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クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)の病態・症状・診断・治療くっしんぐしょうこうぐん

クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンのコルチゾールが慢性的に過剰分泌されることで全身に多彩な症状をきたす病態で、副腎皮質機能亢進症とも呼ばれます。中心性肥満・満月様顔貌・水牛様脂肪沈着・赤色皮膚線条が代表的な所見で、糖尿病や高血圧、易感染性、骨粗鬆症なども合併します。国試では原因分類(副腎性・下垂体性・異所性)と特徴的な身体所見が頻出です。

クッシング症候群|クッシング症候群 1
読み方くっしんぐしょうこうぐん(副腎皮質機能亢進症)
分類内分泌疾患(副腎皮質ホルモン過剰)
病態コルチゾールが慢性的に過剰分泌される
好発女性に多く、40歳代にピーク/比較的まれ(高血圧患者の約0.1%)
主な原因副腎腫瘍 約50%・下垂体性(ACTH過剰)約40%・その他 約10%
主な症状中心性肥満・満月様顔貌・水牛様脂肪沈着・赤色皮膚線条・皮膚菲薄化・易感染性
検査・診断血中コルチゾール高値の確認+画像検査(エコー・CT・MRI)
治療原因別(副腎摘出術・下垂体腫瘍摘出/放射線/薬物・ホルモン補充など)

クッシング症候群とは(病態・定義)

クッシング症候群は、副腎皮質から分泌されるホルモンコルチゾール慢性的に過剰となることで生じる病態で、副腎皮質機能亢進症とも呼ばれます。コルチゾールは体のエネルギー代謝や血糖・血圧・免疫などを調整するホルモンで、過剰になると全身に多彩な症状が現れます。

副腎皮質からコルチゾールが慢性的に過剰分泌され、全身に影響を及ぼす
副腎皮質からコルチゾールが慢性的に過剰分泌され、全身に影響を及ぼす

疫学と原因

クッシング症候群は比較的まれな疾患で、高血圧症患者の約0.1%とされます。女性に多く、40歳代にピークがあります。

コルチゾール過剰をきたす主な原因は次の4つに大別されます。

日本での原因の内訳は、副腎腫瘍 約50%下垂体性 約40%・その他 約10% が目安です。

原因割合(日本)
副腎腫瘍(副腎性)約50%
下垂体性(ACTH過剰)約40%
その他約10%
コルチゾール過剰の主な原因は副腎腫瘍・副腎過形成・下垂体ACTH過剰・異所性ACTH産生
コルチゾール過剰の主な原因は副腎腫瘍・副腎過形成・下垂体ACTH過剰・異所性ACTH産生

代表的な症状と全身への影響

まず押さえたい代表的な3徴は次のとおりです。

さらにコルチゾール過剰は皮膚・筋・骨に広く影響します。

代謝・内分泌・精神面にも影響し、糖尿病(高血糖)・高血圧・多毛・ざ瘡・月経異常・不眠・不穏・うつ状態などをきたします。

皮膚萎縮・赤色皮膚線条・筋力低下・筋萎縮・骨粗鬆症・病的骨折など全身に影響する
皮膚萎縮・赤色皮膚線条・筋力低下・筋萎縮・骨粗鬆症・病的骨折など全身に影響する

易感染性(免疫機能低下)

クッシング症候群の重要な特徴の一つが免疫機能の低下による易感染性です。コルチゾール過剰により体を守る力が下がり、細菌やウイルスに感染しやすくなります。

免疫機能低下により感染症にかかりやすく、傷も治りにくくなる
免疫機能低下により感染症にかかりやすく、傷も治りにくくなる

診断のポイント

診断は特徴的な身体所見に、コルチゾール測定と画像検査を組み合わせて行います。中心性肥満に注目することが第一歩です。

見た目の特徴とホルモン検査・画像検査を組み合わせて総合的に診断します。

中心性肥満に注目し、コルチゾール測定+画像検査(エコー・CT・MRI)で診断する
中心性肥満に注目し、コルチゾール測定+画像検査(エコー・CT・MRI)で診断する

治療と予後

治療は原因に応じて異なるのが特徴です。

未治療のリスクとして、感染症・心血管障害・腎障害があります。予後は治療により改善する例もありますが再発があり、癌(悪性)の場合は予後不良です。早期発見と原因に応じた適切な治療が大切です。

原因別に治療法が異なる。未治療では感染症・心血管障害・腎障害のリスクがある
原因別に治療法が異なる。未治療では感染症・心血管障害・腎障害のリスクがある
国試ポイント
① クッシング症候群=コルチゾール(副腎皮質ホルモン)の慢性的な過剰分泌による病態。別名は副腎皮質機能亢進症。
② 代表的3徴は中心性肥満・満月様顔貌・水牛様脂肪沈着。赤色皮膚線条・皮膚菲薄化も特徴的。
③ 原因は副腎性・下垂体性(ACTH過剰=クッシング病)・異所性ACTH産生に分類。日本では副腎腫瘍 約50%・下垂体性 約40%。
④ 合併症として糖尿病・高血圧・骨粗鬆症・易感染性(免疫低下)・精神症状などをきたす。
⑤ 診断は血中コルチゾール高値+画像検査(CTで副腎腫瘍、MRIで下垂体腫瘍)。
⑥ 治療は原因別(副腎摘出術・下垂体腫瘍摘出/放射線/薬物・ホルモン補充)。女性に多く40歳代にピーク。
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