心血瘀阻(しんけつおそ)は、心の血が瘀血によってスムーズに流れなくなった状態の証です。イメージは「血の渋滞」。刺すような胸痛・心悸・胸悶といった胸の症状が特徴で、舌は暗紫色に瘀点・瘀斑、脈は細澀・結・弦を示します。このページでは、原因(加齢・寒邪・気滞・心気虚)→血流低下→瘀血→心血瘀阻という病機の流れから、症状・舌脈・治法(活血化瘀法)・代表方剤まで、国試に出るポイントをまとめて解説します。
| 読み方 | しんけつおそ |
|---|---|
| 分類 | 臓腑弁証(心の病証)・瘀血の証 |
| 関連する臓腑 | 心 |
| 主な原因 | 加齢・寒邪(冷え)・長期間の気滞・心気虚 |
| 代表症状 | 胸痛(刺すような痛み)・心悸亢進・胸悶・健忘 |
| 舌象 | 舌質暗紫・瘀点瘀斑・舌下静脈の怒張 |
| 脈象 | 細澀・結代・弦 |
| 治法 | 活血化瘀法(基本) |
| 代表方剤 | 血府逐瘀湯・桃核承気湯・通竅活血湯・少腹逐瘀湯 |
心血瘀阻とは、心+瘀血→血流が悪くなることで起こる証です。瘀血(おけつ)とは「血の渋滞」のこと。道路の渋滞のように血液が渋滞(瘀血)すると、心に十分な血が届かず、さまざまな症状が出ます。
特に特徴的なのは胸の症状です。国試では「胸の症状」と「瘀血」をセットで覚えるのがポイントです。
心血瘀阻になる流れは、冷え・加齢・気滞など→血流低下→瘀血(おけつ)→心血瘀阻です。原因は大きく4つあり、冷えと加齢は国試頻出です。また「心気虚→血流低下→瘀血→心血瘀阻」の流れも頻出で、気が足りないと血を動かせなくなって瘀血になる、という病機を押さえましょう。
| 原因 | 病機 |
|---|---|
| ① 加齢 | 年齢とともに血流が低下 → 瘀血 |
| ② 寒邪(冷え) | 冷え → 血が滞る |
| ③ 長期間の気滞 | 気の流れが悪い → 血も停滞 |
| ④ 心気虚 | 気が不足し血を動かせない → 瘀血 |
瘀血が心の血脈をふさぐと、痛み・動悸・息苦しさ・記憶力低下などが現れます。胸痛は「刺すような痛み」が特徴で、締めつけられるような痛みのこともあります。
| 症状 | 特徴 |
|---|---|
| ① 胸痛 | 刺すような痛みや締めつけられるような痛み |
| ② 心悸亢進 | ドキドキして心臓が高鳴る・落ち着かない |
| ③ 胸悶(きょうもん) | 胸がつかえて息苦しい |
| ④ 健忘 | 物忘れしやすく集中できない・ぼーっとする |
| ⑤ 舌質暗紫・瘀点瘀斑 | 舌が暗紫色で瘀点や瘀斑がある |
| ⑥ 脈弦澀 | 脈が弦(張るよう)で澀(しぶい) |
舌や脈には「血の滞り=瘀血」のサインが現れます。覚え方は、舌は「色・斑点・静脈」、脈は「澀・結・弦」がポイント。舌や脈に瘀血のサインがあれば、心の血がスムーズに流れていない証拠です。瘀血のサインは総合的に判断しましょう。
| 区分 | 所見 | 特徴 |
|---|---|---|
| 舌 | 舌質は暗紫色 | 瘀血があると舌の色が暗く、紫色を帯びる |
| 舌 | 瘀点・瘀斑 | 舌の表面に赤紫色の点や斑点が出る |
| 舌 | 舌下静脈の怒張 | 舌の裏の静脈が太く、紫色に怒張している |
| 脈 | 細澀(さいしょく) | 細く、澀(ひっかかる)ように感じる |
| 脈 | 結代(けつだい) | 脈が結ぶように一拍一拍が途切れ途切れに感じる |
| 脈 | 弦(げん) | ピンと張ったように硬く、強く感じる |
治療のカギは「瘀血を取り除く」こと。血の渋滞を解消して、心の働きをスムーズにします。基本治法は活血化瘀法で、気滞や気虚がある場合は理気活血法・益気活血法、冷えが強いときは温通活血法を用います。気・血を一緒に整えることも大事です。
| 治法 | 内容 |
|---|---|
| ① 活血化瘀法 | 血の流れを良くして、瘀血を取り除く(基本治法) |
| ② 理気活血法 | 気の巡りを整えて、血の流れを促す |
| ③ 益気活血法 | 気を補いながら、血をスムーズにする |
| ④ 温通活血法 | 体を温めて、血の流れを良くする |
方剤は症状や体質に合わせて使い分けます。いずれも活血化瘀を軸にした処方です。
| 方剤 | 効能 | 主な構成生薬 |
|---|---|---|
| 血府逐瘀湯 | 活血祛瘀・行気止痛 | 当帰・赤芍薬・桃仁・紅花・枳殻・柴胡 など |
| 桃核承気湯 | 活血化瘀・潤燥通便 | 桃仁・大黄・桂枝・芒硝 |
| 通竅活血湯 | 活血化瘀・通竅開閉 | 川芎・紅花・赤芍薬・桃仁 など |
| 少腹逐瘀湯 | 活血化瘀・温経散寒 | 当帰・延胡索・川芎・赤芍薬 など |
国試では原因→病理(血流低下→瘀血)→病証(心血瘀阻)→治法(活血化瘀法)の流れをセットで覚えましょう。出やすい組み合わせは「胸痛(刺すような痛み)+舌質暗紫・瘀点瘀斑+脈細澀・結・弦 → 心血瘀阻」「心悸・胸悶+舌下静脈怒張+健忘・息苦しさ → 心血瘀阻」です。舌・脈・症状は瘀血のサイン——見逃さないことが大切です。
| 一問一答 | 答え |
|---|---|
| Q1. 心血瘀阻の主な原因は? | 加齢・寒邪(冷え)・長期間の気滞・心気虚 など |
| Q2. 心血瘀阻の胸痛の特徴は? | 刺すような痛みで、固定した部位にみられる |
| Q3. 舌の特徴は? | 舌質は暗紫色、瘀点・瘀斑がみられることが多い |
| Q4. 脈の特徴は? | 細澀・結・弦 など |
| Q5. 基本治法は? | 活血化瘀法 |
全体の流れは、原因(加齢・寒邪・気滞・心気虚)→血流低下→瘀血(血が渋滞してドロドロに)→心血瘀阻(心の働きがスムーズにいかない)→治法:活血化瘀法(血流スムーズ!心も元気に)です。
原因・症状・舌脈・治法はぜんぶつながっています。ポイントをつなげてイメージで覚え、瘀血のサインを見逃さず、治法までセットで理解しましょう。