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心臓のしくみ・刺激伝導系・心周期と国試ポイントしんぞう

心臓は右側で肺へ、左側で全身へ血液を送る二重ポンプです。心筋は横紋筋でありながら不随意筋で、自動能ギャップ結合により機能的合胞体として一体で収縮します。国試では刺激伝導系の順序心周期の弁の開閉心拍出量=1回拍出量×心拍数心電図の各波の意味が繰り返し問われます。

心臓|心臓 1
読み方しんぞう
定義血液を全身と肺へ送り出すポンプ器官。右心系=肺循環、左心系=体循環の二重ポンプ
心筋の性質横紋筋だが不随意筋。自動能・ギャップ結合・機能的合胞体・ミトコンドリアが非常に多い
ペースメーカー洞房結節(右心房上部)。1分間に約60〜100回の電気刺激を自動発生
刺激伝導系洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維
心周期等容性収縮期(約0.05秒)→駆出期(約0.25秒)→等容性弛緩期(約0.05秒)→充満期(約0.45秒)=全体約0.8秒
基準値・数値1回拍出量 約70〜80mL、心拍数 約60〜90回/分、心拍出量 約5L/分(激しい運動時 約20〜25L/分)
国試での狙われ方刺激伝導系の順序、房室結節の約0.1秒の遅延、第Ⅰ・Ⅱ心音と弁、心電図P・QRS・T波、スターリングの心臓の法則

心臓の構造と血液の流れ(二重ポンプ)

心臓は4つの部屋(右心房・右心室・左心房・左心室)からなり、右側は肺へ(肺循環)、左側は全身へ(体循環)血液を送る二重ポンプです。血液は次の順に流れます。

逆流を防ぐため4つの弁が一方向にだけ開きます。

弁の名称位置分類
三尖弁右心房と右心室の間房室弁
僧帽弁左心房と左心室の間房室弁
肺動脈弁右心室と肺動脈の間動脈弁
大動脈弁左心室と大動脈の間動脈弁
心臓の構造と血液の流れ・4つの弁
心臓の構造と血液の流れ・4つの弁

心筋の特徴(横紋筋だが不随意筋)

心筋は骨格筋・平滑筋のどちらとも違う独自の性質を持ちます。

種類骨格筋平滑筋心筋
腕・脚胃・腸・血管心臓
随意性自分の意思で動かせる自分では動かせない不随意(自動で動く)
横紋ありなしあり(横紋筋+不随意筋)
心筋の6つの特徴
心筋の6つの特徴

刺激伝導系(ペースメーカー)

刺激は 洞房結節 → 房室結節 → ヒス束 → 右脚・左脚 → プルキンエ線維 の順に伝わります。この順序は国試頻出です。

部位伝導の速さ・時間
心房内の伝導やや遅い(約0.3〜1.0m/秒)
房室結節での遅れ約0.1秒の遅れ(重要)
ヒス束〜プルキンエ線維速い(約2〜4m/秒)
刺激伝導系の順序と伝導速度
刺激伝導系の順序と伝導速度

心周期(4つの時期と弁の開閉)

心臓は「収縮して送り出す」→「ゆるんでためる」を繰り返します。心拍数75回/分の場合、心周期全体は約0.8秒です。

時期動脈弁房室弁おこること時間の目安
①等容性収縮期閉じる閉じる心室内の圧力だけが急上昇(容積一定)約0.05秒
②駆出期開く閉じている血液が大動脈・肺動脈へ流れ出す約0.25秒
③等容性弛緩期閉じる閉じている心室内の圧力だけが急降下(容積一定)約0.05秒
④充満期閉じている開く心房から心室へ血液が流入し血液量が増加約0.45秒
心周期4期と心室内圧・大動脈圧の変化
心周期4期と心室内圧・大動脈圧の変化

心音と心拍出量

心音は弁が閉じるときに発生する音です。第Ⅰ心音・第Ⅱ心音の区別が問われます。

心拍出量は1分間に心臓から送り出される血液量で、心拍出量(L/分)=1回拍出量(mL/回)×心拍数(回/分)。例:70mL/回×70回/分=4900mL/分=約5L/分

状態安静時軽い運動激しい運動
心拍数(回/分)60〜90100〜140150〜200以上
1回拍出量(mL/回)約70〜80約100〜120約120〜150
心拍出量(L/分)約5約10〜15約20〜25
第Ⅰ・Ⅱ心音と心拍出量の計算
第Ⅰ・Ⅱ心音と心拍出量の計算

心電図(ECG)の波形と正常値

心筋の「興奮→収縮→回復」による電気の変化を体表から記録したグラフが心電図です。主にP波・QRS波・T波の3つで表されます。

項目正常値
P波の幅0.08〜0.12秒
QRS時間0.06〜0.10秒
P-Q間隔0.12〜0.20秒
Q-T間隔0.36〜0.44秒
心拍数(安静時)60〜100回/分
心電図の基本波形と正常時間
心電図の基本波形と正常時間
国試ポイント
① 刺激伝導系の順序は「洞房結節→房室結節→ヒス束→右脚・左脚→プルキンエ線維」。ペースメーカーは洞房結節(右心房上部・約60〜100回/分)。
② 房室結節は刺激を約0.1秒遅らせる。これが心房→心室の順序を守るカギ。伝導速度は心房内0.3〜1.0m/秒、ヒス束〜プルキンエ線維2〜4m/秒。
③ 心周期は全体約0.8秒(心拍数75回/分)。収縮期約0.3秒・拡張期約0.5秒。等容性収縮期と等容性弛緩期は全弁閉鎖で容積一定。
④ 第Ⅰ心音=房室弁(三尖弁・僧帽弁)が閉じる音で収縮期の始まり、第Ⅱ心音=動脈弁(肺動脈弁・大動脈弁)が閉じる音で拡張期の始まり。逆にする引っかけに注意。
⑤ 心拍出量=1回拍出量×心拍数。安静時は約70mL×70回/分=約5L/分、激しい運動時は約20〜25L/分まで増加する。
⑥ 心電図はP波=心房の興奮、QRS波=心室の興奮、T波=心室の回復(再分極)。心房の再分極波は現れない点に注意。
・ 心筋は横紋筋だが不随意筋。ギャップ結合による機能的合胞体で一体収縮し、伸ばされるほど強く収縮する(スターリングの心臓の法則)。
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