鍼灸刺激が効くしくみは、局所治療の3本柱「鎮痛・循環促進・筋緊張緩和」で整理すると覚えやすくなります。鎮痛は即時鎮痛(DNIC=C線維・Aδ線維/脊髄分節性鎮痛=Aβ線維)と持続鎮痛(下行性疼痛抑制系+ストレス誘発鎮痛)に分かれ、循環促進は軸索反射によるCGRP放出、筋緊張緩和は自原抑制(Ib)と拮抗抑制(Ia)が担います。国試では「どの線維か」「どの受容器か」「機序の順序」がそのまま問われます。
| 読み方 | しんきゅうのきょくしょさよう(ちんつう・じゅんかんそくしん・きんきんちょうかんわ) |
|---|---|
| 定義 | 鍼灸刺激が施術局所とその関連領域に及ぼす3つの主要作用。局所治療の3本柱は「鎮痛・循環促進・筋緊張緩和」 |
| 鎮痛の分類 | 即時鎮痛=DNIC(広汎性侵害抑制調節)+脊髄分節性鎮痛/持続鎮痛=下行性疼痛抑制系+ストレス誘発鎮痛 |
| 関与する神経線維 | DNIC=C線維・Aδ線維/脊髄分節性鎮痛=Aβ線維/自原抑制=Ib線維/拮抗抑制=Ia線維 |
| 関与する受容器 | ポリモーダル受容器(循環促進)、ゴルジ腱器官(自原抑制)、筋紡錘(拮抗抑制) |
| 関与する物質 | CGRP、ATP、ADP、アデノシン、一酸化窒素(NO) |
| DNICで用いる刺激 | 雀啄術・回旋術・強刺激の鍼・透熱灸(強い侵害刺激) |
| 臨床的意義 | 発痛物質除去・老廃物除去・組織修復促進・疼痛軽減・可動域の改善 |
| 国試での狙われ方 | DNIC=C線維とAδ線維、脊髄分節性鎮痛=Aβ線維の取り違え、自原抑制(Ib・ゴルジ腱器官)と拮抗抑制(Ia・筋紡錘)の入れ替え |
鍼灸の即時鎮痛は、DNIC(広汎性侵害抑制調節)と脊髄分節性鎮痛の2つで説明されます。DNICは「痛みを痛みで抑える」しくみで、強い侵害刺激を加えることでC線維・Aδ線維が興奮し、脳が広い範囲の痛みをブロックします。
「DNIC=C線維・Aδ線維」「脊髄分節性鎮痛=Aβ線維」の対応は最頻出です。
| 鎮痛の種類 | 関与する線維・系 | 作用部位・キーワード |
|---|---|---|
| 即時的鎮痛(DNIC) | C線維・Aδ線維 | 脳/痛みを痛みで抑える |
| 脊髄分節性鎮痛 | Aβ線維 | 脊髄/ゲートを閉じて痛みブロック |
| 持続的鎮痛① | 下行性疼痛抑制系 | 脳からの抑制で長く効く |
| 持続的鎮痛② | ストレス誘発鎮痛 | ホルモンが痛みを和らげる |
刺激後も長く続く持続的鎮痛は、次の2つで構成されます。
国試では「持続鎮痛=下行性疼痛抑制系+ストレス誘発鎮痛」というセットで覚えるのが得点源です。即時鎮痛(DNIC+脊髄分節性鎮痛)との組み合わせ違いが引っかけになります。
鍼・灸の刺激はポリモーダル受容器を興奮させ、軸索反射を介してCGRPを放出させます。CGRPが血管を拡張させることで血流が増加します。
順序を飛ばして問われることが多いので、6段階をそのまま暗記してください。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 鍼・灸刺激 |
| 2 | ポリモーダル受容器興奮 |
| 3 | 軸索反射 |
| 4 | CGRP放出 |
| 5 | 血管拡張 |
| 6 | 血流増加 |
筋緊張緩和には2つのメカニズムがあり、刺激する筋と関与する受容器・線維が異なります。
いずれも痛みの軽減・可動域の改善に効果的です。
| 機序 | 刺激する筋 | 受容器 | 求心性線維 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 自原抑制(Ib抑制) | 患部筋 | ゴルジ腱器官 | Ib線維 | 筋活動抑制→筋緊張緩和 |
| 拮抗抑制(Ia抑制) | 拮抗筋 | 筋紡錘 | Ia線維 | 相反性抑制→患部筋弛緩 |
スライド④の暗記リストは、そのまま国試の解答キーになります。
結論として、鍼灸は痛みを抑え、血流を増やし、筋肉を緩める。局所治療の3本柱は「鎮痛・循環促進・筋緊張緩和」です。