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心血虚とは?原因・症状・舌脈・治法と心陰虚との鑑別まとめしんけっきょ

心血虚(しんけっきょ)は、心を養う血が不足した状態の証です。心は「血脈を主る」「神志を主る」働きを持つため、血が不足すると動悸(心悸)・不眠・健忘・めまい・顔色が白い・爪や唇の血色が淡いといった症状が現れます。このページでは、思慮過度・久病・出血・脾胃虚弱という原因病機から、舌象・脈象(淡舌・脈細弱)、治法「補血・養心・安神」、代表的な漢方薬、心陰虚との鑑別まで、国家試験に出るポイントをスライドに沿って解説します。

心血虚|心血虚 1
読み方しんけっきょ
分類臓腑弁証(心の病証)・血虚に属する虚証
関連する臓腑心(血脈を主る・神志を主る)
主な原因思慮過度・久病・出血・脾胃虚弱(栄養不足)
代表症状心悸(動悸)・不眠・健忘・めまい・ふらつき・顔色が白い・爪や唇の血色が淡い
舌象淡舌(舌質は淡い)・紅点が少ない・舌下静脈が細い・少苔
脈象細脈・弱脈(やや数脈になることも)
治法補血・養心・安神
代表処方帰脾湯・当帰養血湯・酸棗仁湯

心血虚とは?心の働きと病態

心血虚とは、心を養う血が不足した状態です。心には次の2つの働きがあります。

心を養う「血」が不足すると、心も体もうるおいや元気が足りなくなり、心の働き(血脈・神志)が低下します。その結果、動悸・不眠・健忘などの症状があらわれやすくなります。血は毎日の生活・食事・睡眠でつくられるため、早めのケアが大切です。

心血虚の原因と病機

心血虚になる流れは「思慮過度・久病・出血・脾胃虚弱(栄養不足)→ 血が不足する → 心を養う血が足りない → 心血虚」です。血が減る・血をつくれない、の両面が原因になります。

次のような人に多いとされます。

原因内容・病機
思慮過度考えすぎ・悩みすぎが心や脾を傷つける → 血を消耗したり、つくりにくくなる
久病長く病気が続き、体力も血も消耗する → 心血が不足する
出血月経過多・出産・流産・慢性的な出血など → 血が減ってしまう
脾胃虚弱・栄養不足食事から血をつくる力が弱い・消化吸収がうまくいかない → 血が十分につくられない
心血虚の原因と「血が不足する」までの流れ
心血虚の原因と「血が不足する」までの流れ

心血虚の主な症状

心を養う血が不足すると、心の働き(血脈を主る・神志を主る)が弱り、次のような症状が出てきます。覚え方は「心に血が足りないと…動悸・不眠・健忘・めまい・顔色白い・くちびる爪が淡い」をセットでチェックすることです。

症状あらわれ方
心悸(動悸)動悸がして、ドキドキする
不眠寝つきが悪い、眠りが浅い
健忘物忘れが多い、すぐ忘れてしまう
顔色が白い血色がよくない、つやがない
めまい・ふらつき立ちくらみや、めまいがする
爪や唇の血色が悪い(爪唇色淡)爪が白っぽい、唇の色がうすい
心血虚の症状 — 動悸・不眠・健忘・めまい・顔色の悪化が出やすい
心血虚の症状 — 動悸・不眠・健忘・めまい・顔色の悪化が出やすい

心血虚の舌象・脈象

舌や脈には「血が不足しているサイン」が現れます。血虚のサインがあると、心の働きが十分に発揮できない証拠なので見逃さないようにしましょう。弁証のポイントは「血虚の症状 + 心の症状」が中心であることです。

区分特徴内容
淡舌(舌質は淡い)血が足りないと舌の色が淡くなり、つやがなくなる
少紅点(点状の紅点が少ない)血虚では、舌にある小さな赤い点(紅点)が少なくなる
少静脈(舌下の静脈が細い)舌の裏の静脈が細く、色も淡くなる
細脈(さいみゃく)血が不足すると、脈は細く、弱々しく触れる
弱脈(じゃくみゃく)脈の力が弱く、押しても力がなく、頼りない
やや数脈になることも心が栄養されず、脈がやや数(速い)になることもある
心血虚の舌脈 — 淡舌・少紅点・少静脈、脈は細・弱が基本
心血虚の舌脈 — 淡舌・少紅点・少静脈、脈は細・弱が基本

心血虚の治法 — 補血・養心・安神

治療の原則は「補血・養心・安神」です。心を養う血を補い、心を安らかにすることが大切です。不眠・動悸・健忘・めまいなどの改善が目標になります。

養生は「よく眠る・考えすぎない・栄養をとる・リラックス」が基本です。

治法読み方内容
補血ほけつ血を補って、心を養う → 血をしっかり増やす
養心ようしん心の働きをサポートする → 心を元気にする
安神あんしん心を落ち着けて、不安や不眠をやわらげる → ぐっすり眠れるように
心血虚の治法 — 補血・養心・安神で元気と安らぎを取り戻す
心血虚の治法 — 補血・養心・安神で元気と安らぎを取り戻す

心血虚に用いられる代表的な漢方薬

体質や症状に合わせて使い分けます。

処方名読み方特徴主な構成生薬
帰脾湯きひとう補血・養心・安神の代表処方。心血虚の基本薬人参・白朮・黄耆・竜眼肉・酸棗仁
当帰養血湯とうきようけつとう補血の力が強く、血虚に広く使われる当帰・熟地黄・白芍・川芎
酸棗仁湯さんそうにんとう不眠・動悸が強い時の安神薬酸棗仁・川芎・茯苓・知母・甘草

心陰虚との鑑別ポイント

心血虚と混同しやすいのが心陰虚です。原因が「血の不足」か「陰(津液)の不足」かで、症状・舌脈・治法が変わります。国試でも狙われる比較なので、表で整理して覚えましょう。

項目心血虚心陰虚
原因血の不足陰(津液)の不足
主な症状動悸・不眠・健忘・めまい・顔色が白い・爪唇色淡心煩・不眠・盗汗・口乾・五心煩熱・舌紅・少苔
淡・少苔紅・少苔・乾燥
細・弱細・数
治法補血・養心・安神養陰・清心・安神
心血虚のまとめ — 心陰虚との鑑別・弁証のポイント
心血虚のまとめ — 心陰虚との鑑別・弁証のポイント

国試チェック — 心血虚のまとめ

最後に、国試によく出るポイントを整理します。

心を養う血をしっかり補って、元気と安らぎのある毎日へ、が心血虚の合言葉です。

国試ポイント
① 治法の原則は「補血・養心・安神」。代表処方は帰脾湯(補血・養心・安神の基本薬)・当帰養血湯・酸棗仁湯
② 主な症状は心悸(動悸)・不眠・健忘・めまい・顔色が白い・爪や唇の血色が淡い(爪唇色淡)のセット
③ 舌脈は淡舌・少紅点・舌下静脈が細い、脈は細・弱が基本。心陰虚(五心煩熱・盗汗・舌紅・脈細数・治法は養陰清心安神)との鑑別が頻出
📖 心血虚をスライドで学ぶ(国試辞書) 図解スライドでサクッと復習