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診察とは?医療面接・身体診察・臨床検査の流れと国試ポイントしんさつ

診察とは、患者の異常を把握し、適切な治療へつなげるための医療行為です。医療面接(問診)→身体診察→臨床検査の順に情報を集め、それらを総合判断して診断を下し、はじめて治療へ進みます。国試では「自覚症状と他覚所見の違い」「視診・触診・打診・聴診の内容」「鑑別診断の意味」が繰り返し問われます。

診察|診察 1
読み方しんさつ
分野臨床医学総論(診察法)
定義患者の異常を把握し、適切な治療へつなげる医療行為
3つの目的①病気を見つける ②重症度を判断する ③治療方針を決める
診察の流れ①医療面接(問診)→②身体診察→③臨床検査
身体診察の4基本視診・触診・打診・聴診
得られる情報自覚症状(患者本人が感じる)/他覚所見(医療者が確認できる)
診察後の流れ診察(情報収集)→診断(総合判断)→治療
最重要事項患者との信頼関係/鑑別診断による原因の絞り込み
記録カルテ(診療録)に正確に記載し情報共有・経過比較に用いる

診察の目的と全体の流れ

診察は「病気を見つける」ためだけの行為ではありません。重症度・緊急度の判断治療方針の決定までを含む一連の医療行為です。

そして情報収集の順序は医療面接(問診)→身体診察→臨床検査。集めた情報を総合判断=診断し、その後に治療を行います。「診察=診断」ではない点に注意してください。

段階内容具体例
①診察(情報収集)医療面接・身体診察・臨床検査症状/発症時期/持病・服薬/家族歴、視診・触診・打診・聴診、血液検査・尿検査・X線・CT・MRI・心電図
②診断(総合判断)集めた情報を総合的に分析し病気の種類や状態を判断鑑別診断で最も可能性の高い疾患を決定
③治療診断結果に基づき最適な治療法を選択して実施薬物療法・手術療法・放射線療法・リハビリテーション
診察→診断→治療の流れ。正確な診察が正しい診断と適切な治療につながる
診察→診断→治療の流れ。正確な診察が正しい診断と適切な治療につながる

医療面接(問診)— 診断の第一歩

医療面接は患者の自覚症状や病歴を聞き取るステップで、診断の方向性を決める第一歩です。同時に信頼関係(ラポール)を作る場でもあります。

例えば「腹痛」の一言でも、いつから・どこが・食後に悪化するか・発熱や吐き気があるかを聞き分けることで考えられる病気は大きく変わります。

医療者に求められる姿勢は、丁寧に聞く/否定しない/話をさえぎらない/プライバシーに配慮する/分かりやすく説明する/共感の気持ちを持つの6点です。

医療面接(問診)で確認する項目と、信頼関係づくりの重要性
医療面接(問診)で確認する項目と、信頼関係づくりの重要性

身体診察 — 視診・触診・打診・聴診

身体診察は、患者の訴える自覚症状に対して医療者が体を直接確認し、他覚所見を見つける診察方法です。国試では4つの手技と内容の組み合わせが頻出です。

手技方法主に分かること(例)
視診(ししん)目で見て外観の異常を確認顔色、発赤・湿疹、腫れ・変形、皮膚の色つや、姿勢・体型、歩き方・動き方
触診(しょくしん)手で触れて状態や感触を確認熱感、しこり・腫れ、圧痛、筋肉の硬さ、関節の動き・可動域、臓器の大きさや位置
打診(だしん)体を軽くたたき音の変化を確認肺に空気が入っているか、胸水・腹水の有無、臓器の大きさや位置、腸内のガス
聴診(ちょうしん)聴診器で体の音を聞く心音、呼吸音、腸音、血管の雑音
身体診察の4手技と、そこから分かること(炎症・腫れ・呼吸循環・神経筋・内臓)
身体診察の4手技と、そこから分かること(炎症・腫れ・呼吸循環・神経筋・内臓)

自覚症状と他覚所見の違い

診断には患者が「感じていること」医療者が「確認できること」の両方が必要です。どちらか一方だけでは不十分、という点が引っかけになります。

比較項目自覚症状他覚所見
定義患者本人が感じている症状医療者が診察や検査で確認できる異常
得られ方患者の話を聞いて得る(本人の訴え)診察・検査で客観的に確認する
痛み、めまい、吐き気、だるさ、息苦しさ、しびれ、食欲不振、不安感発熱、発疹、腫れ、出血、麻痺、血圧異常、心雑音、呼吸音の異常、血液・画像検査の異常
特徴主観的で変化しやすい客観的で再現性がある
役割病気のきっかけを知る手がかり病気の確定や重症度の判断に役立つ
自覚症状と他覚所見は診断に欠かせない両輪
自覚症状と他覚所見は診断に欠かせない両輪

臨床検査の役割と鑑別診断

臨床検査は医療面接や身体診察だけでは分からない情報を補い、診断精度を高める手段です。目的は①病気を見つける ②重症度を判断する ③治療効果を確認する ④経過観察の4つ。

ただし検査だけで病気は決められません。数値異常があっても病気でないことや、初期には異常が出ないこともあります。

そこで重要なのが鑑別診断=似た症状を示す複数の病気を比較し、最も可能性の高い疾患を判断するプロセスです。例えば「腹痛」なら胃炎・胃潰瘍(みぞおちの痛み・食後悪化)、虫垂炎(右下腹部痛・発熱)、胆石症・胆のう炎(右上腹部痛・食後悪化)、腸閉塞(腹部膨満・嘔吐・排便排ガス停止)、尿路結石(わき腹の痛み・血尿)などを比較します。鑑別診断は見逃しを防ぎ、不必要な検査や治療を減らす意義があります。

鑑別診断は症状の特徴・随伴症状・身体診察・臨床検査・経過を総合して絞り込む
鑑別診断は症状の特徴・随伴症状・身体診察・臨床検査・経過を総合して絞り込む

診察時の心構えとカルテ(記録)

診察は医療者が一方的に判断する場ではなく、患者と協力して原因を探し治療を進める場です。求められるのは親切・誠実・丁寧・プライバシーへの配慮の4点。

さらに、得られた情報はカルテ(診療録)に正確に記録します。カルテは①情報共有②医療安全(薬の重複・アレルギー・副作用歴の確認)③経過の比較・評価④法的な証拠、という4つの役割を持ちます。記録は事実を正確に、推測は書かない/略語・記号は正しく/日時と氏名を残す/修正は消さずに訂正・追記がルールです。

カルテの意義と正確な記録のポイント
カルテの意義と正確な記録のポイント

治療法の種類(診察の到達点)

診察・診断の目的は最終的に最も適した治療法を選ぶことにあります。治療の目的は①原因を取り除く ②症状を和らげる ③機能回復 ④再発予防の4つです。

治療法内容特徴
薬物療法薬で病気を治療(抗菌薬・解熱鎮痛薬・降圧薬・抗がん剤など)手術せずに治療可能/全身へ作用/副作用に注意
手術療法手術で病気の原因を取り除く(虫垂炎・胃癌・骨折など)根本治療になることが多い/即効性/出血・感染のリスク
放射線療法放射線でがん細胞を破壊(肺癌・乳癌・脳腫瘍など)手術せず治療可能/周囲組織への影響に注意
リハビリテーション療法歩行訓練・関節運動・筋力訓練・言語訓練など動作改善と社会復帰を支援/長期継続/チームで実施
栄養療法糖尿病食・高血圧食・経管栄養・低栄養サポート体の回復や症状改善に重要/栄養状態の改善に役立つ
鍼灸療法(東洋医学)鍼やお灸で自然治癒力を高める(慢性痛・肩こり・腰痛・冷え性など)副作用が少ない/痛みや不調の緩和に有効/体質改善・予防にも
主な治療法の種類と特徴。複数を組み合わせることも多い
主な治療法の種類と特徴。複数を組み合わせることも多い
国試ポイント
① 診察の流れは【医療面接(問診)→身体診察→臨床検査】。この順序と、その後に「診断→治療」と続くことをセットで覚える。
② 身体診察の4基本は視診・触診・打診・聴診。打診は「音の変化」で胸水・腹水・臓器の大きさ・腸内ガスを推測する手技。
③ 自覚症状=患者本人しか分からない主観的情報、他覚所見=医療者が客観的に確認できる異常。発熱・発疹・血圧異常・心雑音は他覚所見側。
④ 鑑別診断とは、似た症状を示す複数疾患を比較して最も可能性の高いものを判断するプロセス。見逃し防止・不要な検査削減が意義。
⑤ 臨床検査の限界に注意。数値異常=病気ではなく、初期には異常が出ないこともある。診察・問診と合わせた総合判断が必要。
⑥ MRIは軟部組織(脳・脊髄・靱帯・椎間板)に強く、超音波は被曝がなくリアルタイム観察が可能。X線は骨折・肺炎・心拡大。
・ カルテは情報共有・医療安全・経過比較・法的証拠の4役割。訂正は消さずに追記するのがルール。
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