性感染症(STD/STI)は、性行為やオーラル・アナルセックス、母子感染などを介してうつる感染症の総称です。代表は梅毒・性器クラミジア・淋病・HIV/エイズで、無症状のまま感染を広げやすいのが共通の特徴。早期発見・早期治療・予防(コンドーム・パートナー同時治療)が何より重要です。
| 読み方 | せいかんせんしょう(性感染症/STD・STI) |
|---|---|
| 分類 | 性的接触で感染する感染症の総称 |
| 主な病原体 | 梅毒トレポネーマ・クラミジア・トラコマチス・淋菌・HIV など |
| 感染経路 | 性行為・オーラル/アナルセックス・母子感染・血液感染 |
| 主な症状 | 排尿痛・異常な分泌物(膿性/白色)・潰瘍・リンパ節腫脹(無症状も多い) |
| 検査・診断 | 血液検査(抗原・抗体)・遺伝子検査(PCR)・分泌物/尿検査 |
| 治療 | 細菌性は抗菌薬/HIVは抗HIV薬(ART) |
| 予防 | コンドームの正しい使用・定期検査・パートナー同時治療 |
性感染症(STD:Sexually Transmitted Disease、STIとも)は、性行為やそれに類する接触を介して病原体がうつる感染症の総称です。細菌・ウイルス・原虫などさまざまな病原体が原因となり、代表的なものに梅毒・性器クラミジア・淋病・HIV(エイズ)があります。
梅毒は梅毒トレポネーマという細菌による性感染症。皮膚や粘膜の小さな傷から侵入し、血液を通って全身へ広がります。第1期→第2期→第3期→第4期と段階的に進行するのが特徴。
感染経路は性行為・オーラルセックス・母子感染。妊婦が感染すると胎児に感染し先天性梅毒を起こすことがあります。診断は血液検査(ワッセルマン反応・TPHA法・FTA-ABS法)で行い、治療はペニシリン系抗菌薬が第一選択。早期治療で予後は良好です。
| 病期 | 時期の目安 | 主な症状 |
|---|---|---|
| 第1期 | 感染後約3週間 | 硬性下疳(硬く痛みの少ない潰瘍)、鼠径リンパ節の腫れ |
| 第2期 | 約3か月後 | バラ疹(手のひら・足の裏にも出る)、発熱・倦怠感・関節痛、全身リンパ節腫脹、扁平コンジローマ、脱毛 |
| 第3期 | 3〜10年後 | ゴム腫、皮膚や骨の病変、粘膜病変 |
| 第4期 | 10年以上後 | 心血管梅毒、神経梅毒、脊髄癆、進行麻痺 |
原因菌はクラミジア・トラコマチス(細胞内で増殖する細菌)。尿道・子宮頸管・咽頭・直腸などの粘膜に感染し、日本で最も多い性感染症です。症状が軽く無症状も多いため気づかず広げやすいのが特徴。
診断はPCR検査(遺伝子検査)が広く用いられ、尿検査・分泌物検査も行う。治療はマクロライド系(アジスロマイシン)・テトラサイクリン系(ドキシサイクリン)抗菌薬。
原因菌は淋菌(Neisseria gonorrhoeae)。尿道・子宮頸管・咽頭・直腸・結膜などの粘膜に感染し、感染力が強く早期治療が重要。
診断は分泌物検査(顕微鏡・培養)・培養検査・遺伝子検査(PCR)・尿検査。治療はセフェム系・ニューキノロン系抗菌薬。近年薬剤耐性淋菌が問題で、自己判断の中断は耐性化の原因になる。
| 淋病 | 性器クラミジア | |
|---|---|---|
| 分泌物 | 黄色〜黄緑の膿性・多量 | 透明〜白色・少量 |
| 排尿痛 | 強い | 軽い〜無症状が多い |
| 主な抗菌薬 | セフェム系・ニューキノロン系 | マクロライド系・テトラサイクリン系 |
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染して起こる後天性免疫不全症候群がエイズ。HIVは免疫の司令塔であるCD4陽性Tリンパ球を破壊し、免疫機能が低下してさまざまな日和見感染や悪性腫瘍を起こしやすくなります。
主な感染経路は①性交渉 ②血液感染 ③母子感染。感染後は数年〜10年以上かけて段階的に進行します。
診断はHIV抗体検査(スクリーニング)・抗原検査・PCR検査、CD4陽性Tリンパ球数の測定。治療は抗HIV薬(ART:抗レトロウイルス療法)(逆転写酵素阻害薬・プロテアーゼ阻害薬・インテグラーゼ阻害薬などを併用)。継続治療でウイルス量を抑え発症予防・長期の生命予後が可能。
性感染症は病原体を特定するためにさまざまな検査を行い、原因に応じた治療をします。共通して早期発見・早期治療・正しい予防がカギです。