自律神経の中枢は脳幹と脊髄にあり、その上位中枢が視床下部・大脳辺縁系・大脳皮質です。とくに視床下部は自律神経調節の最重要中枢とされます。国試では交感神経=T1〜L2の側角、副交感神経=脳幹+S2〜S4という起始部位と、内臓-内臓/体性-内臓/内臓-体性の3つの自律神経反射がくり返し問われます。
| 読み方 | じりつしんけいのちゅうすうとはんしゃ |
|---|---|
| 定義 | 自律神経の働きを調節する中枢と、それを介して内臓機能が変化する反射 |
| 担当する中枢 | 主に脳幹・脊髄(上位中枢は視床下部・大脳辺縁系・大脳皮質) |
| 最重要中枢 | 視床下部(自律神経調節の重要中枢) |
| 交感神経の中枢 | 胸髄〜腰髄の側角(T1〜L2) |
| 副交感神経の中枢 | 脳幹(動眼神経核・上唾液核・下唾液核・迷走神経背側核)と仙髄S2〜S4 |
| 伝達物質と受容体 | アセチルコリン(ニコチン受容体・ムスカリン受容体)/ノルアドレナリン(α受容体・β受容体) |
| 反射の種類 | 内臓-内臓反射・体性-内臓反射・内臓-体性反射 |
| 国試での狙われ方 | T1〜L2/S2〜S4の数字、副交感の脳神経(Ⅲ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ)、反射の3分類と具体例 |
自律神経の働きを調節する中枢は、主に脳幹と脊髄にあります。さらにその上位で全体を統括するのが視床下部・大脳辺縁系・大脳皮質です。
「中枢は脳幹・脊髄、上から視床下部」と一続きで覚えるのが最短です。
節前ニューロンの細胞体がどこにあるかが、そのまま「中枢」として問われます。交感神経は胸腰系、副交感神経は頭仙系です。
副交感神経の脳幹の核は、脳神経Ⅲ(動眼神経)・Ⅶ(顔面神経)・Ⅸ(舌咽神経)・Ⅹ(迷走神経)に対応します。
| 区分 | 節前ニューロン細胞体の位置 | 覚える数字・核 |
|---|---|---|
| 交感神経 | 胸髄〜腰髄の側角 | T1〜L2 |
| 副交感神経(脳幹) | 動眼神経核・上唾液核・下唾液核・迷走神経背側核 | Ⅲ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ |
| 副交感神経(仙髄) | 仙髄の中間外側部 | S2〜S4 |
内臓や体表からの刺激によって、自律神経を介して内臓機能が変化する反射を自律神経反射といいます。求心路と遠心路の組み合わせで、次の3つに分類されます。
| 反射の種類 | 入力(求心路) | 出力(遠心路) | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 内臓-内臓反射 | 内臓 | 内臓(自律神経) | 消化管運動の調節、排尿反射、心拍・血管の調節 |
| 体性-内臓反射 | 皮膚・筋・関節 | 内臓(自律神経) | 皮膚刺激で血管収縮、鍼灸・マッサージによる内臓機能変化 |
| 内臓-体性反射 | 内臓 | 骨格筋(体性運動神経) | 筋性防御、腹筋の緊張、関連痛 |
内臓-内臓反射は、内臓からの情報が中枢へ入り、反応が内臓へ返る反射です。
体性-内臓反射は、皮膚・筋肉・関節など体表への刺激が自律神経を介して胃・心臓・血管・膀胱などの内臓に影響する反射です。
内臓-体性反射は「内臓の刺激 → 体性運動神経 → 骨格筋に影響」という流れで、内臓の異常が筋肉や体表に現れる反射です。胃痛・腸のけいれん・炎症・虚血などの信号が脊髄を介して伝わり、腹筋の緊張・体表の痛み(関連痛)として現れます。腹膜刺激による筋性防御は代表例です。
自律神経反射の具体例は器官ごとに整理しておきましょう。
| 器官 | 刺激 | 起こる反応 |
|---|---|---|
| 消化管 | 胃腸への刺激 | 胃腸運動や分泌が変化 |
| 膀胱 | 膀胱が充満 | 排尿反射 |
| 循環系 | 皮膚刺激や運動 | 血管収縮・拡張、心拍数変化 |
| 呼吸 | 呼吸筋や肺からの情報 | 呼吸運動を調節 |
| 汗腺 | 皮膚刺激や体温変化 | 発汗を調節 |
自律神経の伝達物質はアセチルコリンとノルアドレナリンの2つ、受容体はニコチン受容体・ムスカリン受容体・α受容体・β受容体の4つです。