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医療面接の手順とポイント|開かれた質問・主訴・現病歴・既往歴いりょうめんせつ

医療面接(いりょうめんせつ)とは、患者さんの話を聞きながら症状や病気の手がかりを集める診察の第一歩です。単なる情報収集ではなく、信頼関係(ラポール)の構築そのものが目的に含まれる点が問診との大きな違い。国試では「開かれた質問→閉ざされた質問」の順序、主訴・現病歴の聴取項目、POS/POMR/SOAPの用語が繰り返し問われます。

医療面接|医療面接 1
読み方いりょうめんせつ
分類診察法(主観的情報=Subjectiveの収集)
目的・意義診断の手がかり収集/信頼関係の構築/治療方針の決定
基本の流れ開かれた質問(オープンクエスチョン)→ 閉ざされた質問(クローズドクエスチョン)
聴取する主項目主訴・現病歴・既往歴・家族歴・社会歴(生活歴)
現病歴の6項目①いつから ②どこに ③どんな症状 ④変化 ⑤随伴症状 ⑥治療効果
記録の方式POS(問題志向型システム)→ POMR(問題志向型診療録)→ 経過はSOAP
主訴の記載法患者自身の表現に近い言葉で簡潔に。複数あれば優先順位を確認

医療面接とは? 目的と「問診」との違い

医療面接は、患者さんの話を聞きながら症状や病気の手がかりを集める大切な診察方法です。まず確認するのは「何に困っているのか」「いつから症状があるのか」「どのように変化しているのか」の3点。

従来の「問診」が医療者側からの一方的な情報収集だったのに対し、医療面接は患者中心・双方向のコミュニケーションであり、丁寧に話を聞くこと自体が次の効果を生みます。

つまり医療面接は、診断・治療・信頼関係づくりの土台になる第一歩です。

医療面接は診断の第一歩。困っていること・発症時期・変化を確認する
医療面接は診断の第一歩。困っていること・発症時期・変化を確認する

開かれた質問と閉ざされた質問(国試頻出)

面接は必ず「開かれた質問」から始め、その後に「閉ざされた質問」で絞り込むのが原則です。順序を逆にする選択肢は誤りとして頻出します。

例)「どうされましたか?」→「昨日の朝から腰が痛くて、前かがみで特に痛い。足にもしびれがあります」→ そこから「足のしびれはありますか?」「熱はありますか?」と絞って確認していきます。

開かれた質問閉ざされた質問
行う順序最初に行う次に行う
答え方自由(制限されない)はい・いいえ、いつ・どこ等に限定
質問例どうされましたか?/どんな症状がありますか?いつからですか?/痛みはありますか?
目的困りごとを自由に語ってもらう・全体像と背景をつかむ・信頼関係をつくる必要な情報を絞って具体的に確認する
開かれた質問→閉ざされた質問。自由に話してもらってから情報を絞る
開かれた質問→閉ざされた質問。自由に話してもらってから情報を絞る

主訴を明確にする

主訴(しゅそ)とは、患者さんが医療機関を受診した最も困っている症状・受診の目的のこと。主訴を正しくつかむことが、診察の方向性を決めるスタート地点になります。

主訴=最も困っている症状・受診の目的。患者の言葉で簡潔に記録
主訴=最も困っている症状・受診の目的。患者の言葉で簡潔に記録

現病歴で確認する6つのポイント

現病歴とは、現在の症状が「いつ・どこで・どのように始まり、今どうなっているか」を確認すること。診断の最も重要な手がかりとなる情報です。

症状の経過から原因を推測でき、緊急性の判断や検査・治療の方向決定にも直結します。

項目確認する内容質問例
①いつから始まったか発症時期・きっかけいつからですか?
②どこにあるか症状の部位・広がりどこが痛いですか?
③どんな症状か痛みの性質・強さ・頻度(ズキズキ/チクチク/重い等)どんな痛みですか?
④変化しているか良くなっているか、悪くなっているか最近、良くなっていますか?
⑤随伴症状はあるか発熱・しびれ・吐き気・めまい・体重減少など他に気になる症状はありますか?
⑥治療効果はあるかすでに受けた治療や薬での変化薬や治療で楽になりましたか?
現病歴の6項目。経過をたどると原因・緊急性が見えてくる
現病歴の6項目。経過をたどると原因・緊急性が見えてくる

既往歴・家族歴・社会歴(生活歴)

現在の病気を正しく理解し、原因やリスクを評価するために、患者さんを「全体」で理解する情報を集めます。

社会歴は「病気を診る」のではなく「患者を診る」ための情報と位置づけられます。

区分主な内容臨床的意義
既往歴過去の病気・手術/外傷・アレルギー・服薬安全な治療と薬の選択、現症状の原因推定
家族歴高血圧・糖尿病・脳血管障害・がん・アレルギー体質遺伝的リスク評価、早期発見・予防
社会歴職業・住環境・喫煙・飲酒・運動・ストレス悪化要因の特定、生活指導・予防
社会歴は7項目。喫煙はBrinkman指数で評価する
社会歴は7項目。喫煙はBrinkman指数で評価する

POS・POMR・SOAP ― 情報の整理と記録

集めた情報は決まった方式で整理・記録します。用語の対応関係が国試頻出です。

SOAPの最大の注意点はSとOを混ぜないこと。患者が言ったことはS、医療者が確認した事実はOに書きます。

区分記載内容例(腰痛患者)
S:Subjective(主観的情報)患者本人の訴え。言葉のまま記録「昨日より腰の痛みは少し楽。長く座るとまだ痛い」
O:Objective(客観的情報)視診・触診所見、関節可動域、筋力、体温・血圧・脈拍、検査/画像所見腰部の筋緊張あり。前屈時痛あり。圧痛は前回より軽減
A:Assessment(評価・考察)SとOをもとに今の状態を分析筋緊張は残るが改善傾向。長時間座位が悪化要因
P:Plan(計画)今後の方針・治療計画腰部への施術を継続。自宅でのストレッチと座位姿勢の指導
SOAPは「訴え・所見・評価・計画」。SとOを混ぜないのが最重要
SOAPは「訴え・所見・評価・計画」。SとOを混ぜないのが最重要
国試ポイント
① 面接は必ず「開かれた質問」→「閉ざされた質問」の順。逆の記述は誤り。
② 主訴=最も困っている症状・受診の目的。患者自身の表現に近い言葉で簡潔に記録し、複数あれば優先順位を確認する。
③ 現病歴は診断の最大の手がかり。発症時期・部位・性質・変化・随伴症状・治療効果の6項目。
④ 社会歴の喫煙歴はBrinkman指数(1日本数×年数)で評価。職業歴は職業病、居住地・渡航歴は感染症の手がかり。
⑤ POSの初期計画はDx(診断計画)・Tx(治療計画)・Ex(教育計画)の3つ。POMRの構成は基礎データ・問題リスト・初期計画・経過記録・退院時要約の5つ。
⑥ SOAPのSは患者の訴え、Oは医療者が確認した事実(所見・検査値)。両者を混同させる引っかけに注意。
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