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先端巨大症・巨人症
先端巨大症・巨人症の病態・症状・診断・治療せんたんきょだいしょう・きょじんしょう
先端巨大症・巨人症は、成長ホルモン(GH)の過剰分泌 によって骨・結合組織・内臓が過剰に発育する内分泌疾患です。骨端線閉鎖前に発症すれば巨人症(高身長)、閉鎖後に発症すれば先端巨大症(手足・顔貌など末端の肥大) となり、その多くは下垂体腺腫が原因です。
読み方 せんたんきょだいしょう・きょじんしょう
分類 内分泌疾患(下垂体前葉機能亢進)
原因 成長ホルモン(GH)の過剰分泌。多くは下垂体腺腫、まれにGHRH産生腫瘍
発症時期による違い 骨端線閉鎖前=巨人症(高身長)/閉鎖後=先端巨大症(末端肥大)
主な症状 四肢肥大、特徴的顔貌(下顎突出・眼窩上縁突出・鼻/舌/口唇肥大)、発汗亢進、頭痛・視野障害
検査・診断 血中GH・IGF-1上昇、X線・CT・MRIで下垂体腺腫や骨変化を確認
治療 下垂体腺腫の摘出手術が基本。困難例はソマトスタチン誘導体などの薬物療法
頻度 比較的まれ(人口100万人あたり先端巨大症約60人・巨人症約3人)
先端巨大症・巨人症とは(病態)
先端巨大症・巨人症は、成長ホルモン(GH)が過剰に分泌 されることで、骨・結合組織・内臓が過剰に発育する内分泌疾患です。GHは単独で働くのではなく、主に肝臓で産生されるIGF-1(インスリン様成長因子-1)を介して全身に作用 します。
肝臓 :IGF-1の産生を促進筋肉 :筋タンパク合成を促進脂肪 :脂肪分解・代謝を促進その結果、骨・臓器・組織の成長・増殖が全身で亢進します。GH過剰の状態が骨の肥大 → 結合組織の増生 → 内臓の肥大という形で現れるのが本疾患の本質です。
GHは肝臓・筋肉・脂肪に作用し、IGF-1を介して全身に影響する
巨人症と先端巨大症の違い(骨端線閉鎖がカギ)
同じGH過剰でも、骨端線(成長線)が閉鎖しているかどうか で現れる病態が大きく異なります。ここが国試最頻出のポイントです。
骨端線閉鎖前(小児・成長期)に発症 → 巨人症 :まだ骨が長軸方向に伸びる余地があるため成長が続き、身長が著しく高くなる(高身長)。骨端線閉鎖後(成人)に発症 → 先端巨大症 :身長の伸びは止まっているため、手足や顔などの末端(先端)が肥大 する。覚え方は「GH過剰で、閉鎖前なら巨人症、閉鎖後なら先端巨大症 」。カギは骨端線の閉鎖のタイミングです。
骨端線閉鎖前=巨人症(高身長)、閉鎖後=先端巨大症(末端肥大)
原因(多くは下垂体腺腫)
先端巨大症・巨人症の原因の多くは、下垂体(前葉)にできる良性腫瘍=下垂体腺腫 です。この腺腫からGHが過剰に分泌されることで発症します。
主因 :下垂体腺腫(良性腫瘍)によるGH過剰分泌まれな原因 :GHRH(成長ホルモン放出ホルモン)産生腫瘍。GHRHが増えることで二次的にGH過剰となる基本は「下垂体由来のGH過剰」と押さえ、まれにGHRH産生腫瘍もあることに注意します。
多くは下垂体腺腫が原因、まれにGHRH産生腫瘍
症状(GH過剰による症状と下垂体腺腫の圧迫症状)
症状は大きく、GH過剰そのものによる症状 と、下垂体腺腫が周囲を圧迫することによる症状 の2系統に分けて理解します。
①GH過剰による症状
四肢肥大(手足が大きくなる) 特徴的な顔貌変化:眼窩上縁突出・下顎突出・鼻・舌・口唇の肥大 発汗亢進、体重増加 変形性関節症、腰痛、末梢神経障害(手根管症候群など) ②下垂体腺腫の圧迫による症状
頭痛 嘔吐 視野障害 (腫瘍が視交叉を圧迫することで両耳側半盲などが起こる)巨人症では「高身長」、先端巨大症では「手足・顔貌の変化(末端肥大)」が目立つのが特徴です。
発汗亢進・体重増加・四肢肥大、および特徴的な顔貌変化
診断のポイント
診断は、特徴的な見た目から疑い、ホルモン検査と画像検査で確定していきます。
①特徴的顔貌・四肢肥大から疑う (下顎突出・鼻や口唇の肥大、大きな手足など)②血中GH・IGF-1の上昇を確認 (GH過剰・IGF-1高値)③X線・CT・MRIで下垂体腺腫や骨変化を調べる (下垂体腫瘍の描出、手足の骨変化など)「顔貌 → 四肢肥大 → GH・IGF-1↑ → 画像検査」という流れで診断を進めるとイメージしやすいです。
顔貌・四肢肥大から疑い、GH・IGF-1上昇と画像検査で確認する
治療と未治療の合併症
治療の基本は原因となっている下垂体腺腫の摘出手術 です。
手術(摘出術)が第一選択 :下垂体腺腫を取り除く薬物療法 :手術ができない場合などはソマトスタチン誘導体 などでGH分泌を抑える放置すると全身の合併症が問題となります。未治療では糖尿病・心不全・下垂体機能低下 が起こりやすくなります。
糖尿病 :高血糖が続き合併症のリスクに心不全 :心臓に負担がかかり命に関わることも下垂体機能低下 :ホルモン不足でさまざまな不調に
下垂体腺腫の摘出手術が基本、未治療では糖尿病・心不全・下垂体機能低下が問題
国試ポイント
① 成長ホルモン(GH)の過剰分泌による疾患。GHはIGF-1を介して全身に作用する
② 骨端線閉鎖前の発症=巨人症(高身長)、閉鎖後の発症=先端巨大症(末端肥大)
③ 原因の多くは下垂体腺腫(良性腫瘍)。まれにGHRH産生腫瘍
④ 特徴的顔貌(下顎突出・眼窩上縁突出・鼻/舌/口唇肥大)と四肢肥大が代表症状
⑤ 下垂体腺腫の圧迫で頭痛・嘔吐・視野障害を生じる
⑥ 診断は血中GH・IGF-1上昇+X線・CT・MRIで下垂体腺腫を確認。治療は摘出手術が基本、未治療で糖尿病・心不全・下垂体機能低下
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