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姿勢の異常
姿勢の異常の分類・原因疾患・観察ポイントを図解でわかりやすく解説しせいのいじょう
姿勢の異常は、脊柱の形態異常・神経系の障害・呼吸や疼痛への代償 など、原因ごとに特徴的なパターンを示します。それぞれの姿勢がどの疾患のサインか をセットで覚えることが、国家試験でもアセスメントでも重要です。
読み方 しせいのいじょう
分類 脊柱の形態異常/神経系の姿勢異常/その他の代償姿勢
脊柱の形態異常 前弯・側弯・亀背(後弯)・円背(後弯)
神経系の姿勢異常 前傾姿勢・マン・ウェルニッケ肢位・除脳硬直・除皮質硬直・後弓反張
代表的原因疾患 筋ジストロフィー・脊椎カリエス・骨粗鬆症・パーキンソン病・脳血管障害・破傷風など
観察の要点 姿勢のパターンから障害部位・重症度・原因疾患を推測する
脊柱の形態異常①:前弯と側弯
脊柱そのものの形が変化するタイプです。まずは前後・左右の弯曲異常を押さえましょう。
前弯(ぜんわん) :腰椎の反りが強い状態。骨盤が前に傾き、腰が強く反る姿勢になる。代表疾患は進行性筋ジストロフィー症(デュシェンヌ型) 。側弯(そくわん) :脊椎が左右に曲がっている状態。代表疾患は特発性脊椎側弯症 ・疼痛性側弯(坐骨神経痛性側弯など) 。肩の高さや肩甲骨の位置、ウエストラインの左右差に注目する。
分類 特徴 代表疾患・観察点
前弯 腰椎の反りが強い/骨盤が前傾 進行性筋ジストロフィー(デュシェンヌ型)
側弯 脊椎が左右に曲がる 特発性脊椎側弯症・疼痛性側弯/肩・肩甲骨・ウエストの左右差
脊柱の形態異常①:前弯(デュシェンヌ型筋ジストロフィー)と側弯
脊柱の形態異常②:亀背と円背(後弯)
背中が丸くなる後弯(こうわん)タイプ。後弯は高齢者に多くみられます。原因や年齢による違いを押さえましょう。
亀背(きはい) :代表疾患は脊椎カリエス 。胸椎の椎体が破壊され、強い後弯(角状後弯)が出現する。円背(えんぱい) :代表疾患は骨粗鬆症 ・くる病 。加齢や骨の弱化により椎体がつぶれて背中が丸くなる。
分類 機序 代表疾患
亀背 胸椎椎体の破壊による強い後弯 脊椎カリエス
円背 加齢・骨の弱化で椎体がつぶれる 骨粗鬆症・くる病
脊柱の形態異常②:亀背(脊椎カリエス)と円背(骨粗鬆症)
神経系の姿勢異常①:前傾姿勢とマン・ウェルニッケ肢位
神経の障害によって、体の動きが制限され特徴的な姿勢がみられます。
前かがみ姿勢(前傾姿勢) :上半身が前にかがみ、頭が前に突出した姿勢。代表疾患はパーキンソン病 。頭部が前に出て、肩が内側に入り、肘・膝が軽く屈曲し、小刻み歩行などを伴う。マン・ウェルニッケ肢位 :肘関節屈曲・回内位、手関節掌屈・内転、膝関節屈曲、足関節内反尖足をとる状態。原因は上位運動ニューロン障害(錐体路障害) 、代表疾患は脳血管障害後遺症 。体の片側または両側にみられる。
姿勢 特徴 原因・代表疾患
前傾姿勢 前かがみ・頭部前突出・小刻み歩行 パーキンソン病
マン・ウェルニッケ肢位 上肢屈曲+下肢伸展(内反尖足) 上位運動ニューロン障害(錐体路障害)/脳血管障害後遺症
神経系の姿勢異常①:前傾姿勢(パーキンソン病)とマン・ウェルニッケ肢位
神経系の姿勢異常②:意識障害時にみられる硬直姿勢
意識障害時にみられる特徴的な姿勢で、重症のサインになることが多く、姿勢のパターンから障害部位を推測できます。
除脳硬直(じょのうこうちょく) :上下肢ともに伸展し、全身が硬直した状態。障害部位は中脳・橋上部の両側性障害 。疾患は橋出血、脳底動脈血栓症、脳腫瘍など。除皮質硬直(じょひしつこうちょく) :上肢は屈曲し、下肢は伸展。内転・内旋した状態で硬直。障害部位は両側大脳半球の広汎な障害 。疾患は大脳出血、重症脳挫傷、低酸素脳症など。後弓反張(こうきゅうはんちょう/弓そり緊張) :頭・躯幹を付いて、四肢を弓なりに反らせた姿勢。疾患は破傷風、髄膜炎、低マグネシウム血症、てんかん重積状態など。強い刺激や音で誘発されやすい。
姿勢 肢位の特徴 障害部位・代表疾患
除脳硬直 上下肢ともに伸展・全身硬直 中脳・橋上部の両側性障害/橋出血・脳腫瘍など
除皮質硬直 上肢屈曲・下肢伸展(内転内旋) 両側大脳半球の広汎な障害/大脳出血・低酸素脳症など
後弓反張 頭と躯幹を支点に体を弓なりに反らす 破傷風・髄膜炎・低マグネシウム血症・てんかん重積など
神経系の姿勢異常②:除脳硬直・除皮質硬直・後弓反張
その他の特徴的な姿勢(代償姿勢)
呼吸や疼痛を楽にするための代償姿勢で、疾患の手がかりになります。
起坐位姿勢(きざい) :呼吸を楽にするために上半身を起こして座る姿勢。疾患はCOPD(慢性閉塞性肺疾患) ・気管支喘息発作時・うっ血性心不全。呼吸困難を軽減するためにみられる。エビ姿勢(えびしせい) :胸膝位で下肢を曲げ、体を反らせて腹部を伸ばす姿勢。疾患は急性腹症(急性膵炎・胆道疾患・消化管穿孔など) ・腹膜刺激症状のあるとき。腹部の痛みを楽にする姿勢。蹲踞姿勢(そんきょしせい) :しゃがみ込んで、かかとをつけた姿勢。疾患はファロー四徴症(先天性心疾患) 。しゃがむと呼吸が楽になるためみられる、酸素を取り込みやすくする代償姿勢。
姿勢 目的・特徴 代表疾患
起坐位姿勢 上半身を起こし呼吸を楽にする COPD・気管支喘息発作・うっ血性心不全
エビ姿勢 腹部を伸ばし腹痛を軽減 急性腹症(膵炎・胆道疾患・消化管穿孔など)
蹲踞姿勢 しゃがみ酸素を取り込みやすくする ファロー四徴症
その他の特徴的な姿勢:起坐位姿勢・エビ姿勢・蹲踞姿勢
国試ポイント
① 脊柱の形態異常=前弯(デュシェンヌ型筋ジス)/側弯(特発性・疼痛性)/亀背(脊椎カリエス)/円背(骨粗鬆症・くる病)をセットで覚える。
② 前傾姿勢=パーキンソン病、マン・ウェルニッケ肢位=上位運動ニューロン障害(錐体路障害)・脳血管障害後遺症。
③ 除脳硬直は中脳・橋上部の両側性障害(上下肢とも伸展)、除皮質硬直は両側大脳半球の広汎障害(上肢屈曲・下肢伸展)で区別する。
④ 後弓反張は破傷風・髄膜炎などでみられ、体を弓なりに反らせる。強い刺激や音で誘発されやすい。
⑤ 起坐位姿勢=呼吸困難(COPD・喘息・心不全)、エビ姿勢=急性腹症、蹲踞姿勢=ファロー四徴症。
⑥ 姿勢のパターンから障害部位・原因疾患・重症度を推測できるのが臨床・国試の要点。
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