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神経の基本構造 ― ニューロン・神経線維・グリア細胞と変性・再生の国試ポイントしんけいのきほんこうぞう

神経系の最小単位であるニューロン(神経細胞)は、細胞体・樹状突起・軸索・神経終末の4つからできており、情報は「入力→伝達→出力」の順に流れます。国家試験では、有髄線維=跳躍伝導で速い/無髄線維=連続伝導で遅い末梢の髄鞘はシュワン細胞・中枢はオリゴデンドロサイト末梢神経は再生しやすく中枢神経は再生しにくいという対比が繰り返し問われます。ここではニューロンの構造から軸索輸送、ワーラー変性・軸索発芽・神経成長因子まで一気に整理します。

神経の基本構造|神経の基本構造 1
読み方しんけいのきほんこうぞう
定義神経系の機能単位であるニューロン(神経細胞)と、それを支えるグリア細胞からなる構造
ニューロンの4部位細胞体・樹状突起・軸索・神経終末
情報の流れ入力(樹状突起)→ 伝達(軸索)→ 出力(神経終末・シナプス)
神経線維軸索+取り巻く構造。有髄線維(髄鞘あり・跳躍伝導で速い)と無髄線維(髄鞘なし・連続伝導で遅い)
髄鞘をつくる細胞末梢神経系=シュワン細胞/中枢神経系=オリゴデンドロサイト
支持細胞(グリア)アストロサイト(物質交換)・オリゴデンドロサイト(髄鞘形成)・ミクログリア(異物除去)・上衣細胞/末梢はシュワン細胞
軸索輸送順行性=キネシン(細胞体→神経終末)/逆行性=ダイニン(神経終末→細胞体)
変性と再生細胞体が死滅すると基本的に補われない。軸索は条件によって再生する(ワーラー変性・軸索発芽)
神経成長因子NGF・BDNF・NT・FGF(神経突起の伸長・生存維持・分化誘導)
国試での狙われ方有髄/無髄の伝導速度、髄鞘形成細胞の中枢と末梢の違い、キネシンとダイニンの方向、ワーラー変性が起こる部位、末梢は再生しやすく中枢は再生しにくい理由(グリア瘢痕)

ニューロン(神経細胞)の基本構造

ニューロンは神経系の機能単位で、次の4つの部分からなります。情報は樹状突起で受け取り → 細胞体で処理 → 軸索で伝え → 神経終末から次の細胞へ出力という一方向の流れをとります。

部位はたらきひとことで
細胞体核があり、細胞の中心全体をまとめ、はたらきをコントロール
樹状突起情報を受け取るたくさんの情報をキャッチ
軸索情報を遠くへ伝える長い距離をスピーディーに伝える
神経終末次の細胞へ情報を伝えるシナプスで情報をバトンタッチ
ニューロンの基本構造。細胞体・樹状突起・軸索・神経終末の4部位
ニューロンの基本構造。細胞体・樹状突起・軸索・神経終末の4部位

神経線維 ― 有髄線維と無髄線維

軸索+それを取り巻く構造=神経線維です。髄鞘(ミエリン)の有無で有髄線維と無髄線維に分かれ、伝導のしかたと速さが大きく変わります。

一発暗記は「有髄=速い! 無髄=遅い!」です。

項目有髄線維無髄線維
髄鞘ありなし
ランビエ絞輪ありなし
伝導様式跳躍伝導連続伝導
伝導速度速い遅い
末梢での関与細胞シュワン細胞(髄鞘を形成)シュワン細胞が包むが髄鞘は作らない
有髄線維は跳躍伝導で速く、無髄線維は連続伝導で遅い
有髄線維は跳躍伝導で速く、無髄線維は連続伝導で遅い

支持細胞(グリア細胞)の種類とはたらき

グリア細胞はニューロンを支える細胞で、①ニューロンを支える ②栄養・代謝を助ける ③周囲環境を整える ④髄鞘形成に関わる ⑤異物除去に関わる、という役割があります。中枢と末梢で髄鞘をつくる細胞が違うのが最大の国試ポイントです。

細胞所属主なはたらき
アストロサイト中枢神経系物質交換・周囲環境の調整
オリゴデンドロサイト中枢神経系髄鞘形成
ミクログリア中枢神経系異物除去(貪食)
上衣細胞中枢神経系脳室・中心管の内面を覆う
シュワン細胞末梢神経系髄鞘を形成/再生時の道しるべ
中枢のグリア4種と末梢のシュワン細胞
中枢のグリア4種と末梢のシュワン細胞

軸索輸送 ― キネシンとダイニン

軸索の中を物質が移動するしくみが軸索輸送です。方向によって担当するモータータンパク質が異なります。

軸索輸送は神経細胞のはたらきを支える重要な仕組みで、物質を適切な場所へ届けて神経の機能を維持しています。覚え方は「キネシン=順行性/ダイニン=逆行性」。

輸送方向モータータンパク質
順行性軸索輸送細胞体 → 神経終末キネシン
逆行性軸索輸送神経終末 → 細胞体ダイニン
順行性はキネシン、逆行性はダイニンが担う
順行性はキネシン、逆行性はダイニンが担う

神経の変性と再生 ― ワーラー変性・末梢と中枢の違い

変性(細胞体の死滅):ニューロンの細胞体は再生しにくく、死滅すると基本的に補われません。生後早期に分裂増殖しにくくなるため、ニューロンの数は減少していきます。

再生(軸索の再生):軸索は条件によって再生することがあります。再生を助ける条件は、①シュワン細胞の存在(末梢神経) ②損傷の程度が軽い ③適切な環境が整っていること、の3つです。

ワーラー変性:軸索が切断されると軸索輸送が断たれ、細胞体から離れた末梢側(遠位側)の軸索が変性し、髄鞘も変性・分解します。これをワーラー変性といいます。

末梢神経の再生は、①損傷 → ②遠位側の軸索とミエリンが変性 → ③細胞体は生き残り、シュワン細胞の管(バンドレの索)が残る → ④軸索がその管に沿って伸長・再生 → ⑤標的細胞(筋・腺など)に到達して機能が回復、という流れで進みます。一方中枢神経では損傷部位にグリアの瘢痕(グリア瘢痕)ができ、これが再生のバリアとなって軸索の伸長を阻害するため、損傷部位を越えて再生するのは困難です。

項目末梢神経(PNS)中枢神経(CNS)
髄鞘をつくる細胞シュワン細胞オリゴデンドロサイト
損傷後の環境シュワン細胞の管がガイドになるグリア瘢痕が障壁になる
軸索の再生再生しやすい再生しにくい
ワーラー変性:切断部より末梢側の軸索と髄鞘が変性・分解する
ワーラー変性:切断部より末梢側の軸索と髄鞘が変性・分解する

軸索発芽・神経成長因子・ニューロンの死

軸索発芽(スプラウティング)は、損傷を受けていない軸索の先が枝分かれして新しいシナプスをつくる現象です。神経損傷後の機能回復に関係し、中枢神経でもみられるのが特徴です。

神経成長因子は神経細胞の成長を助ける物質で、①神経突起の伸長 ②生存維持 ③分化誘導にはたらきます。代表的な因子はNGF・BDNF・NT・FGFで、神経の発達・機能維持のカギをにぎります。

ニューロンの死には2種類あります。

項目内容
軸索発芽損傷を受けていない軸索の先が枝分かれ→新しいシナプス形成。中枢神経でもみられる
神経成長因子のはたらき神経突起の伸長・生存維持・分化誘導
代表的な因子NGF・BDNF・NT・FGF
ネクローシス虚血・炎症・外傷・中毒などによる細胞死
アポトーシス遺伝子のプログラムによる細胞死。発生過程でもみられる
軸索発芽:無傷の軸索が枝分かれし新しいシナプスをつくる
軸索発芽:無傷の軸索が枝分かれし新しいシナプスをつくる

神経系まとめ(一発暗記)

神経系の国試重要ポイント総まとめ
神経系の国試重要ポイント総まとめ
国試ポイント
① ニューロンの4部位は細胞体・樹状突起・軸索・神経終末。樹状突起で受け取り、軸索で伝える
② 有髄線維は髄鞘とランビエ絞輪をもち跳躍伝導で速い。無髄線維は連続伝導で遅い
③ 髄鞘をつくるのは末梢=シュワン細胞、中枢=オリゴデンドロサイト。ミクログリアは異物除去、アストロサイトは物質交換
④ 軸索輸送は順行性=キネシン(細胞体→神経終末)、逆行性=ダイニン(神経終末→細胞体)
⑤ ワーラー変性は切断部より末梢側(遠位側)の軸索と髄鞘に起こる。細胞体側ではない点が引っかけ
⑥ 末梢神経はシュワン細胞の管が道しるべとなり再生しやすいが、中枢神経はグリア瘢痕が障壁となり再生しにくい
・ 軸索発芽は無傷の軸索が枝分かれして新しいシナプスをつくる現象で、中枢神経でもみられる
・ 神経成長因子はNGF・BDNF・NT・FGF。ニューロンの死はネクローシス(虚血・炎症・外傷・中毒)とアポトーシス(プログラム死)の2種
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