アフロの手アフロの手

血液の組成・6大機能としくみの国試ポイントけつえき

血液は体内を流れる液体組織で、酸素・栄養・ホルモン・老廃物を全身へ運びます。成人では体重の約8%を占め、体重60kgの人なら約4.5〜5L血漿(約55〜60%)血球(約40〜45%)で構成され、運搬・老廃物回収・pH調節・体温調節・免疫・止血という6大機能を担います。

血液|血液 1
読み方けつえき
定義体内を流れる液体組織。酸素・栄養・ホルモン・老廃物などを全身へ運ぶ
血液量成人で体重の約8%(体重60kgなら約4.5〜5L)
組成血漿(液体成分)約55〜60% / 血球(細胞成分)約40〜45%
主な血漿タンパクアルブミン(最多・浸透圧維持)、グロブリン(免疫・抗体)、フィブリノゲン(凝固)
血球の種類赤血球(酸素運搬)、白血球(免疫)、血小板(止血)
pH7.35〜7.45の弱アルカリ性
6大機能物質の運搬・老廃物の回収・pH調節・体温調節・免疫・止血作用
国試での狙われ方血漿/血球の割合、pHの基準値、アシドーシス・アルカローシス、止血3ステップの順序、白血球の種類と働き

血液の組成 ― 血漿と血球

血液は血漿(けっしょう)=液体部分血球(けっきゅう)=細胞成分に分かれます。血漿は血液全体の約55〜60%を占める淡黄色の液体で、約90%は水。残りにタンパク質・電解質・栄養素・老廃物・ホルモンなどが含まれます。

血球は血液全体の約40〜45%。赤血球は最も数が多く、核を持たずヘモグロビンを含み赤色をしています。

成分主な役割
赤血球酸素運搬(肺→全身)。二酸化炭素運搬・pH調節にも関与
白血球免疫。細菌・ウイルス・異物を攻撃/排除
血小板止血。血管が傷つくと集まり血栓を作る(非常に小さい細胞片)
アルブミン浸透圧維持
フィブリノゲン凝固
血液の組成と6大機能(血漿55〜60%・血球40〜45%)
血液の組成と6大機能(血漿55〜60%・血球40〜45%)

血液の6大機能

血液の働きは「うん・はい・ねつ・めん・しけつ」(運搬・pH調節・熱調節・免疫・止血)で覚えます。ここに老廃物回収を加えた6つが柱です。

機能内容
①物質の運搬酸素(肺→全身)、栄養素(消化管→細胞)、ホルモン(内分泌腺→組織)を運ぶ
②老廃物の回収CO₂・尿素・老廃物を回収し、肺・腎臓・肝臓へ運んで排泄する
③pH調節pH7.35〜7.45の弱アルカリ性を維持。重炭酸イオンやヘモグロビンの緩衝作用
④体温調節血液が熱を運ぶ。運動・発熱時は血流を増やし熱を逃がし、寒い時は皮膚血管を収縮
⑤免疫白血球や抗体が細菌・ウイルス・異物を排除。炎症反応も免疫の一部
⑥止血作用①血管収縮→②血小板凝集→③血液凝固で出血を止める

老廃物の回収と排泄

細胞の代謝で生じた老廃物を血液が回収し、肺・腎臓・肝臓へ運んで体外へ排泄します。CO₂の血液中での運ばれ方の割合は頻出です。

臓器役割
血液中のCO₂を排出(肺胞で空気中へ移動し呼気として排出)
腎臓血液をろ過して老廃物を除去。尿素・水分・電解質を尿として排泄。体液量・電解質バランスを調節
肝臓老廃物や毒物を分解・無毒化。アンモニアを尿素に変換。薬物・アルコールの分解。ビリルビンの処理(胆汁へ排泄)
老廃物の回収と肺・腎臓・肝臓の役割
老廃物の回収と肺・腎臓・肝臓の役割

血液のpH調節

血液はpH 7.35〜7.45の弱アルカリ性に保たれます。pH7.35未満=アシドーシスpH7.45超=アルカローシスです。調節因子は「さん・はい・じん・はこ・じん」=重炭酸イオン・ヘモグロビン・肺(速い)・腎臓(ゆっくり)の4つ。

状態pH主な原因主な症状の例
アシドーシスpH 7.35未満CO₂の蓄積(換気不足)、酸の増加、腎機能低下、下痢で重炭酸イオンを失う、糖尿病頭痛、眠気、呼吸促迫、意識障害
正常pH 7.35〜7.45うまく調節されている状態特に症状なし
アルカローシスpH 7.45超CO₂の減少(過呼吸)、嘔吐による胃酸の喪失、利尿薬などの電解質異常しびれ、めまい、筋けいれん、手足のこわばり
血液pHの正常範囲と4つの調節機構
血液pHの正常範囲と4つの調節機構

体温調節

正常な体温は約36.0〜37.0℃。司令塔は視床下部で、体温を24時間監視し自律神経を介して指令を出します。体温変化→視床下部が感知→指令→血管・汗腺・筋肉が反応→約36〜37℃に安定、という流れです。

場面体の反応
体温が上がったとき(運動時・発熱時)皮膚の血管が拡張して熱を体表へ運ぶ/発汗し蒸発時に熱を奪う/呼吸・心拍が増える(=熱を外へ逃がす)
体温が下がったとき(寒いとき)皮膚血管が収縮して熱を逃がさない/筋肉をふるわせて熱を作る(ふるえ)/立毛筋が収縮して空気の層を作る
異常体温上昇=熱中症・高体温(脱水・意識障害)/体温低下=低体温症(ふるえ・意識低下)
体温調節のしくみ(司令塔は視床下部)
体温調節のしくみ(司令塔は視床下部)

免疫 ― 白血球と抗体

免疫は細菌・ウイルス・異物・がん化した細胞を見つけて排除するしくみ。抗体(免疫グロブリン)はBリンパ球が形質細胞に分化してつくるタンパク質で、毒素の無力化・凝集や中和・オプソニン化(白血球が攻撃しやすくする)を行います。覚え方は「好・リン・単・抗・炎」

白血球の種類主な働き
好中球最も数が多い白血球。細菌を食べて処理する(貪食)
リンパ球B細胞=抗体をつくる/T細胞=感染細胞を攻撃/NK細胞=ウイルス感染細胞・がん細胞を攻撃
単球(マクロファージ)異物を食べて処理し、他の免疫細胞に情報を伝える(抗原提示)
好酸球寄生虫を攻撃、アレルギー反応に関与
好塩基球アレルギー反応に関与。ヒスタミンなどの化学物質を放出
白血球の種類と免疫の流れ・自然免疫と獲得免疫
白血球の種類と免疫の流れ・自然免疫と獲得免疫

止血作用の3ステップ

出血すると①血管収縮(すぐに起こる)→②血小板凝集(数秒〜数分)→③血液凝固(数分〜数十分)の順で止血します。覚え方は「しゅう(収縮)・しょ(小板)・ぎょう(凝固)」

成分役割
血管収縮して出血量を減らす
血小板傷口に集まりふた(血小板血栓)を作る
凝固因子血液凝固を進める
フィブリノゲンフィブリンの材料になる
フィブリン網目を作って血栓を強くする
血小板減少小さな傷でも出血しやすい・あざ・鼻血が止まりにくい・歯ぐきからの出血
凝固異常血友病(先天性)、肝機能低下、ビタミンKの不足、ワルファリンなどの薬剤
止血の3ステップと関わる成分
止血の3ステップと関わる成分
国試ポイント
① 血液量は体重の約8%(60kgなら約4.5〜5L)。血漿55〜60%・血球40〜45%の割合は頻出。
② 血漿タンパクはアルブミン(最多・浸透圧維持、減ると浮腫)・グロブリン(免疫)・フィブリノゲン(凝固)の3本柱。
③ 血液のpHは7.35〜7.45の弱アルカリ性。7.35未満=アシドーシス、7.45超=アルカローシス。過呼吸はCO₂減少でアルカローシス。
④ CO₂の運搬は重炭酸イオン約70%・ヘモグロビン結合約20%・溶存約10%。
⑤ pH調節は重炭酸イオン・ヘモグロビン・肺(速い)・腎臓(ゆっくり)の4つ。肺が速く腎臓が遅い点が引っかけ。
⑥ 体温の司令塔は視床下部。正常は約36.0〜37.0℃。寒いときは血管収縮+ふるえ+立毛。
・ 止血は血管収縮→血小板凝集→血液凝固の順。フィブリノゲン(可溶性)→フィブリン(不溶性)への変化を押さえる。
・ 自然免疫は記憶が残らず、獲得免疫は免疫記憶が残る。抗体はBリンパ球由来の形質細胞がつくる。
📖 血液をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習