心房細動は、心房が規則正しく収縮せず心室の拍動まで不規則になる、高齢者に多い不整脈です。加齢とともに頻度が上昇し、心房内にできた血栓が脳に飛んで脳梗塞(心原性脳塞栓症)を引き起こすことがあるため、国試でも頻出のテーマです。
| 読み方 | しんぼうさいどう |
|---|---|
| 分類 | 発作性心房細動(一時的に出現し7日以内に自然停止)/持続性心房細動(7日以上持続) |
| 原因 | 加齢、心房拡大、アルコール、甲状腺機能亢進症など |
| 好発 | 高齢者に多い。55歳以降は10年ごとに頻度が倍増(50代 約0.5%→65歳以上 約5%→80代 約8.8%) |
| 主症状 | 無症状のこともあるが、動悸・胸部不快感が多い(発作性では症状の出現・消失が発作と一致) |
| 心拍数上昇時の注意 | 頻脈になると心臓の負担が増し、息切れなど左心不全の症状が出ることがある |
| 検査所見 | 心電図でP波消失とRR間隔の不規則性がみられる |
| 合併症 | 脳梗塞(心原性脳塞栓症。心房細動のない人と比べ約6倍、年4~5%で発症)、高齢者では心不全の合併も |
| 治療 | 基礎疾患の管理、抗不整脈薬(アミオダロン等)によるリズムコントロール、ジギタリス・Ca拮抗薬による心拍数コントロール、除細動、カテーテルアブレーション、抗凝固療法(ワーファリン/DOAC) |
心房細動は、心房が規則正しく収縮せず、心房内で無秩序な電気的興奮がバラバラに生じることで、心室の拍動(脈)まで不規則になってしまう不整脈です。高齢者に多くみられ、動悸や胸部の不快感を伴うことがある、臨床上重要な不整脈のひとつです。
心房細動の主な原因としては、加齢、心房の拡大、アルコール、甲状腺機能亢進症などがあげられます。心房内で無秩序な電気的興奮が多発し、心室へ伝わるタイミングもバラバラになることでリズムが乱れます。また心房細動は加齢とともに頻度が上昇し、55歳以降は10年ごとに頻度が倍増するとされています。
| 年代 | 心房細動の頻度の目安 |
|---|---|
| 50代 | 約0.5% |
| 65歳以上 | 約5% |
| 80代 | 約8.8% |
心房細動は持続期間によって2つのタイプに分けられ、病型によって治療方針が変わります。
| 分類 | 特徴 |
|---|---|
| 発作性心房細動 | 一時的に出現する(自然に洞調律に戻る) |
| 持続性心房細動 | 7日以上続く |
心房細動は無症状のこともありますが、動悸や胸部不快感を訴える患者が多くみられます。特に心拍数が多くなる(頻脈になる)と心臓の負担が増し、息切れなど左心不全の症状が出ることがあるため注意が必要です。
心房細動の診断は心電図で行います。特徴的な所見は「P波の消失」と「RR間隔の不規則性」です。心房が規則的に興奮しなくなるためP波が消失し、心室への伝導もバラバラになるためRR間隔(脈と脈の間隔)が不規則になります。
心房細動の治療では、まず基礎疾患(高血圧・糖尿病・心不全・弁膜症・甲状腺疾患など)の管理が重要です。そのうえで、抗不整脈薬(アミオダロンなど)によるリズムコントロールや、ジギタリス・Ca拮抗薬による心拍数コントロールが行われます。より積極的な治療として、電気ショックで正常なリズムに戻す除細動、異常な電気の発生源を焼灼するカテーテルアブレーションがあります。また、心房内(特に左心房)にできた血栓が脳に飛ぶことで脳梗塞(心原性脳塞栓症)を起こすリスクがあるため、ワーファリンやDOACによる抗凝固療法で血栓形成を予防することが重要です。心房細動のある人は、ない人と比べて脳梗塞の発症リスクが約6倍とされ(年4~5%で発症)、高齢者では心不全を合併することもあります。