのことで、刺激が象牙質に及ぶと痛みが生じます。原因の多くは歯および歯周囲組織の疾患ですが、歯そのものに異常がなくても三叉神経痛や放散痛として歯痛を訴えることがあります。国試では原因疾患の列挙と、自発痛・咬合痛・冷水痛という痛みの誘発パターンが問われます。
| 読み方 | しつう |
|---|---|
| 分類 | 臨床医学総論/主訴・症候(口腔・顔面の疼痛) |
| 定義 | 歯に感じる痛み。刺激が象牙質に及ぶと痛みが生じる |
| 主な原因 | う歯(虫歯)・歯肉炎・歯髄炎・智歯周囲炎・歯槽骨腫瘍など歯と歯周囲組織の疾患 |
| 歯以外の原因 | 三叉神経痛(特発性)、下顎骨骨髄炎・下顎骨腫瘍による三叉神経の圧迫、他部位からの放散痛 |
| 随伴症状 | 自発痛、咬合痛、冷水痛、歯肉の発赤・腫脹、炎症が強ければ発熱 |
| 検査・観察 | う歯の状態、歯肉の発赤・腫脹、体温の確認 |
| 治療 | 消炎鎮痛薬による疼痛対応+歯科での原因治療 |
歯痛とは、歯に感じる痛みのことをいいます。歯の表面はエナメル質で覆われていますが、その内側の象牙質には歯髄からの神経線維が入り込んでおり、う蝕などで刺激が象牙質に及ぶと痛みが生じます。
病態としては、歯そのものの疾患と歯周囲組織の疾患によって起こることが多い一方、歯に異常がなくても三叉神経痛や放散痛として歯痛を感じることがあります。この「歯以外が原因の歯痛」は国試の頻出ポイントです。
歯痛の原因は、大きく歯・歯周囲組織の疾患と、神経性・放散痛によるものに分けて整理します。
また、三叉神経痛は特発性のことがあり、下顎骨骨髄炎や下顎骨腫瘍などによって三叉神経が圧迫されて歯痛として自覚されることもあります。
| 分類 | 原因疾患 | 特徴 |
|---|---|---|
| 歯の疾患 | う歯(虫歯)、歯髄炎 | 冷水痛・咬合痛から自発痛へ進行 |
| 歯周囲組織の疾患 | 歯肉炎、智歯周囲炎 | 歯肉の発赤・腫脹、発熱を伴うことがある |
| 骨・腫瘍性 | 歯槽骨腫瘍、下顎骨腫瘍、下顎骨骨髄炎 | 三叉神経の圧迫による歯痛を生じうる |
| 神経性 | 三叉神経痛(特発性を含む) | 歯に異常がなくても歯痛として自覚 |
| 関連痛 | 放散痛 | 他部位の病変が歯の痛みとして感じられる |
歯の痛みは、その誘発パターンで整理すると鑑別に役立ちます。国試では次の3つが基本です。
随伴症状としては歯肉の発赤・腫脹がみられ、炎症が強い場合は発熱することもあります。発熱を伴う歯痛は、智歯周囲炎や骨髄炎など感染が拡大している可能性を考えるサインです。
まずは歯に異常がないかを確認することが出発点です。視診と問診で以下を観察します。
これらで歯に明らかな異常が見つからない場合は、三叉神経痛や他部位からの放散痛を鑑別に挙げます。鍼灸・あん摩マッサージ指圧の臨床では、原因不明の歯痛や発熱を伴う歯痛は歯科・医科への受診を勧める判断が求められます。
治療は対症療法と原因治療の2本立てで考えます。
鎮痛薬はあくまで一時的な対応であり、う歯や歯周疾患が背景にあれば痛みは再燃します。痛み止め+原因治療がセットである、というのが要点です。