視力とは、物体の形や細部を identify(識別)する眼の能力のことで、眼の診察の第一歩として必ず評価されます。検査は視力表を用いるのが基本ですが、ベッドサイドでは30〜40cm離して新聞や名刺を読ませる/指の本数を答えさせるといった簡易検査でも代用できます。国家試験では「視力低下=屈折異常だけではない」——眼球そのものの病変や視神経・視中枢の障害でも低下する、という点が繰り返し問われます。
| 読み方 | しりょく(Visual Acuity) |
|---|---|
| 分類 | 眼の診察(視機能検査)/臨床医学総論・診察法 |
| 目的・意義 | 視機能の評価。屈折異常・眼球病変・視神経/視中枢障害のスクリーニング |
| 検査方法 | 視力表を用いる(標準) |
| 簡易検査 | 30〜40cm離れて新聞や名刺を読ませる/検者の指の本数を答えさせる |
| 視力低下の原因(3分類) | ①屈折異常(近視・遠視・乱視)②眼球の病変(白内障・緑内障・網膜出血・網膜剥離)③中枢神経の病変(視神経障害・視中枢障害) |
| 関連する診察 | 視野検査・眼球運動検査・瞳孔所見・眼底所見 |
| 国試キーワード | 視力低下は全身のサイン/視神経・視中枢障害でも低下する |
視力の評価は視力表を用いるのが標準です。しかし在宅や施術所など視力表がない場面では、以下の簡易検査で大まかな視機能を確認できます。
いずれも片眼ずつ行うのが原則で、左右差の有無が病変の局在を推測する手がかりになります。
| 方法 | 内容 | わかること |
|---|---|---|
| 視力表 | 規定距離から視標を読ませる | 標準的な視力値の測定 |
| 新聞・名刺 | 30〜40cm離して読ませる | 近見での識別能(簡易) |
| 指の本数 | 検者の指を提示し本数を答えさせる | 高度視力低下(指数弁)の判定 |
| 片眼ずつ | 一方を遮蔽して左右別々に | 左右差=一側性病変の示唆 |
国家試験で最重要なのは視力低下の原因分類です。「視力が落ちた=メガネの度が合っていない」ではありません。屈折異常・眼球の病変・中枢神経の病変の3群に整理しましょう。
つまり「見え方の異常は全身のサイン」であり、視力低下を単なる眼の問題として片づけないことが臨床的意義です。
| 分類 | 代表的な原因 | ポイント |
|---|---|---|
| 屈折異常 | 近視・遠視・乱視 | 矯正で改善する(矯正視力は保たれる) |
| 眼球の病変 | 白内障・緑内障・網膜出血・網膜剥離 | 眼球そのものの器質的異常 |
| 中枢神経の病変 | 視神経障害・視中枢障害 | 矯正では改善しない。神経学的評価が必要 |
視力が保たれていても視野が欠けていれば、視覚伝導路のどこかに障害があります。視力検査と視野検査を組み合わせることで障害部位の局在診断ができるため、国試でも一緒に問われます。
視野検査は「患者と向かい合う→片眼を閉じる→指を周辺から中央へ移動→見え始める位置を確認」という対座法の手順で行います。
| 障害部位 | 視野の異常 | 代表疾患・特徴 |
|---|---|---|
| 視神経 | 単側盲 | 網膜障害・視神経炎など片眼性 |
| 視交叉 | 両耳側半盲 | 下垂体腫瘍が典型 |
| 視索 | 同名半盲 | 対側の同じ側が見えない |
| 視放線 | 同名半盲・同側四分の一欠損 | 部分障害で四分盲となる |
視力低下の原因が眼球内や全身にある場合、眼底所見が決め手になります。眼底は血管を直接観察できる唯一の部位で、「全身の窓」と呼ばれます。
黄斑は視力の中心部を担うため、黄斑の浮腫・出血は直接的な視力低下につながります。また高血圧・糖尿病・腎疾患・神経疾患では特徴的な眼底所見が現れます。
| 疾患 | 主な眼底所見 |
|---|---|
| 高血圧 | 動脈硬化・狭窄・出血・乳頭浮腫 |
| 糖尿病 | 網膜出血・硬性白斑・毛細血管瘤・黄斑浮腫 |
| 腎疾患 | 高血圧に伴う網膜症・乳頭浮腫 |
| 神経疾患(頭蓋内圧亢進) | 視神経萎縮・乳頭浮腫 |
視力は眼の診察の入口であり、実際の臨床では視野・瞳孔・眼球運動・眼瞼・結膜・眼底を一連で評価します。国試ではこれらの「症状と疾患のつながり」が繰り返し出題されます。