気管支喘息は、好酸球やリンパ球を中心とした慢性の気道炎症によって気道が狭くなる病気です。発作は夜間〜早朝に起こりやすく、成因からアトピー型と非アトピー型に分類されます。国家試験では病態・診断法・治療薬の違いがよく問われるため、ポイントを整理して押さえておきましょう。
| 読み方 | きかんしぜんそく |
|---|---|
| 分類 | アトピー型(外因型):小児に多くIgE抗体が関与/非アトピー型(内因型):IgEは関与せず感染などが契機 |
| 原因・悪化因子 | ダニ・ほこり・カビ・ペット・花粉などのアレルゲン、感染、アスピリン(アスピリン喘息)、運動、冷気、職業性曝露(職業性喘息) |
| 好発・疫学 | 成人有病率は症状ありで約9.4%、診断ありで約5.4%。小児は増加傾向。死亡数は年々減少しているが、高齢者(特に75歳以上)の死亡が多い |
| 主症状 | 咳・痰、息苦しさ、呼吸困難、喘鳴(呼気時に強い)、胸が詰まる感じ。夜間〜早朝に悪化しやすい |
| 検査所見 | 血液検査・IgE検査・IgE RAST、気道可逆性試験(気管支拡張薬吸入で1秒量改善)、気道過敏性試験(アセチルコリン吸入で1秒量低下)、喀痰好酸球、FeNO高値(好酸球性炎症を反映) |
| 鑑別・合併症 | 長期化により気道リモデリングが進行。鑑別として心臓喘息(左心不全による肺うっ血で喘鳴、気管支喘息に似るが心不全治療で改善) |
| 治療 | 長期管理の中心は吸入ステロイド薬。追加治療薬として長時間作用性β2刺激薬、抗コリン薬吸入、テオフィリン、抗アレルギー薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬。難治性喘息にはIgE阻害薬・IL-5抗体・IL-5受容体抗体・気管支サーモプラスティ |
| 経過・予後 | 完全に治る病気ではなくコントロールする病気。良好なコントロールで気道リモデリングを防ぐ。自己判断での薬の中止は危険。ピークフローメーターによる自己管理が重要 |
気管支喘息は、好酸球・リンパ球を主体とした慢性の気道炎症により気道が狭くなる病気です。気管支腺からの分泌も増加し、呼吸がしにくくなる閉塞性換気障害を示します。長期化すると気道の構造そのものが変化する「気道リモデリング」が進行するのが特徴です。
症状としては咳・痰、息切れ、夜間〜早朝の症状悪化がみられ、吸入薬(気管支拡張薬・吸入ステロイド薬)が有効です。
気管支喘息は成因により大きく2つのタイプに分けられます。国家試験では両者の違い(IgEの関与の有無、好発年齢、契機)が頻出です。
| アトピー型(外因型) | 非アトピー型(内因型) | |
|---|---|---|
| 好発年齢 | 小児に多い | 成人に多い |
| IgE抗体 | 関与する | 関与しない |
| 契機 | 外因性アレルゲン(ダニ・ほこり・カビ・ペット・花粉など) | 感染などがきっかけ、内因性の要素 |
成人における気管支喘息の頻度と傾向は次の通りです。
小児と成人・高齢者で疫学的な傾向が異なる点が国試でも問われやすいポイントです。
| 指標 | 割合・傾向 |
|---|---|
| 成人:喘息症状があった人 | 約9.4% |
| 成人:喘息と診断された人 | 約5.4% |
| 小児の患者数 | 増加傾向 |
| 死亡者数 | 年々減少 |
| 死亡が多い年齢層 | 高齢者(特に75歳以上) |
発作時には咳・息苦しさ・呼吸困難・喘鳴・胸が詰まる感じが主な症状として現れます。喘鳴は呼気時に強く聞こえるのが特徴です。
気管支喘息の診断では、血液検査に加えて気道の状態を評価する各種検査が用いられます。
| 検査 | 内容・診断ポイント |
|---|---|
| 血液検査・IgE検査・IgE RAST | アトピー型では好酸球増多・IgE高値 |
| 気道可逆性試験 | 気管支拡張薬吸入後に1秒量が改善→気道可逆性あり |
| 気道過敏性試験 | アセチルコリン吸入で1秒量が低下→気道過敏性あり |
| 喀痰好酸球・FeNO検査 | FeNO高値→好酸球性炎症の指標 |
気管支喘息の長期管理の中心は吸入ステロイド薬であり、気道の炎症を抑えることが基本治療となります。症状や重症度に応じて追加治療薬が選択されます。
難治性喘息に対してはIgE阻害薬、IL-5抗体、IL-5受容体抗体、気管支サーモプラスティといった治療が行われます。
気管支喘息は完全に治る病気ではなく、コントロールする病気です。良好なコントロールは気道リモデリングの進行を防ぎますが、コントロール不良では気道リモデリングが進行し発作が起こりやすくなります。自己判断で薬を中止せず、ピークフローメーターで自己管理を続け、医師とともに「発作のない毎日」を目指すことが大切です。