COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、長期間の喫煙などの有害物質の吸入によって気道や肺に慢性的な炎症が起こり、息を吐き出しにくくなる病気です。40歳以上の約8.6%にみられるとされますが、実際に診断されていない見逃し例も多いといわれています。国試では喫煙との関連・閉塞性換気障害・FEV1%<70%・禁煙治療が頻出ポイントです。
| 読み方 | COPD(シーオーピーディー)/慢性閉塞性肺疾患 |
|---|---|
| 病型 | 非気腫型(末梢気道の炎症が中心)/気腫型(肺胞の破壊が中心)の大きく2タイプ |
| 原因 | 喫煙(最大の危険因子)、大気汚染、室内の有機燃料の煙、遺伝的要因、α1アンチトリプシン欠損症、小児期の呼吸器感染、気管支喘息との合併など |
| 好発 | 40歳以上で有病率約8.6%。男性・高齢者・喫煙者に多く、見逃されやすい病気とされる |
| 主症状 | 長引く咳・痰・労作時の息切れ・喘鳴・食欲低下・体重減少 |
| 検査所見 | 呼吸機能検査で気管支拡張薬吸入後のFEV1%が70%未満(閉塞性障害を認める) |
| 重症度分類 | %FEV1で4段階に分類(I期軽度≧80%~IV期きわめて高度<30%) |
| 合併症 | 進行すると呼吸不全・肺性心・心不全・サルコペニアを合併しうる |
| 治療 | 禁煙が最も有効。長時間作用性抗コリン薬・β2刺激薬・テオフィリン、ワクチン接種、呼吸リハビリテーション、栄養療法。急性増悪時は抗菌薬・ステロイド・気管支拡張薬 |
COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)は、喫煙などの有害物質を長期間吸い込むことで気道や肺に慢性的な炎症が起こり、空気の通り道が狭くなって息を吐き出しにくくなる肺疾患です。
病型は大きく2つに分けられます。
同じCOPDでも、どちらのタイプが主体かによって症状の出方が異なります。
COPDの最大の危険因子は喫煙です。喫煙者の発症率は約15~20%とされ、喫煙者全員が発症するわけではありませんが、原因として最も重要視されています。
日本での有病率は40歳以上で約8.6%と報告されていますが、実際に診断・治療を受けている患者は少なく、見逃されやすい病気とされています。疫学的には男性・高齢者・喫煙者に多くみられます。
COPDの主な症状は、長引く咳・痰・労作時の息切れ・喘鳴(ぜんめい)で、進行すると食欲低下や体重減少もみられます。
| 病期 | みられる所見 |
|---|---|
| 主な症状 | 長引く咳/痰/労作時の息切れ/喘鳴/食欲低下/体重減少 |
| 進行すると | 呼吸不全/肺性心/心不全/サルコペニア |
労作時の息切れは徐々に進行するため自覚しにくく、早期発見・早期対応が重要とされています。
COPDの診断で最も重要なのは呼吸機能検査です。喫煙歴がある、咳や痰が続く、息切れがあるといった点から疑い、気管支拡張薬を吸入した後の検査でFEV1%(1秒率)が70%未満であれば閉塞性障害ありと判断し、COPD診断の重要な所見となります。
重症度は%FEV1(対標準1秒量)によって4段階に分類されます。
| 病期 | 重症度 | %FEV1 |
|---|---|---|
| I期 | 軽度 | %FEV1 ≧ 80% |
| II期 | 中等度 | 50% ≦ %FEV1 < 80% |
| III期 | 高度 | 30% ≦ %FEV1 < 50% |
| IV期 | きわめて高度 | %FEV1 < 30% |
COPDは治りにくく、ゆっくり進行する病気です。治療の目的は症状の改善・QOLの維持・肺機能悪化の予防・急性増悪の予防にあり、禁煙が最も有効な治療とされています。
| 分類 | 主な内容 |
|---|---|
| 生活・予防 | 禁煙、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、栄養療法、呼吸リハビリテーション |
| 薬物療法 | 長時間作用性抗コリン薬、β2刺激薬、テオフィリン |
| 急性増悪時 | 抗菌薬、ステロイド、気管支拡張薬 |
COPDはゆっくり進行する病気で、気管支炎・肺炎・感染症・体重減少・運動能力低下・筋力低下などが悪化のきっかけとなります。予後改善には肺だけでなく全身をみることが重要で、栄養管理・運動療法・ワクチン接種・禁煙支援など多職種によるサポートが行われます。