シナプス伝達とは、ニューロンの興奮が他の細胞へ伝わることで、神経終末と次の細胞の接合部をシナプスといいます。多くは化学シナプスで、シナプス小胞から神経伝達物質が間隙(約20〜50nm)へ放出され、シナプス後膜の受容体に結合して膜電位を変化させます。国試ではシナプス遅延約0.2ms・一方向性・易疲労、EPSP/IPSP、加重、可塑性、代表的伝達物質と受容体の型が繰り返し問われます。
| 読み方 | しなぷすでんたつ/しんけいでんたつぶっしつ |
|---|---|
| 定義 | ニューロンの興奮が他の細胞へ伝わること。接合部をシナプスという |
| シナプスの種類 | 化学シナプス・電気シナプス(多くは化学シナプス) |
| 化学シナプスの構造 | シナプス前終末・シナプス小胞・神経伝達物質・シナプス間隙・シナプス後膜・受容体 |
| 数値 | シナプス間隙の幅 約20〜50nm/シナプス遅延 約0.2ms |
| 伝達の特徴 | 一方向性伝達・シナプス遅延・易疲労・酸素不足や薬物の影響を受ける |
| 主な伝達物質 | アセチルコリン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドパミン、セロトニン、ヒスタミン、GABA、グルタミン酸、グリシン、ATP、アデノシン、サブスタンスP、オピオイドペプチド、VIP、CGRP、一酸化窒素(NO) |
| 受容体の型 | イオンチャネル型(速い)/代謝調節型(Gタンパク質・セカンドメッセンジャー、遅め・長い) |
| 国試での狙われ方 | 20〜50nm・0.2msの数値、EPSP=脱分極/IPSP=過分極、空間的vs時間的加重、促通と閉塞、LTP・LTD、グルタミン酸=興奮/GABA=抑制、受容体の型分け |
シナプス伝達とはニューロンの興奮が他の細胞へ伝わることで、神経終末と次の細胞の接合部をシナプスといいます。シナプスには化学シナプスと電気シナプスがありますが、多くは化学シナプスで、そこでは神経伝達物質が働きます。
化学シナプスは主にシナプス前終末・シナプス小胞・神経伝達物質・シナプス間隙・シナプス後膜・受容体からなります。シナプス前終末には伝達物質を含むシナプス小胞があり、シナプス間隙(前終末と後膜のすき間、幅約20〜50nm)へ放出され、受容体に結合して作用します。
一発暗記:シナプス伝達=「興奮を次の細胞へバトンタッチ!」/シナプスは「前終末→伝達物質放出→受容体で作用」で覚える。
電気的な軸索伝導と違い、シナプス伝達には固有の特徴があります。国試頻出なので数値ごと押さえましょう。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 一方向性伝達 | シナプス前ニューロン → シナプス後細胞の一方向にのみ伝わる |
| シナプス遅延 | 伝達に時間がかかる。約0.2ms |
| 易疲労 | 反復刺激で伝達が弱くなる(疲労しやすい) |
| 環境の影響 | 酸素不足・薬物の影響を受けやすい |
| 中枢での接続 | 中枢神経では興奮性・抑制性シナプスが多数接続する |
シナプス後膜に起こる電位変化は、興奮性なら脱分極、抑制性なら過分極です。EPSPが加重して閾値に達すると活動電位が発生し、IPSPでは活動電位が起こりにくくなります。
| 項目 | 興奮性シナプス | 抑制性シナプス |
|---|---|---|
| 膜電位の変化 | 脱分極(上がる) | 過分極(下がる) |
| 後電位の名称 | EPSP=興奮性シナプス後電位 | IPSP=抑制性シナプス後電位 |
| 結果 | 加重し閾値に達すると活動電位が発生 | 活動電位が起こりにくくなる |
| 代表的伝達物質 | グルタミン酸 | GABA・グリシン |
1回の入力では閾値に届かなくても、入力が重なると効果が大きくなります。これが加重で、EPSPもIPSPも加重します。また神経系では多数のシナプス結合で情報が統合されます。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 空間的加重 | 複数のシナプスが同時に入力する |
| 時間的加重 | 同じシナプスが短時間に連続入力する |
| 発散 | 1つのニューロンが多数のニューロンへ情報を送る(情報を広く伝える) |
| 収束 | 多数のニューロンが1つのニューロンへ情報を集める(中枢神経内で統合) |
| 促通 | 弱い刺激でも同時入力で加重し、活動電位が起こりやすくなる |
| 閉塞 | 強い刺激を同時に加えると、単独刺激の合計より反応が小さくなる |
シナプスはくり返し使われると伝達機能が変化します。これをシナプス伝達の可塑性といい、学習・記憶・運動に重要です。
| 現象 | 内容 |
|---|---|
| 反復刺激後増強 | 短時間の反復刺激後に一時的に増強される |
| 長期増強(LTP) | 反復刺激で長時間強くなる。学習・記憶の基盤 |
| 長期抑圧(LTD) | 反復刺激後に長時間抑制される。不要な情報を整理 |
代表的な神経伝達物質は、アセチルコリン/ノルアドレナリン/アドレナリン/ドパミン/セロトニン/ヒスタミン/GABA/グルタミン酸/グリシン/ATP/アデノシン/サブスタンスP/オピオイドペプチド/VIP/CGRP/一酸化窒素(NO)です。
神経伝達物質はシナプス後膜の受容体に結合して作用し、受容体は大きく2種類に分かれます。
| 項目 | イオンチャネル型受容体 | 代謝調節型受容体 |
|---|---|---|
| 作用機序 | 伝達物質が結合するとイオンチャネルが開閉し、直接イオンの流れを変える | Gタンパク質などを介して細胞内反応を起こす(セカンドメッセンジャーが関与) |
| 反応速度 | 速い | 遅め・効果が長く続きやすい |
| 例 | ニコチン受容体/NMDA受容体/AMPA受容体/GABA(A)受容体/グリシン受容体/5-HT3受容体/P2X受容体 | ムスカリン受容体/アドレナリンα・β受容体/mGluR/GABA(B)受容体/ドパミン受容体/5-HT受容体/ヒスタミン受容体/オピオイド受容体/アデノシン受容体/P2Y受容体 |